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ぱられる

2 - 中華街にて

♥

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2024年12月27日

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※マフィア(極道?)パロ

(前ジャンルのセルフリメイク)


!好き勝手な謎設定(中華街マフィア妄想)

!5人とも同じ組(組織)

!赤さん男女構わずたらしクズ気味注意















繁華街から少し外れた路地裏へ、男2人が連れ立って入っていく。


片方はアンニュイな雰囲気を持つ中性的な男。もう片方は、終始にこにこと笑顔を浮かべた優男。


どちらも色男ではあるが、堅気ではない、どこか危なげな雰囲気を纏わせている。


それに目敏く気づいて、大通りを歩いていたひとりの女が優男の元へ駆け寄った。


ベタベタと腕を絡ませる女をやんわりと押し返しながら、曽野は人好きのする笑顔を浮かべ、ゆるゆると首を振る。


「ごめんなぁ。今夜はこちらのべっぴんさんと予定入ってんのさ。また今度あそんでなぁ」


それから二言三言言葉を交わし、名残惜しそうに立ち去る女の後ろ姿を無感情に一瞥して、山中は心底どうでも良さそうに曽野へ尋ねた。


「舜太の新しいイロ?」


改めてふたりして路地裏に歩を進めながら、山中の言葉に曽野は首を振る。


「いんやぁ〜、最近仲よおしてくれるコ。ボク、特定のコは作らんようにしてんねん。言うたらボクを好きって言ってくれるコ、みーんながヨメかなぁ♪」


そうのたまった曽野に向かって、山中は嫌そうに顔を歪める。


「…舜太さぁ、いつか後ろから刺されんじゃね」

「わぁそれええねぇ!愛されてるってカンジ♡」

「頭沸いてんの?」

「あははっ、柔ちゃんこわぁ〜い」


けらけら笑った後、曽野は何かに思い当たったようにはたと考え込む。


「でもまぁ、正直いたいのは嫌やけどぉ〜…柔になら、喜んで刺されたるけどなぁ」


曽野は細い指を伸ばして、さらりと、山中の髪をひとすくい指に絡め、くるりと回す。


「キッショ。」


その手を払い退けて、山中は目的地である事務所の扉を乱暴に押し開いた。


「もぉ〜、相変わらずツレへんなぁ」


へらへらと笑ってから、曽野も山中に続き事務所の中へ足を踏み入れる。


いつもの室内、いつものメンツ。


そして、どうやらいつもとは違う雰囲気に、曽野は首を傾げる。

無音なのにどこかピリついた空気。その空気の発信源はすぐに分かって。


そちらに視線を投げながら、曽野は事務所中央の応接用ソファでノート型パソコンをいじっている塩﨑に呼びかけた。


「だいちゃん、アレってなにしてんの??」

「えぇ〜?佐野さんと吉田さんがケンカ中〜」

「いや、そりゃあ見れば分かるけどさぁ」


事務所の奥の、ちょうど組長のデスク前。

そこでは、我が組一二を争う実力派2人が、ただならぬ雰囲気で睨み合っている。


「よぉ分かれへんけどさぁ、なんか吉田さんのツレ?に佐野さんが手ェだしたんやって」


一触即発の空気もなんのその、全く動じることもなく、塩﨑はパソコンをいじり続けながら呑気に曽野へ答える。それを聞いて、曽野は目を輝かせた。


「あららっ、それって女子ぃ?!ふたりに取り合われるなんて幸せ者やなぁ。そないべっぴんさんなんやったらボクも混ぜてほしいわぁ♡」

「ちがうわお前は黙ってろカス!!」


曽野の巫山戯た言葉がしゃくに触ったのか、吉田は、佐野から視線を外さないまま怒鳴りつける。


