溺れるナイフっていうピアノの曲と聞いたらめっちゃいいかも
いつかは手放さにといけないのは分かっていた
この子もいつまでも子どもって言うわけじゃない
旅立たせないといけないのは重々承知だった…
でも…私は諦めきれなかった
もう一度…抱きしめたかった…
でも…その選択をした結果…
ヒスイ「……」
ぴくと「似合ってるよニコ」
ヒスイ「そう?嬉しいわ」
思ってない言葉をただ淡々と吐いた
ぴくと「……後悔してるの?」
ヒスイ「分からないわ…もう…」
ヒスイ「どうでもいいの…ギュッ…」
昔の幼い自分のか弱い後ろ姿が能裏に過ぎる
私は無力が嫌いだ
無力だと何も守れない
ぴくと「そう…スッ…カチャ…」
ヒスイ「これは…」
綺麗なスカイブルーのネックレスがうっすら光る
一瞬それに見とれてしまい
自分がどこにいるのかがわからなくなりそうだ
ぴくと「俺のものっていう…印?フフッw」
ヒスイ「…あら、随分と欲深いわねニコ」
ぴくと「だって…君はなんだか…」
悲しい瞳がこちらを向いた
見た目は美しい少年なのに
瞳を見るとまるで幼い子どものような目をしていた
ヒスイ「大丈夫よ…私はどうせもうすぐ死ぬわ」
ヒスイ「最後の責務を全うして…この世を去る…」
ヒスイ「素敵だとは思わない?クスッw」
ぴくと「……ッ」
もうすぐ終わると考えると…
楽になる気持ちと…苦しい気持ちが混ざる…
ヒスイ「……あら…」
そんな気持ちに答えるように雪が降り初めた
ヒスイ「あの日も…こんなふうに雪が降ったわ…」
ーハウス国秘書になって4年1ヶ月半ー
ヒスイ「カツカツ…」
夫と息子をなくして感情というものが消え去った
残ったのは憎しみだけ
もぶ「ヒスイ様…?またお顔がやつれているようですが…」
ヒスイ「あら、街の八百屋さんニコ」
国民にも心配をされるほど
十分な食事を摂っていなかった
食べると吐いてしまうほどに
ヒスイ「大丈夫よ…フフッw」
ヒスイ「これくらいいつもの事だわニコ」
ヒスイ「じゃあまた…カツカツ」
もぶ「あ…」
もぶ2「よせ…あのお方は身内を殺されて悪夢を見ているんだ…」
もぶ2「あまり深追いするな…」
もぶ「そうですね…」
そんな私は
いつも通りに街の巡回をしていた
そしたら…
彼に会った
無法地帯にある街から外れた場所で…
ヒスイ「……ぁ…」
−−ー「ジトッ…」
奇跡かと思った
あの子が生きていたのかと…
墓から蘇ったんだと…
炎のように赤い目と鉄鉱石のように黒い髪はあの子そっくりだった
ヒスイ「貴方…名前…なんていうの…?」
−−−「グルルルッ…」
怯えてこちらを睨んだ
痛々しい傷が嫌と言うほど見えた
見てて嫌になった
あの日のことを思い出してしまうから
−−−「誰やッ…お前はッ…!」
ヒスイ「……」
顔が似ているだけであの子じゃない…
そんなの分かってた
でも…どうしても…
ヒスイ「私は…」
ヒスイ「ヒスイ…ハウス国の秘書…ヒスイ…」
ヒスイ「大切な人をだれも守れなかった…役立たずのヒスイ…」
−−−「ッ?」
ヒスイ「ねぇ…貴方…」
一人の女と1人の幼い少年のくだらない賭け事…
だけどその賭け事には…くだらないけど何か大切な思いがあった…
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最終回近づいてます
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