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「イイイヤァァァァァァァアッッッホウッッッ!!!!!」
ヤッホーと《憑依合体》した隻腕のマカロンは、涎を垂らし、目を光らせながら、ものすごい勢いでミモリンに切りかかります。
ミモリンは避けるのに手一杯で、変身をする
隙さへ与えられません。
「死にたくなかったら避けながら聞きなさい。」
マカロンに憑依したおそろし山の精霊ヤッホーは静かに語りだしました。
ミモリンはマカロンのとてつもない波状攻撃を死に物狂いで避けながら、ヤッホーの声を
聞きました。
「《禁忌のリュカ》が生まれた日、おそろし山のおよそ3分の1の大地が、リュカの熱で
蒸発し消滅したわ。そこには数多くの木々や
魔物達だっていた。そいつらまとめて影も残らず消えた。」
ヤッホーが憑依したマカロンが牙を剥き出しにしてミモリンの首筋に食らいかかります。
ミモリンはそれをギリギリでかわし
距離を取ります。
マカロンは再び包丁による波状攻撃を
繰り出しました。
「《禁忌のリュカ》が生み出した炎は
おそろし山全域に広がりおそろし山の命は
危うく全て焼き尽くされかけた。
魔王バルザルドと私が死に物狂いで鎮火して
ようやく火が静まった頃には。
おそろし山の魔物の約9割は死滅してしまった。今の豊かな自然に戻るには、数えるのも億劫になるほどの長い年月がかかった。」
マカロンが魔法で大量の魔物を空から降らしました。
ミモリンはそれを必死で躱します。
マカロンはその大量の魔物をかっ食らいながらミモリンに獰猛に襲いかかります。
この魔法を使う限り、マカロンに体力切れは
起こり得ません。
「あなたはそんな化物と、《禁忌のリュカ》と、一緒に食卓を囲めと言うの?」
マカロンはド派手に叫びおそろし山が大きく揺れます。
ミモリンは体勢を少し崩してしまいます。
マカロンがミモリンを包丁で真っ二つに
しようとします。
ミモリンはそれをギリギリで躱します。
マカロンの更に加速した波状攻撃が
ミモリンを襲います。
「あなたはこう言いたいのでしょ?
リュカの熱は収まった。もう安全だ。
だから大丈夫だ。 ……ばっかじゃないの?
もしリュカが また暴走しておそろし山が消滅したら あんた責任取れるわけ?」
マカロンは謎の薬を食べて更に加速します。
更にマカロンは魔法で次々に食べ物を出しては食い、出しては食いを繰り返し
どんどん加速していきます。
ミモリンは、捌ききることが、できませんでした。
ヤッホーの取り憑いたマカロンがミモリンの
首筋に包丁をピタリとつけました。
「魔王バルザルドの最大の罪は、
《禁忌のリュカ》を生み出したこと。
そして《禁忌のリュカ》の罪は、
この世に生まれて来てしまったことよ。」
淡々と、残酷に、ヤッホーちゃんはミモリンに現実を突き付けました。
「それでもッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ミモリンは叫びました。
「それでも私は!!!!!リュカに幸せになって
ほしい!!!!!!!!生まれてきたのが罪だって言うなら何年かけてでも償わせます!!!!!!!!!
皆を危険な目に合わせずにリュカが皆と
一緒にごはんを食べれる方法を!!!!!!
私が何年かけてでも探します!!!!!!!!!」
ミモリンはポロポロと涙をながして
いいました。
「だからマカロンちゃん、おねがい。
もう少しだけ、私達に時間をください。」
ヤッホーの取り憑いたマカロンは目を閉じました。
マカロンは《憑依合体》を解除しました。
ヤッホーちゃんはミモリンを抱きしめました。
「勘違いしないで頂戴、あなた達を許したわけでもあなたのふざけた夢を認めた訳じゃ
ないんだからね。…….ほんの少しだけ、
本当にほんの少しだけ。あなた達に時間を与えてあげる。」
ヤッホーちゃんに抱きしめられ、ミモリンの
体力は全回復しました。ミモリンはヤッホーちゃんを抱きしめ返しました。
「…….ありがとう、ヤッホーちゃん。」
マカロンは大きく伸びをし。
「あー楽しかった。」
と言い、魔法でどこかへと消えて行きました。
「あなたが納得させないといけない奴が
あと一人いるわ。」
そう言ってヤッホーちゃんはミモリンのおでこにおでこをぶつけました。
「これは《山びこの魔法》、使い方なら
もう分かるでしょ?」
ミモリンはうん。と答えました。
ヤッホーちゃんはミモリンのケツを思いっきりひっぱたいて言いました。
「行ってきなさいミモリン、あの道化師の
化けの皮をひっぺがしてやりなさい。」
はてさて、どうなることやら。
がんばれミモリン、まけるなミモリン。
ハッピーエンドになるといいですね。
(次回 見えざるものたちの呪詛
次回もお楽しみに☆)