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BioTOPE ~超能力たちの日常観察記録~

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BioTOPE ~超能力たちの日常観察記録~

85 - 日常に潜む怪談《めると。》⑦

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2025年01月31日

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【能力者名】 妖怪沢どろり

【能力名】  メルト

《タイプ:擬態型》

【能力】手の平で触れた人間をどろどろに溶かして消す能力。


【以下、細菌達の記録】


《放課後、米津町のカラオケボックスにて》


どろり、表裏一体こいん、心蔵の三人はカラオケボックスに来ていた。


「《深海シティーアンダーグラウンド》。」


海街心蔵は目を閉じ能力で異空間に

《ボランティア部》の 三人を引きずりこんだ。


【おしゃれなカラオケボックスのような空間】


「ってかさー☆なんでシビュラちゃんから

100万円貰わなかったわけー?どろりって

もしかしてアホなの?」


カラオケのドリンクバーにあったカルピスソーダを飲みながら表裏一体は言った。


「全くだ。俺だったら100万を受け取って

もう一回デスゲームに参加させてもらえるように土下座する。」


カラオケバーにあったアイスコーヒーを紙の味のするストローで飲みながら心蔵は言った。


「知らない人から100万を貰うのはマジでよくない。…….おそろしいことだ。」


カラオケバーにあった飲み物を全部混ぜた

ドブみたいな色のドリンクを飲みながら冷静にどろりは言った。


「ってかどろりまたそのドリンクじゃん。

どうなってんのどろりの味覚はさぁ……。」


表裏一体はガチでドン引きしていた。


「そうか?慣れると結構うまいぞ?」


平気そうな顔でどろりはドリンクバー全部混ぜドリンクをぐびぐび飲んだ。


(そんなわけないだろ。)


と心蔵は心の中で思ったがめんどくさいので

言わなかった。


「ってか珍しいよねー☆心蔵がボク達をカラオケに誘うなんてー。何々ー?ボク達に心開いちゃった感じー?」


煽るようににやーっと笑いながら表裏一体は言った。


「それはない。」


と海街はきっぱりと言った。


海街がこのクソ五月蝿い二人をカラオケに誘ったのには訳がある。


海街は元カノの愛脳乱舞のストーカー行為に

悩まされていた。


そこでどろりと表裏一体を番犬がわりにすることで愛脳に付きまとわれないようにしようと考えていたのだった。


クソやかましいチワワのような二人でも

激重地雷強制射精女よりは多少はマシだ。


人の心のない海街はそう考えたのだった。


「ってかさー、心蔵最近転々達と内緒でなんかやってるみたいじゃん☆何やってるのか

教えてよ。」


唇に手を当てながら表裏一体は言った。


能力者である表裏一体に取って唇に手を当てる行為は銃を構えるのとほぼ同義であった。


海街心蔵は目を閉じたまま言った。


「俺は奴らに金で雇われただけだ。あいつらはなんかずっとアルアルアルアルじゃんねじゃんねじゃんねじゃんね言ってたぞ。」


そう言いながら海街はめんどくさそうに溜め息を吐いた。


「暗号かぁ ……多分転々の知恵だろうな。」


どろりはドブ色のドリンクを飲みながら言った。


「なんか今年の体育祭ロカ先生チーム対おねぇちゃんチームで戦うらしいよ。しかも最後の種目が悪鬼退治ロカ•バッティング

じゃんねと転々も参加するっておねえちゃん達から聞いたよ。どう思う、どろり?」


表裏一体はどろりに向かって言った。


「……多分、転々達の仕業だろうな。」


どろりがそう推理したのには訳がある。


SNSで《クローバー同盟》というアカウントが体育祭の日に悪鬼退治ロカ•バッティングをする能力者、及び無能力者を 毎日のように募集していたことからだ。


そこにはちょくちょく転々と黒尾場じゃんね

の写真や動画がアップされていた。


当然どろりのアカウントにも勧誘のダイレクトメールが来たが警戒心の強いどろりはこれを断った。


「もし体育祭で悪事を働こうとしているなら

最悪僕の《メルト》で消さなくてはならない。」


どろりはそう言って自らの手を見た。


「でも大丈夫じゃないかなー☆おねえちゃんとロカ先生も許可を出したってことは何か危険なことをやろうとしてる訳じゃないって

ことじゃない?」


「確かに姉ヶ崎先輩は賄賂や脅し屈するような 人じゃない。それにロカ先生は疑わしいものは徹底的に叩き潰す主義だ。そしたら

今回の体育祭に僕らの出番はないか。」


そう言ってどろりは伸びをした。


「そうそう、とりあえず今回は静観でいいんじゃない☆そんなことより歌おーー!!せっかくカラオケ来たんだしさー!!」


そう言って表裏一体は海街のほっぺを指でめちゃくちゃしつこくつんつんした。


海街は舌打ちをした後


「《深海シティーアンダーグラウンド》、

解除。」


と言った。


そんなこんなで《ボランティア部》によるカラオケが始まった。


まずマイクを握ったのは表裏一体だ。


彼女は最近Tiktok で流行ってる曲を躍りながら歌った。


振り付けは完璧だった。歌声は最悪だった。


(なんだこの歌声は…!?めちゃくちゃ精神を削られるッ…!!???こいつ!!??こんな能力も持っていたのか…..!!???)


どろりがそんな風に思うほど表裏一体は歌が下手だった。


それは表裏一体が基本両親にどれだけ自由に歌を歌ってもベタ褒めされたことによる弊害であった。


そして表裏一体はひとしきり歌って踊りきった後、


「たのしー☆次はどろりね!!」


と言ってどろりにマイクを渡した。


どろりが海街の方を向くと海街はトイレに行っていた。


(ずるいぞ海街…..!!!あいつ逃げやがった…..!!!)


ちょうど海街が帰ってきた。


海街は表裏一体が歌っている間は歌と踊りに集中して全く周りを見ていない習性をうまく利用してしっかりとトイレに避難していた。


ドリンクバーも注ぎにいけて一石二鳥である。


どろりは歌った。


二年前くらいに流行ったアニメのOPを歌った。


「……..なんか、フツーだねー。」


「あぁ、可もなく不可もないメロディーだ。」


(だから嫌なんだよぉ人前で歌うのッ!!!)


どろりは顔を真っ赤にしながら最後まで歌い切った。


およそ50人の能力犯罪者達を能力《メルト》で殺したことに目をつぶれば、妖怪沢どろりはびっくりするほど普通の感性を持った普通の人間だった。


彼は自分の普通の歌声が普通にコンプレックスだった。


「そんなに言うなら海街ィ!!!歌ってみろ!!!」


顔を真っ赤にしながらどろりは海街にマイクを渡した。


海街はドマイナーなジャンルの曲を歌った。


彼の辞書に空気を読むという言葉は多分ない。


ただ、それを差し引いても彼の歌声は素晴らしかった。


(え……なにこれー☆心が浄化されていく

…….。)


(こいつ……実はこっそり歌い手とかやってる奴なのか……?)


表裏一体とどろりは涙を流しながら海街の歌声を聴いていた。


海街はなんかグズグス泣いてる二人を鬱陶しく思いながら表裏一体にマイクを渡した。


こうして《ボランティア部》の三人は時間ギリギリまでカラオケを楽しんだ。


(最後まで読んでくださりありがとうございます。)








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