ーー数時間後ーー
 音「ただいまぁー」
 聖「おかえり。」
 母「せいーお風呂入ったー?」
 聖「うん入ったよ」
 
 母「じゃあおと、ちゃちゃっとお風呂入ってきなさい」
 音「うーい」
 聖「……」
 
ーーリビングーー
 聖「……」
 なんで、よりによって僕が…
 Ωは発情期(ヒート)があって、αにしか匂わない香りを体から発する。
発情期になるとΩは性処理をするまで楽にならない。
もし、Ωの香りをαが嗅いでしまったら、理性を保てず、野獣のように襲いかかって来るらしい。
 それを抑えるためにΩは薬を飲まないといけない。
でも、僕はまだ成長期で、数週間ほどで薬が効かなくなってしまう。
だから、2週間に1回程度、病院に通い、薬を変えてもらう必要があるって、お医者さんが言ってた。
 聖「…はぁ」
 音「なーにしてんのッ!」ヒョコッ
 聖「ビクッ…びっくりしたァッ」
 聖「お風呂上がったの?」
 音「うん。」
 聖「早かったね」
 音「そうかな…」
 聖「で、何の用?」
 音「いや、ぼーっとしてたからどしたんだろって……」
 聖「そう。全然なんにもないよ。以上。」
 音(なんか冷たいな……)
 音「…お兄ちゃんと一緒に寝るか?♡笑」
 聖「は?何言ってんの?」
 音「なんつって☆汗」
 (……なんか怒ってる?)
 聖「はぁ〜僕早く寝なきゃ」スッ
 音「明日なんかあんの?」
 聖「部活。」
 音「あーね、」
 聖「じゃ、先上行っとくね。」
 音「おう。」
 
 バタンッ
 母「……どう?」 ヒョコッ
 音「俺嫌われたかな?、」
 母「さぁ?心当たりは?笑」
 音「……ない。笑」
 母「だからじゃないの笑笑」
 音「……明日彼女ん家行く。」
 母「ええ〜汗、そんないきなり? 」
 音「まぁ、行くから、」
 母「う、うん。」
音「じゃあ俺も寝るわ。おやすみ」
 母「おやすみー」
バタンっ
ーー音葉の部屋ーー
 音「はぁ〜」
 心当たりなんて、いっぱいある。
 音「……もういいや、寝よ。」
 
 
 ーー
 音「なぁー聖ー」
 聖「ん?何?」
 音「今日性態検査やったんだよ」
 聖「うん」
 音「そしたら俺」
 音「αでしたっ👏👏👏」
 聖「ふーん」
 音「興味無しかよ。」
 聖「別に、どうでもいいよ。性態なんて、」
 聖「どーせ。僕、βだろうし」
 
 ふわっ𓂃 𓈒𓏸𑁍
 
 いや、お前は……
 音「Ωだろ」
 
 ドサッ
 
 聖「ちょっ……何、」
 ガブッッ
 聖「いっッ……!」
 音「ビクッ……」
 パッ
 聖「え?何?お兄ちゃん???え、」
 音「はぁ…はぁ、」
 音「あれ、ッははっ…」
 音「聖……」
 
 
 
 俺の番になっちゃった♡
 
 
音「うわっ……!」バッ
 ……夢か、
 思い出したくなかった事出てきやがったし…最悪。
 音「変な汗かいた…」
 音「…………」
 あの時本当に、聖を番に……
 ガチャッ
 聖「お兄ちゃん、」
 音「ビクッ、ノックぐらいしろよ……」
 聖「あ、あぁごめん。……てかなんで」
 
 聖「…泣いてるの?」
 音「えっ、あ、」
 ほんとだ……
 聖「怖い夢でも見た?大丈夫?」
 ドクンッ
音「あ、おう。ちょっと…… 」
 聖「そう。まぁ落ち着いてからで良いよ。ごめんね起こしちゃって。」
 バタンッ
 音「あ……?なんださっきの、」
 
 
 聖に優しくされたら心臓がなんか、
…あと、ちょっと、
 
 
 甘い匂いした。
 
 
 
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