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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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私は夏に溶けかけの氷を眺めるのが好き




コップに入れてカラコロ鳴らす音も好き


飲み物を入れた時に気泡が上がってくるのが好き


溶けていくうちに小さくなっていくのも好き


口の中に入れるとパキパキという音と

冷たい感触が同時に舌の上で溶けるのが好き





僕は冬の氷が好き




手に持つと、手の温度と共に小さく溶けていくのが好き


溶けていくうちに角が丸くなるのが好き


溶けた氷がツルツルの宝石みたいになるのが好き


いつの間にか氷の姿は消えて水に変わってるのが好き





私/僕はいつもこう思う。


氷みたいに

儚げに

音も無く

気づいたら


“ 消えている ” そんな風になりたいって思う




でも、1つ嫌なことがある。


氷は一瞬で消えるんじゃなくて

気づいたら消えているもので、

刻々と溶けるものだから


地面に置いた氷より

手で握りしめる氷より

ジュースに入れた氷より


熱湯に放り込んだ氷の方がいい。





って前は思ってた。



でも今は、

好きなものに触れながら

未練が残らないような

刻々と溶ける

溶け方をしたい。


だってもしかしたら、

溶けて消えてしまうんじゃなくて

同じ考えを持った人と繋がり会えるかもしれないって思えるから

自分が考えるIfを少しの時間だけでも信じてみたいから




でも何が1番儚くて素敵かっていうのは



氷が溶けた後に残った水が蒸発するまでの


時間が私/僕は素敵だと思う。



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