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3ヶ月で本気(マジ)になる恋。
🩷佐野勇斗
💛吉田仁人
🤍山中柔太郎
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
第21話 君のごめんが苦しくて。
炎上が広がり始めてから、数日。
M!LKのメンバーは、
いつも通り事務所に集まっていた。
……いつも通り、のはずだった。
けれど、空気はどこか重い。
今回の騒動について、
メンバー全員がマネージャーから説明を
受けることになっていた。
仁人と勇斗は、ほとんど同じタイミングで
事務所に到着した。
💛「……おはよう」
🩷「おはよ、仁人」
いつもなら、
何気ない会話を交わしながら部屋に入る。
でも今日は、
どちらも少しだけ表情が硬かった。
先に来ていた舜太と柔太朗が、
2人に気づいて声をかける。
❤️「おはよう。大丈夫?」
💛「うん。大丈夫」
🤍「無理しなくていいからね」
💛「……うん、ありがとう」
そのあと、少し遅れて太智が入ってきた。
💙「おはよー!ごめん、ちょっと遅れた!」
❤️「太ちゃん、来た!」
💙「え、なになに?そんな暗い顔してどうしたん?」
そう言いながら、太智は2人の顔を見る。
そして、事情を聞いていることを
思い出したように、少し表情を変えた。
💙「あー……SNSのやつな」
💛「……うん」
💙「いやいや、あんなん信じんでええって!俺らが一番分かっとるやん!」
太智は、いつもと変わらないまっすぐな声
で言った。
💙「でも、一緒におる俺らが分かっとるんやから、それでええやろ!」
❤️「そうだよ。俺たちは何も変わってないし」
🤍「ネットの人たちが、ほんの一部分だけ見て決めつけてるだけだからね」
🩷「……うん。ありがとう」
勇斗は笑って返した。
仁人も、みんなの顔を見て小さく頷く。
💛「……俺も、気にしないようにする」
💙「そうそう!気にせんでええって!」
💙「てか、俺らのことまで勝手に決めつけられたら困るわ!笑」
❤️「太ちゃん、そもそも自分のこともよく分かってないときあるもんね笑」
💙「なんでやねん!笑」
🤍「それはちょっと分かるかも笑」
💙「柔太朗まで!?笑」
いつものようなやり取り。
みんなが少しでも明るくしようとして
くれているのが分かる。
勇斗も、笑っていた。
けれど仁人は、
その輪の中でうまく笑えなかった。
口元を少しだけ緩める。
それだけだった。
💛「……ごめん」
❤️「え?」
💛「みんなに、心配かけて」
🩷「仁人、謝らなくていいよ」
🤍「そうだよ。仁人が謝ることじゃない」
💙「ほんまに!俺ら仲間やん。こういうときくらい頼ってよ」
💛「……うん」
そう答えた仁人の表情は、
まだ晴れなかった。
数日後。
自宅に帰った仁人は、
ソファに座ってスマホを手に取った。
画面には、
通知がいくつも表示されている。
SNSの通知。
メッセージの通知。
見ない方がいい。
そんなことは分かっていた。
それでも、気になってしまう。
自分たちのことが、
今どう言われているのか。
何を勘違いされているのか。
どこまで話が広がっているのか。
仁人は、しばらく画面を見つめたあと、
SNSを開いた。
最初は、いつものファンの投稿だった。
応援してくれる言葉もある。
2人を信じているという言葉もある。
それなのに、少し下へスクロールすると、
また違う投稿が目に入る。
切り取られた動画。
決めつけるような文章。
本当のことを知らない人たちの言葉。
仁人は、スマホを閉じた。
……見なければよかった。
そう思ったのに、
しばらくするとまた画面を開いてしまう。
そんなことを繰り返していた。
一方、事務所では。
❤️「……仁ちゃん、最近どう?」
🤍「あんまりよくなさそうだよね」
❤️「うん。今日もほとんど笑ってなかったし」
🤍「勇ちゃんも心配してると思うけど、仁ちゃん、勇ちゃんの前だと余計に平気なふりしそう」
