TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

背中の辺りが丸くなるのを感じる。キュウリとレタスが、フォークで刺されたままになった。

「勘違いしないでね。馬鹿にしてるわけじゃないのよ。クタイ君のような人がいるから、流行って成り立つんだから」

なんだか、励まされているような気がしない。

「母さんには、何でも遠慮なく聞いて見るといいよ」とケマルは言う。生みの親をなくした彼は、ペリンさんを母と呼んでは、こうして最低週に一回は立ち寄るという。

「一つ質問していいですか」と俺は言った「どうして流行に乗らない代わりに、わざわざ創るんですか」

ペリンさんは、何を当たり前なという顔をしている。

「だって、いつまでも他人の鋳型にばかりはまってたら、自分が育たないじゃない」

「もうひとつ聞いていいですか」

ペリンさんは肉詰めピーマンをフォークで刺した。

「こっちの人って、時間主義じゃないですか」自分でも、わけのわからないことを言ってると思う「その、時間って何ですか」

「時間っていうのは、仮の名前ね。本当の名前じゃない」

ぺリンさんはピーマンを口に入れた。

「じゃあ、本当の名前は何ていうんですか」

ペリンさんは、食べながら話す。

「いろいろあるわ。例えば、選択。例えば、自由。例えば、人生」

俺は、ぺリンさんの目を見たままスープに手をつけた。

「作り出した時間をどう使うかは選択ね。または自由ともいう。それで人生は出来上がってくでしょ」

隣のケマルが言いだした。「オイ。早く食わないと、温野菜冷めちゃうぞ」

そして、俺の皿にブロッコリーを五個も入れやがった。 

この作品はいかがでしたか?

24

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