「わはー、カスっていわれたぁ!」


こわぁ〜いだいちゃん助けて〜と、これまた巫山戯た声を上げ、曽野は塩﨑の座る応接用のソファへしなだれ落ちた。


「なんかガチで揉めてるっぽいからちょお黙っとこうな〜しゅんちゃん?」


依然としてパソコンから視線を外さないまま、塩﨑は適当に曽野をいなす。


そうこうしているうちに、いい加減睨み合いに飽きたのか、吉田は舌打ちをして佐野に喰ってかかった。


「だからさぁ、どういう事か説明しろって言ってんだよ」


ぎりぎりのところで怒鳴りはしないものの、明らかに怒りを露わにする吉田とは対照的に、佐野はどこか冷めた態度で軽く首を振るだけ。


「仁人には関係ない。」

「関係大アリだろ!何の断りも無しにヒトのツレに手ェだすなんて最低だぞ」

「…うるせぇな、関係ないっつってんだろ。全部こっちの話だから」

「こっちの話ってお前…!」

「もうお前はアイツと関わんなって話してるだけじゃん。なんでそれが分かんねぇの」

「だからその理由を言えっつってんだよ!」

「お前に言うつもりはねぇ。」

「っだー!!腹立つ!!」


打てど全く響かない佐野に痺れを切らし、吉田は扉の前に立ったままだった山中を押し除けて、事務所から飛び出して行った。


「あらら、行ってもぉた」


ソファから身を乗り出して、その背中を見送りながら曽野が呟く。

押し除けられた山中は、ひとつ溜息を吐くと、塩﨑と曽野の座っている向かい側のソファーに腰掛けながら、静かに佐野へと訊ねる。


「いいの勇ちゃん?仁ちゃん行かせちゃって」

「いいも何もねぇよ。勝手にさせとけ。」


山中に答えながら、佐野もまた軽く溜息を吐き、肩を竦める。


「でもでも、珍しいこともあるもんやなぁ。勇ちゃんと仁ちゃんが揉めるなんてさぁ」


曽野がそう言うと、塩﨑はやっとパソコンから顔を上げて首を傾げた。


「…そお?結構もめてるくない?」

「まぁ、うーん…そう言われればそうやけど。でも、あんなガチではそうそうないやんなぁ」

「あー?たしかにぃ?」


2人して顔を見合わせた後、なにか閃いたように嬉々として曽野は佐野に呼び掛ける。


「あ!なぁなぁ勇ちゃ〜ん」

「ん」

「もしほんまにさのじんコンビ解消するならさぁ、ボクが仁ちゃんのこともらったってもええねんけどぉ」

「……あ?」


先程までとは違う、殺気の篭った視線を向けてきた佐野に、曽野は両手を上げた降参ポーズでへらへらと笑う。


「こわぁ〜い!冗談やんか、じょーだんっ!ほんっま勇ちゃんって、仁ちゃんのことになると見境なくなるわぁ」

「…本当、舜太お前一回黙れ。」

「きゃー!勇ちゃんから襲われるぅ〜!」


今度は佐野対曽野の小競り合いが勃発しそうになった頃。


「はやとさぁ、」


先ほどまで、パソコンをいじり続けていた塩﨑が、唐突に佐野へと呼び掛けた。


「ちょっと顔みたけどさぁ。その仁人のツレって、あれモグラやんなぁ?」

「……へ!?そうなん?」


すっとんきょうな声を上げて、曽野は隣の塩﨑のパソコンを覗き込む。

そんな曽野へ向かって頷きながら、塩﨑はパソコン画面をみんなへ見えるようくるりと反転した。


「ここ最近、いろんなとこチョロチョロしてたから気になっててん。そんで調べさしたら、所轄署に出入りしてた」


その液晶画面には、ヒョウ柄シャツにスーツ姿の、いかにも「こっち側」な格好をした金髪男の身辺調査結果が表示されていた。ここら界隈では名の知れた売人との写真や吉田とのツーショット、さらには制服姿の女警官や、スーツの胸に赤いピンを刺したおそらく捜査一課らしき人物と親しげに会話している写真もある。


