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第一印象は怖い変な人だった。
だって、ガタイも良くて無愛想で、俺をずっと見つめてくるから。
そう思うのも仕方がない。
そこから少しずつ関わるようになってきた。
ひかると一緒に居る時間の分、印象は変わっていく。
全然怖くないし、変でもない。
あの見た目をして甘いものが好きだし、笑ったらすごい可愛くなる。
俺のことを見てくれてるから、ちょっとしたことでも気づいてくれる。
「嫌なことあった?」とか、「今日いい事あるの?」とか。時には黙って隣にも居てくれた。
何も言わずに俺の背中をさすってくれた。
俺のしたいことになにも文句を言わずに付き合ってくれた。
それがすごく嬉しかった。
だから、俺がひかるを好きになるのに時間はかからなかった。
深 「ひかる!一緒に帰ろ!」
岩 「っ、びっくりした」
深 「ごめんごめん!」
岩 「ふっか、いつも急に後ろからくるから」
深 「ひかる見るとつい突進しちゃうんだよね」
岩 「なにそれ笑」
深 「本能てきな、?」
「ほら、行くよ!」
岩 「うん、今日はどこ行く?」
深 「うーん…ゲーセン!」
岩 「行こっか」
俺は放課後、ひかると一緒にどこかに寄ってから帰るのがもうすっかり日課になった。
今も、今までもすごい楽しい。
これからもずっとそうであってほしい。
ひかるもそう思ってたらいいな。
深 「俺…好きな人、できた」
なんとなく、そうカマをかけてみた。
ひかるがどう反応するか気になったから。
俺の事をただの友達って思ってたら、普通に応援すると思うし、そうじゃなかったら….。
もしもの時はその人に彼氏いたとか言って誤魔化せばいい。
岩 「っ、!….そっか」
「頑張ってね」
ひかるは分かりずらいが目を見開く。
それは俺に好きな人がいるような素振りが感じられなかったからだろう。
頑張ってね、その五文字に俺は下手な演技で、ありがとうと返すしか無かった。
お互いに無言が続く。
ひかるからは何も聞いてこない。相手の名前も、どんな人かも。
聞かれたらひかるの特徴を言ってもよかったのに。
これは期待してもいいのか、俺に興味がないのか。どちらにせよ、俺はまだなにもできない。
この日は珍しくどこにも寄らずに別れた。
数日後。
今日は俺の家でひかると遊ぶことになった。
あの日からひかるの態度は変わらない。
好きな人の話をひかるにすると、ただ頷いてくれる。
その人、ひかるなんだけどな。
深 「っよっしゃ!また俺の勝ち!わら」
岩 「….次は勝つ」
深 「ほんと、ひかるって負けず嫌いだよね」
「いつもは平和主義って感じなのに」
岩 「別にそんなことない」
深 「どっちが?」
岩 「平和主義。なんとなく表に出してないだけ」
深 「….ふ〜ん、そうだったんだ」
「初めて知った」
初めて知るひかるの一面。
まだ知らないことがあるのが悲しかった。
しばらくゲームをし、二人で休憩をしていた。
さっきは、はしゃぎ過ぎたのか少し瞼が重い。
そして、瞼が閉じる。
重い瞼は開ききらないが、意識は戻り始める。
寝てからどれくらい経ったのか。
時計を確認しようと、顔をあげようとするとなにか気配を感じる。
つい俺は寝たフリをしてしまった。
ひかるの手らしきものが俺の頭に近づく。
そして、離れる。俺に触れないまま。
あれ、頭を撫でてくれる訳じゃないのか。
疑問と悲しみが俺の頭を埋める。
深 「…頭、撫でないの、?」
無意識だった。まさか俺がこんなことを言うとは。
岩 「っ?!….起きてたの?」
深 「今、起きた」
岩 「….そっか」
深 「で、いいの…?」
岩 「ゴミ、ついてただけだから」
深 「ふ〜ん….」
誤魔化してるのか、事実なのか。恐らく前者だろう。
ひかるが俺の事をどう思ってるかとか、どうでもいい。
隠し事だってもうしたくない。
なら、いっそ。
俺より先にひかるが口を開く。
岩 「ふっか、…..好き」
深 「….ぇ」
好き、その二文字を受け入れるのには時間がかかった。
そんな俺を待たずにひかるは言葉を続ける。
岩 「でも、ふっかに好きな人いるのは知ってる。」
深 「っ、いる、好きな人….!」
岩 「….、だから諦めるから」
違う、そうじゃない。諦めないで。
だって俺が好きな人は….
深 「ひかる…なの、好きな人」
「ひかるのこと、好き」
ここでやっと理解する。自分が今、何を言ったのか。ひかるはさっき俺になんと言ったのか。
そうか、俺たちは両思いだったんだ。
岩 「ふっか、ハグしていい?」
深 「…!もちろん」
ひかるに包まれる。安心する。
でも顔が暑い。きっと俺の顔は真っ赤に染まっている。
そんな顔、ひかるに見せられない。そんな気持ちでひかるの肩に顔を埋める。
コメント
1件
わあ、ついに両思いになったんですね…!深sideだからこそ伝わる、ひかるへの想いの積み重ね方がすごく丁寧で、じんわりきました。「頭、撫でないの?」って寝ぼけながら言う深、可愛すぎます。お互いに好きなのにすれ違ってたもどかしさが、最後のハグで全部報われた感じがして、こっちまで温かい気持ちになりました。ひかるの「ゴミついてただけ」って誤魔化し方も、彼らしい不器用な優しさが出てて好きです。