テラーノベル
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「・・・・・・あのー・・・、目黒さん・・・」
『なに?』
「いや、・・・えっと・・・」
『やっぱり、日本っていいね』
「・・・そりゃ、良かったな」
今、オレは蓮の膝の上に座っている
いや、正確には座らされている
腰に手を回されて、がっちりホールドされているから立ち上がることもできない
は、恥ずい・・・
主演映画公開のために一時帰国して、怒涛のスケジュールの合間にすることが、これか?
家なら、全然いいんだけど
ここ、TV局の楽屋なんだよな・・・
「も、もういいだろ・・・?」
『まだ3分も経ってないよ』
「あのさ・・・、一応・・・オレたち以外もいるんだからさ・・・」
そう、二人っきりなら、全然許す
今日、生放送で歌うんだよ
久しぶりに9人で
だから・・・
いるんだよ・・・
みんなが・・・・・・
『一応、岩本くんの許可は取ったよ』
「いや、そういう問題じゃないと思う・・・、ってか、照!! なんで許可するの!?」
離れた所で、着替えている照に向かって叫んだ
「うるせー佐久間がちょっとでも静かになるんだったら、喜んで許可出してやるよ」
「おい!!!!」
『ありがとう、岩本くん』
「おぉい!! 勝手に決めんな!!」
一番権力?がある人間が取り込まれてるから、逃げ場がない
どーしたらいいんだよ、これ・・・
「いつもは自分からベタベタしに行くのに、逆はダメなのかよ?」
ニヤニヤしながら翔太が近づいてくる
明らかに面白がっている
「いや〜、微笑ましいねぇ、初々しくて」
「おまえ・・・っ!!??」
思わず立ちあがろうとしたら、腰に回っている蓮の腕が引き戻す
「ちょ・・・っ、蓮!?」
『危ないよ、佐久間くん』
「・・・・・・っ、もう、離して〜・・・」
熱くなっている顔を両手で隠して、訴えた
笑っていた翔太も、「アホじゃねぇか、こいつらは・・・」と言いたげなため息をついて離れていく
蓮って・・・
こんな奴だったの・・・??
人前でこんなイチャつくようなことをするタイプじゃないだろ、見た目からして
ってか、なんで、みんなスルーしてんだよ・・・
「あべちゃぁぁん・・・」
近くで本を読んでいるあべちゃんに助けを求めてみた
「3ヶ月ぶりでしょ、少しはめめの我儘聞いてあげなよ」
「うっ・・・」
『あべちゃん、ありがとう。邪魔してごめんね』
にっこり笑って、あべちゃんの目線は本に戻っていった
オレのシンメが・・・
頼みの綱が・・・
「ふ、ふっかぁ・・・」
「佐久間、あんまり叫ぶと歌えなくなるぞ」
「お前もかよ・・・」
オレを助けてくれる奴は、いないのか・・・?
なんて思いながらキョロキョロしてると、ドアが開いた
「おはよーさーん」
「おっはよーございまーす」
康二とラウールだ!
ラジオの収録終わりだったかな?
いや、それどうでもいい
なんとかコレを・・・
「こ、康二〜〜〜・・・、ラウ〜〜〜〜・・・」
「うわ、めめ帰国早々、これかいな」
「やだ〜、なんかヤラシイ」
口に手を添えながら、「まぁ」っていう顔でラウールが言う
「佐久間くん、大変だね。重ーーーーい彼氏が帰ってきちゃって」
「らう〜〜〜〜、なんとかしてぇ・・・」
『ラウ、近づいたらしばく』
「あはは、こわーい」
蓮に脅迫される理由は、ばっちし思い当たるようで
笑いながら「メイク行ってくる〜」と言って、康二と別室に行ってしまった
『もう諦めなよ、佐久間くん』
「・・・だってさぁ」
『俺の都合で時間がないのは申し訳ないけど、今しか顔を合わせれないんだから』
「ううぅぅぅ・・・」
『佐久間くんは嬉しくないの?』
そりゃさ、あわよくば1日、せめて半日くらい一緒に過ごしたいのはオレもなんだけど
今こうしてるだけでも十分っちゃ、十分なんだけど・・・
『・・・あ、もしかして、やらしいことしたかった?』
「おい!!!!!!」
『ごめんね、今回は時間なさすぎて』
「ちょ・・・っ、と、もう・・・・・・」
なんで、こういうのをサラリと言うんだよ、お前・・・
オレはもうこの先が怖い
楽屋にいるメンバーは、もう気にもしてくれなくなった(というよりも、見ないフリ)
『だから、もうちょっとだけ、このままでいて欲しいな』
「・・・もう、好きにしてくれ」
『ありがとう、佐久間』
「オレ!!先輩!!!!」
お決まりのツッコミが自然に出てきて、思わず笑ってしまった
蓮も笑ってくれる
たった3ヶ月で、蓮は一見すると痩せたようにも見えたんだけど
髪も伸びて、顔つきも、身体も、なんかちょっとワイルドな感じになってて
至近距離で顔を見ると、うっかり見惚れてしまって目を逸らす
・・・やらしいことをしたかった、っていうのは、嘘ではないかも
本帰国したら、どんな姿になってるんだろう・・・
蓮はヘアメイク待ちだから、髪は下ろした状態
長くなった髪に、そっと手を添えてみた
3ヶ月で、ここまで伸びるもんなんだなぁ・・・
感心してると、ちょっと思いついた
指でその髪を少し掬い上げて
蓮の横顔を少し隠すことができた瞬間
素早くキスしてやった
唇がちょっと触れたくらいだけど
蓮の目が見開いて、フリーズしてる
これまでオレから仕掛けることなんてなかったから、不意打ちに思考が追いついてないんだろうな
一応、先輩なんだから、お前のことわかってんだよ
あれくらいの髪じゃ、完全に隠れてないと思うけど、みんなスルーしてるならいっか
ホールドしてた手も緩んで、ようやくオレは立ち上がれた
「・・・さーて、準備しよっ」
蓮に勝てた!という満足感もあって、ちょっと顔がニヤける
必要品だけ持って、ヘアメイクの部屋に向かった
今回、今日しか会わないから、すぐに反撃が来ることは・・・ないかな
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2時間後、
生放送の歌唱中、
まさかトレンド入りしてしまう事態が起こるとは、
全く、思ってなかった
やっぱオレ、蓮に勝てないかも
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『・・・一時帰国、頑張って増やそうかな』
放送終了後、楽屋に戻る途中の廊下で、ぼそっと何か聞こえた気がする
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