コメント
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うん、本当....💦女子って徒党を組んで 気に入らない子を陥れたり吊し上げたり😨 やっかみで苛めたり.... 意地の悪い子もいて、ホントウンザリする😱
うぜーな。(笑) 中高連むのが嫌だったから良くわかります。(笑)ꉂ🤣𐤔
女子ってほんとめんどくさい。つるまないと、勝手な事でっちあげて言いふらして😤アカリンよく耐えてたね🥺
『……じゃあ、理由はお父さんの事だろうな……。年末年始、俺は名古屋近くの旅館に泊まっていたんだけど、夜に外を見ていたら、彼女が一人で歩いているのが見えた。時間的に子供が一人でうろつく姿に違和感があって、ついあとをつけた。……そしたら……』
あの時のギクッとした感覚を思いだし、俺は溜め息をつく。
『泣いてましたか?』
『ああ。……でも、当分は大丈夫なんじゃないかな、と思いたい』
言ったあと、俺は朱里との会話の大まかな内容を教える。
話している間にケーキや飲み物が運ばれ、あまり美味しくなさそうに食べている中村さんを見て、少しだけ『悪いな』と思った。
『……朱里を助けてくれて、ありがとうございます』
中村さんはポツッと言ったあと、涙を拭った。
『朱里さんとは親友?』
尋ねると、彼女はしばし考えるように沈黙し、ケーキを一口食べる。
やがて、微妙な笑みを浮かべて言った。
『…………恩人だと思っています。あと、私の好きな人です』
俺は軽く瞠目したが、大げさには驚かなかった。
今の時代、同性が好きと言われても、おかしくない。
『今まで誰にも言えなかったから、ちょっとスッキリしちゃった』
中村さんは苦笑いし、先ほどより明るい表情でもう一口ケーキを食べる。
『シフォンケーキも頼んでいいですか?』
『どうぞ』
吹っ切れたのか、彼女はパクパクとケーキの残りを平らげていく。
その様子を見ながら、俺は悪巧みをしていく。
中村さんと朱里が親友なら、うまい事彼女の話を聞けるかもしれない。そのためには警戒心を解かせ、信頼させる必要がある。
なら、少し自分の話をして、同情を買ったほうがいいかもしれない。
『朱里さんの事も聞きたいし、良かったら中村さんの話も聞かせてくれないか? 俺も母親を亡くしていて〝訳あり〟には理解があるつもりだ。それに、今まで誰にも言えなかったなら、関係ない第三者に話してスッキリするっていうのもアリだと思う』
いつまでも朱里に関わるつもりはない。
あの現場にいた者として、ある程度の事情を把握しておきたいだけだ。
朱里が普通の女子中学生として、光の当たる場所を生きていけるまで――。
自分に言い聞かせる俺を見て、心の底にいるもう一人の自分が『あーあ、ズブズブの関係になるぞ』と皮肉げな笑いを浮かべていた。
そんな俺の心境を知らず、中村さんは物憂げな表情で語り始めた。
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私、中村恵は、今まで〝皆の人気者〟として生きてきた。
父も母もアウトドアを好み、言いたい事をハッキリ言う性格をしている。
歯に衣着せない言い方をするが、サッパリした関係だからか、家庭内が嫌な雰囲気になった事はなかった。
兄弟は兄が二人で、優しい姉か可愛い妹が欲しかったと思いつつも、私は女の子らしい遊びに興味を持たず、兄とバスケットボールを追いかけて育ってきた。
幼稚園では周りの子たちから男の子みたいな扱いをされ、小学生になっても男子に女子として認識されなかった。
高学年になって男子に告白された事はあったけど、恋愛にはまったく興味がなかった。
男の子の事を考えるより、スポーツをしているほうが楽しかったからだ。
芸能人やファッションの話にはあまり興味を持てなかったけれど、話を合わせないとハブられるかも……と不安になり、つまらないながらも一緒にいた。
そして小学校卒業後、中高一貫校に入学して、運命の出会いを果たしたのが朱里だった。
朱里は人目を引く容姿をしていて、皆が彼女を気にしていた。
長くて綺麗な髪はつい目を引くし、キリッとした顔立ちの美人だ。
目は大きくて睫毛が長い。鼻はツンと小作りながら高く、唇も形が良く血色がいい。
吸い込まれるような……という言葉が似合う目力があり、見つめられると少しドキッとしてしまう。
おまけに発育も良くて、女子はほぼ平らな胸をしている中、朱里の胸元はふっくらしている。
そのうえ成績も良く、先生たちからも信頼されていた。
〝委員長〟タイプではないけれど、『頭がいいし、放っておいても変な事はしないだろう』と見られていたと思う。
非の打ち所がない才媛……と思ったけれど、彼女には人付き合いが壊滅的に悪いという、大きな欠点があった。
それに表情を崩して笑う姿を見た事がなく、いつも何かに悩んでいるような雰囲気がある。
同じクラスの女子に遊びに誘われても、いつも『ごめん、無理』と断っていて、皆はつまらなく思ったみたいだった。
そのうちクラスの女子たちは『今野さんには年上の彼氏がいる』『夜に繁華街で歩いているのを見た』『お酒を飲んで煙草も吸ってるって』『もう初体験済ませたみたいだよ』……など、好き勝手な噂を流し始め、何一つ事実ではないのに、誰かの想像に尾ひれ背びれがどんどんついていった。