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目を開けたらそこには空気があった。
下を見れば土があった。
少し歩くと、草や花があった。
道は地平線まで続いているらしい
夢でも見てるのだろうか?
とにかく家に帰る方法を探さなければ
しかし、なんだこの格好は
鏡が無いから分からないが、袖を見るに
僕は白い服を着ているらしい。
靴はぴかぴかに磨かれた革靴?片方だけ
脱いで触ると、先っぽがつるつるしていた
振り向くと、建物が集まっているらしき
何かが見えた。街かあそこにとりあえず…
と、その前に空を眺めて見るか
さっきまでの不安定な空間が嘘みたいに
空は絵の具を適当に混ぜた様なブルー、
その中に迷い込んでしまった雲は必死で形を保とうとしている。それを弄ぶかの如く、
風が時たま吹いている様だ。僕はいつの間にか寝転んでいた。地面はざらざらしていて、手を伸ばすと小石がつんつん手に刺さった
どこからか聞いた事のない鳴き声が聞こえる
「おい」
声…?やけに低くて悪者みたいな
「人間、邪魔だどけ」
ぴょこっと顔を上げて見ると、そこには絵本や漫画でしか見たこと無いようなドラゴンが立っていた。牙もある、うろこもある、さんかくにとんがった目だってある、ツノまである
「何なんだよ、あんた」
僕は立ち上がり、尻についた汚れをはたき落としながらそいつに聞いた
「よ〜くぞ聞いてくれた!おれはぁ、ドラゴンだ!お前ら、人間の敵だぞ〜うひひ」
ああ、そういう事か。こいつは所謂チュートリアルの敵で来たばかりの僕でも倒せる弱っちいやつなんだな。この世界に来たやつは
みんなコイツを倒して先に進むのか
よし、とりあえず何か武器を…
背中や腰に手をやってみたけれど武器は無かった。なら、魔法を
「喰らえ!なんか出ろ!」
両手を前に出して、ドラゴンに向けてみたが
何も起きなかった。当たり前だ、まだ僕はここに来てから何にもしてないんだから
「へ〜お前何にもできないんだぁ…いいおもちゃみ〜つけた」
あたふたしていると、ドラゴンは右手の爪でひょいっと僕を持ち上げた、首からぶら下がった僕の何か装着品が音を立てた
「とりあえず…腕を一本いただこうかな。うへへうまそ〜」
ち、ちょっと!それってどうなるんだ?!
痛いのか?戻せるのか?治せるのか?
ああ、地面が遠い…落ちたら僕は死ぬんだろうな…うう、もうダメだぁ
「ん?おや?君、何をしているのかなぁ?」
だ、誰だ?!いや、誰でもいい!
「たすけでください…そこのひとぉ…」
僕が思った以上に情けない声を出すと、遠い地面に一人のおじいさんが立っていた
「なんだよじじい、こいつは渡さねぇぞ!
おれはぁ腹が減ってんだからなぁ」
「はぁ…」
ドラゴンが片足でドシンッと、老人の目の前
を踏んでみせた。が、老人は動じない
「ワシ、面倒なこと嫌いなんだよね。ほれ」
「な、なんだ…急に眠く…がはっ…」
老人がドラゴンの足に触れると、ドラゴンは
音を立てて地面に倒れてしまった
僕はドラゴンの手から地面に落下してしまった。が、あんまり痛くないみたい
「大丈夫だったか?若いの」
「あ、ありがとうございました!おれ」
<ゲームの制限時間に達しました>