『今日は‥打ち合わせが終わったら帰るから‥』
祐希さんからの連絡が入り、先に家に行っててとあったので、練習後‥食材を買い込みお邪魔する。
シャワーも浴びて、夕食の準備も終わらせる。
‥それから、時計は22時をまわっていた。
遅いな‥携帯を見るも、連絡はない。遅くなる時はいつも連絡をくれたのに‥。
出来た料理が冷えるかなと思い、温め直そうとした時‥ガチャと玄関の方で音がした。
「あっ、ただいま!藍、遅くなってごめん!」
「ん、おかえり。全然ええよ、打ち合わせが忙しかったんでしょ?」
「連絡しようとしたんだけど、携帯充電切れちゃって‥」
ほんとゴメン‥。謝る祐希さんに大丈夫と伝えると、スッと俺の目の前に近づき、キスをされる。その時‥‥‥
ドンッ!!
「えっ?」
驚く祐希さん。それもそうだ、キスをする彼の胸を押しやったのだから‥俺が‥‥。
「ら‥藍?怒ってるの?」
とまどいながら尋ねる祐希さんの顔を見て、ハッとする‥。
「あっ、ごめん、急にされたからビックリしただけやから‥さっ、夕食できてるから食べよー」
誤魔化せるわけがないと思ったが、極力何でもなかったかのように笑い、祐希さんに着替えて来るよう背中を押す。
それでも、ごめん‥とだけ言って祐希さんは着替に向かった‥。
‥‥‥‥キスをされた時、嬉しかった。‥でも、‥‥‥‥
祐希さんが近づいた時‥‥‥‥祐希さんとは違う匂いがした‥‥‥‥‥‥‥。
この香水‥‥‥‥‥‥珍しい匂いの香水‥‥‥‥‥レモンティーのようなほのかに焼酎の匂いもする香水‥‥‥‥‥。
今朝嗅いだモデルのエリカと同じ香水の匂い‥‥。
珍しい香水なんだと彼女も話していたのに‥何故、祐希さんの服から同じ香水の匂いがしたのか‥‥。
打ち合わせって何だったんだろう‥。
そればかりが頭の中をグルグルと駆け巡っていた‥‥‥。
「藍、夕食サンキュー。どれも美味しいよ」
「それなら良かった、温め直さなくてほんとによかった?」
全然大丈夫、そう言い美味しそうに全部完食してくれた。
その後、祐希さんはシャワー室へ。俺は後片付けを‥。
だが、片付けながらもさっきの香水がどうしても気になっていた‥。普通に接しただけではあんなに匂いが移るって事はないよな‥いかん、考え出すと余計なことばかり思い浮かべてしまう。
片づけも終わり、ボーっとTVを眺めていたら、いつの間にかシャワーを終えた祐希さんに後ろからゆっくりと抱きしめられる。
「藍‥‥」
呼ばれたので振り向くと、キスをされる。唇と唇が触れるだけのキスから、舌を差し入れられ、深いキスに変わる。
シャワーを浴びたせいで、あの香水の匂いはしない‥‥‥それなのに、俺の頭の中にはまだあの香水がずっと付きまとっているようだった。
「んっ、祐希さん‥今日の打ち合わせって何だったん?」
キスの途中‥つい聞いてしまった‥
「えっ?」
突然話しかけられた祐希さんは驚いた表情をしていたが‥
「今日は、バレー用具のサンプルが出来たからって撮影前に見せてもらったけど‥ 」
「‥‥他には?」
「他?‥‥いや、その打ち合わせが終わった後は何もないけど?」
「‥‥‥‥」
急に黙ってしまった俺に戸惑いながらも、ゆっくりとソファーに押し倒し、またキスを送る‥。
キスをしながら、Tシャツを捲られ、祐希さんの手が優しく俺の腹部をなぞり、胸の辺りにきた時‥刺激でビクッとなった俺は、ずっと思っていた事を思わず口にしてしまう‥。
「‥‥‥祐希さん、ほんまに今日仕事だけやったん?」
「えっ?なんで?」
俺の言葉に顔を上げる‥。
「俺が藍に嘘つくわけないでしょ?」
「‥‥‥言わなかったら分からへんやん、世界の祐希やから、いろんな人おるだろうし‥」
「藍?どうしたの?」
‥‥わかっている、そんな事を言ったって‥困らせるだけだと‥俺だって子供ではない‥祐希さんの事情もわかる‥なのに‥‥
