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10 - 第8話「コザクラの誓い」

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2025年07月11日

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第8話「コザクラの誓い」
風間琴葉の部屋に、新しく置かれた観葉植物。

その鉢の影に、小さな気配がひとつあった。


「……あの、それ、ぼくの場所にしていい?」


声をかけてきたのは、背の低い少年だった。

桃色の髪に、グリーンのインナーカラー。ふわりと丸みのある髪型が、羽根のように軽く揺れている。

ベージュのパーカーに、袖口だけ少し擦れているシャツ。全体的に“居心地”を選んだような、柔らかくて慎重な装い。


琴葉はすぐにわかった。


「……コザクラインコ?」


少年はこくんとうなずいた。


「うん。ペアだった子がね、いなくなっちゃったから。次の場所、探してた」


その言葉に、琴葉の胸がわずかに痛む。

彼女自身も、最近ようやく、終わった恋に整理をつけたばかりだった。


「わたしも、ちょっと前に一人になったの」


「だから来たんだと思う。ぼくたち、ペアを組む習性あるから。たまたま、じゃない」


コザクラインコの少年は、羽織っていたシャツの背中に小さな“裂け目”があるのを見せた。

羽根をしまうための場所だという。


「今は、羽ばたく気分じゃないから、ここで少し……寄り添ってもいい?」


琴葉はそっと、あたたかいお茶を差し出す。


「どうぞ、あなたの居場所に」


少年はそのマグカップに両手を添え、目を細めた。


「一度だけでいいって思ってたんだ。ペアは。でも……もう一度、選んでみようかなって思ったの、今日が初めて」


琴葉の隣で、彼の羽根が小さく膨らむ。


それはまだ、恋の形ではなかった。けれど、恋に至るための**前段階としての“誓い”**は、静かに生まれ始めていた。

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