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教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第88話 - 第88話 【勝率5割未満】チート込みでも敵わない怪物!延長戦まで生き残り俺のLINEを待て
23
1,823文字
2026年06月08日
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#主人公最強
ウサギ様
431
麗太
513
5,470
15分休憩が終わるアナウンスが流れる。
一回戦の第七試合が、ちょうど始まろうとしている。
俺は観客席には戻らず、壁に寄りかかり、スマホを取り出した。
そして、たった一言だけ、メッセージを送る。相手は、久条亜里沙。
『岡崎公園、東側のベンチで待つ』
数分後。彼女は、一人で現れた。
その完璧な笑顔の裏に、隠しきれない焦りの色を浮かべて。
ミラー:「さて、奏。ゲームマスターから情報を盗めたが、本当に彼女を勝たせるつもりか?」
奏:「ああ。勝たせるさ。勝たせておいて恩を売る。そして学園のヒエラルキーをぶっ壊すんだ」
久条は、俺の隣に腰を下ろすと、単刀直入に切り出した。
「明日のディベートテーマについてよね?話を聞かせてもらうわ」
その声には、命令とも、懇願ともつかない、奇妙な響きがあった。
俺は彼女を見ずに、静かに問いを投げた。
「関西大会から、今日の一回戦まで。出題されたテーマを覚えているか?」
「ええ」
「何か、共通点に気づかなかったか?」
「もちろん。私たちの洛北祥雲学園で、実際に起こっていそうな課題ばかり。それが何か?」
彼女の答えは、的確だった。さすが女王、というべきか。
「その通りだ。そしてそれは全国のエリート校にも、同様にありそうな話だ。当然、美崎沙羅も、似たようなテーマが出題されると予測しているだろう」
「ええ。そうでしょうね」
「ああ。だが、明日のテーマはその傾向から少しだけずれる。もっと大きな視点から見た課題を突き付けてくる」
俺のその言葉に、久条の視線が鋭く俺を捉える。
俺は初めて彼女の瞳を、真っ直ぐに見つめ返した。そして俺が天宮澄玲から盗み出した「未来」を告げた。
「明日の7試合全てあなたたちのような特権階級、富裕層の存在そのものがテーマだと推測する」
久条の息を呑む気配が伝わってくる。
俺は続ける。
「これは、今日までのテーマとは、少し質が違ってくる。特権階級や富裕層が支配する社会の事例や事件、事前にどれだけ深く、これらのデータを頭に入れておけるか。その準備の差が、勝敗を分ける。他の出場者は誰もテーマを知らないだからあなたにとって、圧倒的に有利な戦場となる」
「ありがとう。音無くん。約束通り、あなたの情報源は聞かないことにするわ」
彼女の声には、僅かな安堵の色が浮かんでいた。だが俺は、彼女のその淡い希望を、すぐに打ち砕く。
「そして最後にもうひとつ助言がある」
久条は視線を逸らさず、わずかに顎を引いた。
「聞かせてもらえるかしら?」
俺は久条への助言を続ける。
「この事前準備の差で、あなたの実力なら、美崎以外にはおそらく何とか勝てるだろう」
「あなたが明日、どこで美崎とあたるかは、全くわからない。それはくじ引き次第だからだ」
「しかし美崎と対戦することになったとしたら???その結果はどうなると思う?」
俺は一度、言葉を切った。そして彼女に、俺の分析結果という名の揺るぎない「事実」を突きつける。
「俺はあなたと美崎沙羅の能力を分析した。結果、あなたが、今からこのテーマに関するデータを完璧に頭に叩き込んだとしても、あなたと美崎の実力は、よくて五分五分だ。負ける可能性もある」
五分――女王の冠を戴く者にとって、それは屈辱にも等しい響き。
「つまり音無君の力を借りて、ようやく互角ということ?」
「厳密には互角以下だな。ドーピングした女王様とノーマルの美崎。これでも少し負けてるくらいだ。やつはそれほど強敵なんだ」
俺のその無慈悲な分析に、久条の顔から、再び色が消える。
そして俺は、彼女に本当の「脚本」を提示した。
「ここからが重要だ」
「もしあなたと美崎の試合が、50対50の引き分けになり、延長戦にもつれ込んだ場合。その時、あなたの勝機は少しだけ上がる」
「どういうこと?」
「延長戦前には、十分間の休憩がある。その時、俺はあなたに秘策をLINEで送る」
俺は静かにしかし有無を言わせぬ響きで、告げた。
「あなたを勝たせるための、最後の一手をその場で授けてやる」
「わかったわ。そのときは、必ずLINEをチェックするわ」
その言葉を聞くと、俺は静かに立ち上がった。
ミラー:「奏。女王様を、完全に手玉に取ったな」
奏:「ああ。だがこれはまだ序章だ。本当のショーは明日、彼女が美崎沙羅の前に立った時だ」
俺は彼女に背を向け、最後に言い残した。
「もし美崎とあたったら、せいぜい延長戦まで生き残ることだな。女王陛下」
「今すぐ、帰って準備しておけよ」
そして俺は一人、熱狂の渦巻くホールへと戻った。
コメント
1件
ああ、もう、めっちゃ滾りました……! 奏くん、完全に女王様のこと掌の上で転がしてるやん。テーマの共通点に気づいて、さらに先を読んで仕掛けるところ、すごくcalculatedで鳥肌立ちました。“互角以下”とか“ドーピングした女王様”って言い放つくだり、痺れるほどかっこよかったです。延長戦でのLINEの秘策、絶対気になるし、続きが待ち遠しいです……!