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『…あ、ありがとうございます、、』
き…気まづい。
それに、またこれ浮気、、
…えっと、さっきまで泣いていた徹先輩、、になんて声かければ、、、
しどろもどろで目線を泳がせてると
徹先輩が私に少し近づく。
そして、
オイカワ「ごめんね、見苦しいとこ見せちゃって」
そう、謝る。
『え?』
まさか謝るなんて思ってなくて、
私は顔を上げ徹先輩を見る、
と____
とても切なそうに微笑んでいて____
…むしろあの状況で試合の結果を聞いた私の方が謝るべきで、、、
それに、、白鳥沢との決勝で何度も負けても若利くんに勝つってあんだけずっと本人の前でも宣言して言ってた徹先輩が、、
泣くだなんて、、
あんだけ、努力、とか…色々してた人が
まさか後輩がいるチームに負けるとか、
そんなの、、
思ってなくて、、、
『ッ…うっ…あの…ッ…ごめんなさ……』
気がつけば涙がポロポロと溢れてきた。
オイカワ「えっ!?美樹ちゃん!?なんで泣くの!?…えっ!?」
徹先輩はあたふたしてるけれど
止めどなく涙が溢れてくる____
これで最後の大会。
どれだけ努力をしていても、
勝ち負けで決まってしまう
結果が全てだ。
何年も、決勝は白鳥沢と青葉城西の試合だった。
絶対絶対白鳥沢は負けないけれど
毎回楽しみにしていた。
賢二郎と付き合ってからは、
青葉城西に勝った時ふふんッと自分もチームの仲間かのように嬉しかった。
烏野が勝ったのが信じられない訳では無い
ただ、
『徹ッ…せんぱぃが…バレー…大好きなの…
知ってるからッ…努力してたの知ってるから…
泣いてるのッ…見て………私も悔しくて…もう、最ッ後だったんだと…思うと…悲しくてッ……ふっ…ぇグスッ……』
次は負けない、
付き合ってた頃はそうやって涙は流さず笑ってた徹先輩。
そんな徹先輩が。____
オイカワ「…美樹ちゃんがそんな事思ってくれてたなーんて…
思ってもなかったな…」
ポリポリと頭をかきながら徹先輩は微笑み
オイカワ「あんな別れ方だったし…
それに最後も…泣き顔見せちゃったし」
最後…?
オイカワ「それ、謝っとこうと思って。
ま、俺の自己満だけど〜 はは、
ほんとごめんね、
バイト終わり待ってだなんて
彼に知れたらどうしようか」
そう、自嘲するように笑う徹先輩……
『…さ、…最後って…』
言葉にあった最後という言葉に問いかける。
オイカワ「ああ、及川サン、高校卒業後アルゼンチン行くんだ
もちろんバレーしにね」
『あっ…ある!?』 ゼンチン!?
びっくりして最後まで言えなかった。
『えっ…あっ…アルゼンチン…って国名だよね…?』
オイカワ「そうだね」
『そんな遠い所まで?』
オイカワ「…うん、そうだよ」
『もう、決めてるの?』
オイカワ「…うん、決めた。
というか、さっきちゃんと決めた」
『さっき…?』
オイカワ「ほんとは…少し迷ってはいたんだ。
みんなと離れるの辛いし、
どっかの大学行っても社会人になっても日本にいればすぐに会えるじゃん?
バレーだって、チーム作ったらまたみんなで続けられる」
淡々と話す徹先輩。
『若利くん…倒すんじゃないの?』
そう、私が言うと
徹先輩は、今まで私には見せた事がなかった____怖いといえばおかしいだろうか、
闘争心、
負けたくない意思____
そう感じさせるような表情で
オイカワ「勝つよ。」
と。
オイカワ「牛若にも、飛雄ちゃんにも次は勝つ。
そのために俺は努力しないといけない。
強いチーム、強いメンバーがいる場所で
現地で、強くなって
2人をけちょんけちょんになるまで
泣かせてやるんだ
美樹ちゃんに言われて、やっとちゃんと
決心ついたや
ありがとね 」
ふは、
そう言って笑う徹先輩。
そして_____
私の頭を撫でる____
オイカワ「……
もう元彼だけど、かっこ悪いまま美樹ちゃんに思い出として残ってほしくなかったんだ」
そう、言って笑う徹先輩は、
『…………徹先輩は…、ッ』
言葉を詰まらせながら私は
『徹先輩ッは…かっこ悪いですけど…ッ
かっこいい…と思います』
オイカワ「ふは、それどっちなの?」
自分で言ってて訳わかんなくてw
『やっ…えっと、あの…///』
オイカワ「うん、ゆっくりでいいよ」
『かっこ悪く…ないです、、色々かっこ悪いですけど…』
オイカワ「一緒じゃん!www」
『あ、ほんとだwww』
2人して、笑う_______
少し、あの頃を思い出したような気がした。
ひとしきり笑った後、
徹先輩が
オイカワ「じゃ、それだけ伝えたかったんだ
ごめんね、もう遅いのに。
…送ろうか?」
『…いや、送るのはいいです』
オイカワ「即答〜wwまあそりゃあそうだごめん」
ヘラヘラと笑う徹先輩。
もう、私には賢二郎がいるっていうのにこの人は!ほんと!!
いつもいつも…ヘラヘラして…
顔はかっこいいのに、なんかちょっとカッコ悪くて、、バレーうまくて、、
バレー馬鹿で、、
強がって…涙を見せずに努力して、、
遠い所まで、、、
そんな徹先輩が、、、ずっと、、、
『ありがとう…ございました、徹先輩…』
オイカワ「…うん、こちらこそありがと」
ぺこりとお互い頭を下げ、
オイカワ「じゃあね、美樹ちゃん…」
そう言って徹先輩は、 手を振る
私も
『じゃあね、徹先輩…!!』
お互い違う方向を見、
歩く_____
_____
待って、 まだ____
私は振り向き 大きな声で
『徹せんぱーーーーい!!!!
アルゼンチン行っても頑張ってくださーーーーい!!!!
それと!結構、徹先輩の事好きでしたよー!!!
さよーならーー!!!!!!!』
近所迷惑だったと思う、
けれど、
伝えたかった。
辛い思いをしたけれど、
それは私たちを成長させてくれた。
ありがとうの気持ちを込めて、____
その言葉に
徹先輩は
振り向き、
ニッと笑って👍 ポーズをした。
さようなら、徹先輩。
さようなら、私の初恋。