何故か、抑えきれなかった‥‥‥。
あんなに堂々と好きだと言える彼女を見てから‥ずっと不安で胸が潰れそうだった‥
俺は‥‥言えない‥言えるわけもないし‥言っていいはすがない‥‥。
「どうしたの?って祐希さんが嘘ついてるからやん!」
「はっ?嘘なんてついてないし‥」
「‥‥匂い」
「えっ、何?」
「CMで一緒におった子、エリカさん!今日会ったんちゃうん?」
「エリカ‥?あっ、あぁ、それは‥‥」
「ほら、会ってたやん!仕事でもないんやろ?」
「いやっ、会ったっていうか‥」
何か言おうと祐希さんが話そうとするが、聞きたくない俺は話を遮ってしまう‥
「良かったやん、あんな可愛い子に惚れられて。祐希さんの事好きやって言ってたし‥」
「藍?話聞いて‥」
「聞きたくない!祐希さんもこんな可愛くない男と一緒じゃなく、あんな風に可愛い子とおればえやん‥まぁ、祐希さんならそんな子いくらでもおるかもしれんけど‥」
「藍!ちゃんと話を聞いて」
横を向いていた俺の顔を半ば強制的に向かせられ、祐希さんの瞳と視線がぶつかる。
「どうしたの?藍?俺は藍だから一緒に居たいんだよ‥俺の言葉が信じられない?」
「どうかな?でも、仕事だけって言って、女物の香水匂わせて帰ってくるような人やから、信じられなくても仕方ないやろ?」
「香水?なんの話?」
「もうええよ!祐希さんみたいに嘘つく人には、話はしない!抱きたかったら抱けばええやん!目的はそれやろ?」
‥‥そんな事言うつもりはなかった‥。大好きな祐希さんを傷つけたいわけじゃなかった‥。思ってもない言葉だったのに、後から後から溢れてきて、まるで本心を悟られないように隠すようにするのが、精一杯で‥祐希さんを傷つける言葉ばかりが出てしまう‥。
「‥藍?そんな風に思ってたの?」
‥‥押し殺したような低い声にハッとする。俺に覆いかぶさっていた祐希さんが、冷たい視線で俺を見つめていた‥。
「だって、そうや‥‥‥ん!?」
話しだした俺の口を突然、激しいキスで塞いでくる。逃げようとする俺の顎を掴み、さらに深くなり、激しさもあってお互いの歯がガチガチ当たり、息苦しさもあって、涙が滲む。
やっと離れてくれた時にはハァハァと息が上がる。
「藍がそう言うなら遠慮しないから‥」
言い終わらないうちに、俺の両足から下着まで全部脱がすと、これでもかというぐらいに全開に開かされる。
リビングの明るいライトのせいもあり、恥ずかしさから足を閉じようとするが、祐希さんがそれを力尽くで止める。そして、足の間に入り込むと、いつの間に持っていたのか、ローションを手に取り、俺の秘部に指を挿入する。
「ひゃっ!」
冷たさもあり、声が漏れる‥そして、一気に3本指を挿入され、激しく掻き回され上下に動かされる。
普段と違う荒々しい行為に、頭を振って痛みに耐えようと横を向く。
が、その顔を祐希さんに掴まれ、強制的に上を向かされる。逃げることが出来ず、また激しいキスをされる時には、指が俺の弱い部分を見つけ、強い動作でその部分を擦られる。
「はっ、やっ、」
強い快感に、絶えず喘ぎ声が出てしまい‥腰が自然と浮いてしまう。
「あっ、まっ、まって!」
そう伝えるが、祐希さんの動きは止まらない。さらに激しくなる行為に、
「んっ、やっ‥あっ、」
身体がビクンと痙攣する。挿入された指の感触だけがリアルで、身体の震えが止まらない‥
「‥初めてドライでイッたね‥」
「気持ちいいでしょ?」
‥‥そう呟く祐希さんの声は無機質で‥行為をしている途中とは思えないぐらい冷たさを含んだものだった‥‥‥
コメント
2件
祐藍尊いですよね♡わたしも大好きです! ストーリーはまだまだ下手なんですが、そう言って頂けると嬉しいです!ありがとうございます♡
祐藍尊いです🥰❤️ 続きが楽しみになるお話作れるの凄すぎます❤️