「うっわぁ、何これぇ!完全にスパイやん…てゆうか、めちゃめちゃイケメンじゃん?!」

「しゅんちゃんの感想は聞いてへんって。でも、これってけっこーヤバいやんなぁ?」


途端に色めき出した曽野と塩﨑だったが、揉めていた張本人の佐野は微動だにしない。


「はやとも気付いてたんやろ?やからヤキ入れたんとちゃうん」

「…………」

「なんだよ、そういう事?」


山中は佐野と液晶画面とを交互に見ながら、納得したように頷く。


「そいつ経由で情報が漏れてようもんなら、うちの組えらいことになるもんね。仁ちゃんココいれなくなっちゃうじゃん」


山中の言葉に、塩﨑が同意する。


「おん。それ以前にさぁ、組長が許しても吉田さん自身が責任感じてどっかトぶ思うわ」

「でもでも、今回は未然に防げたってことやんな?」

「て、ことじゃない?佐野さんが手ぇ回してくれたお陰で、コイツもうここいらにはいいひんみたいやし」

「あのさぁ…仁ちゃんが心配なんだったらそう言えばいいじゃん。ほんっと素直じゃないんだから」


呆れたように言う山中に、佐野は少しだけバツが悪そうに表情を崩す。


「…別に、そんなんじゃねぇし」

「あまあまやなぁ〜、甘すぎて溶けちゃう♡」


両手を胸の前で組み、甘えた声で茶化す曽野に、佐野はすかさず鋭い睨みを利かせた。


「…お前、そろそろいい加減にしろよマジで。」

「きゃ〜!今度こそ襲われるぅ〜!!」


もはや悪ノリに拍車がかかってきた曽野の肩を強めに殴りつけ、それから逃げるように、佐野は事務所の扉を開き外へ出る。


扉を締め、歩き出そうとしたその先。

そこには、飛び出して行ったはずの吉田が、憮然とした表情をして路地裏の壁にもたれかかっていた。


吉田の姿を捉え目を見開いた後、佐野は気まずそうに頭を掻きながら、ぼそりと訊ねる。


「…聴いてた?」

「聴いてた。」

「……………まぁ、あんま気にすんな。」


どう言ったものか考えあぐねた末の佐野の気遣うような言葉に、吉田は押し黙った。

そして、暫くの沈黙が続いた後、吉田は佐野へと呼びかける。


「…勇斗、」

「ん?」


「ごめん!!」


「…っふ、ははははッ!」


潔く頭を下げて謝る吉田の後頭部を見て、佐野は思わず吹き出す。


「なんだよ人が謝ってんのにさぁ!」

「いやぁ、えらい素直やなぁ思ってさぁ。いつ振り?お前がこんな風に謝んのって」

「やかましわ!」


なんなん人が素直に謝ってんのに、とぶつくさ言う吉田へ、佐野は笑ったせいで滲んだ涙を拭いながら、路地裏の先を指差す。


「メシでも食うか」

「……………食う」

「仁人の奢りな?」

「なんでだよ。勇斗奢ってよ」

「それこそなんでだよ、お前の奢りに決まってんだろ。モグラなんかに引っかかりやがって。脇が甘いっちゅーねん」

「おま…さっきあんま気にすんなって言ってくれたじゃん!めっちゃショックだったんだからちょっとくらい慰めてくれてもいいだろ!」



いつも通り。


またやんやと言い合いながら、佐野と吉田は事務所のある路地裏から抜けて、繁華街に向かって歩き出した。








end.










桃さん装飾品某画像(色付き眼鏡)と黄さん生誕画像(中華街)が好きすぎて好きすぎて中華街に並んで立って欲しくてその想いだけで過去のモノを引っ張り出してきました。



本当にすみませんでした。

何かあればすぐ下げます。

…そして赤さんサイコパスクズに夢見てます…

この作品はいかがでしたか?

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