❤️「……そやな」
舜太は少し考えてから、勇斗の方を見る。
❤️「勇ちゃん」
🩷「ん?」
❤️「一回、仁ちゃんに電話してみたら?」
🩷「……仁人に?」
🤍「うん。今、誰かと話したいかもしれないし」
🩷「……そっか」
勇斗はスマホを取り出した。
少し迷ったあと、仁人の名前を押す。
その日の夜。
💛「……もしもし?」
🩷『あ、仁人?』
💛「うん。どうしたの?」
🩷『いや、ちょっと声聞きたくなって』
💛「……何それ笑」
🩷『えー、だめ?笑』
💛「別に、だめじゃないけど」
電話越しに聞こえる勇斗の声は、
いつもと変わらない。
それだけで、少しだけ安心する。
🩷『今日さ、ちゃんとご飯食べた?』
💛「食べたよ」
🩷『ほんとに?』
💛「ほんと」
🩷『寝れてる?』
💛「……まあ、普通に」
🩷『そっか。ならよかった』
少しの沈黙。
勇斗は、
言葉を選ぶようにしてから口を開いた。
🩷『ねえ、仁人』
💛「ん?」
🩷『SNS……見てないよね?』
💛「……見てないよ」
その返事に少しだけ間があった。
🩷『そっか』
💛「うん」
🩷『俺もさ、なるべく見ないようにしてるんだよね』
💛「……そうなんだ」
🩷『だって、俺たちのことは俺たちが一番分かってるじゃん』
💛「……うん」
🩷『一緒に過ごしてきた時間も、撮影のときのことも。全部本当のことだしさ』
勇斗の声は穏やかだった。
🩷『知らない人が何を言ってても、俺たちが過ごしてきた時間は変わらないよ』
💛「……俺たちは、あんなことないのに」
ぽつりと、仁人の口から言葉がこぼれた。
🩷『……仁人?』
💛「……あ」
🩷『もしかして、見てる?』
💛「……」
🩷『仁人』
💛「……ちょっとだけ」
🩷『ちょっとだけ?』
💛「……分かんない。どれくらい見たかは」
勇斗は、少しだけ息を吐いた。
責めるような声にはしなかった。
🩷『仁人。今すぐスマホ閉じて』
💛「……でも」
🩷『でもじゃないよ。お願い』
💛「……」
🩷『もう見ない。今日は寝よ。スマホの電源も切って』
💛「……はい」
🩷『うん。いい子』
💛「子ども扱いすんなよ笑」
🩷『あ、ちょっと笑った!』
💛「……うるさい笑」
ほんの少しだけ、
いつもの会話に戻った気がした。
🩷『仁人、謝らなくていいし、無理に元気出さなくてもいいからね』
💛「……うん」
🩷『俺たちはちゃんと一緒に過ごしてきたじゃん。あの時間が嘘になるわけじゃないよ』
💛「……分かってる」
🩷『うん。だから今日は休も』
💛「……ありがとう、勇斗」
🩷『どういたしまして。また連絡するね』
💛「うん。おやすみ」
🩷『おやすみ、仁人』
電話が切れる。
仁人は、しばらくスマホを見つめていた。
勇斗の言葉は、ちゃんと分かっている。
自分たちの関係を、
誰かの言葉で決められる必要なんてない。
それでも。
一度目に入ってしまった言葉は、
簡単には頭から離れてくれなかった。
仁人はスマホの電源を切り、
テーブルの上に置いた。
そして、ゆっくりと目を閉じた。
それから、数日後。
仁人は、いつも通り事務所に来ていた。
最初のうちは、
みんなと話すこともできていた。
けれど、少しずつ笑顔が減っていった。
会話に入ることも少なくなり、
誰かに話しかけられても、
短く返事をするだけ。
それでも、
仕事はちゃんとこなそうとしていた。
ダンスの練習中。
💙「仁人、そこもう一回確認しよか!」
💛「あ、ごめん。もう一回いい?」
💙「いやいや、大丈夫やって!ゆっくり確認しよ!」
💛「……うん。ごめん」
💙「だから謝らんでええって笑」
太智は明るく返した。
けれど、仁人の表情は変わらない。
少し離れたところで見ていた柔太朗が、
そっと声をかける。
🤍「仁ちゃん、そんなに謝らなくていいよ」
💛「……うん」
🤍「大丈夫だから」
💛「……ありがとう」
そのやり取りを見ていた勇斗も、
仁人の近くに寄っていく。
🩷「仁人、もう謝らなくていいって」
💛「……ごめん」
🩷「ほら、また笑」
少し冗談っぽく言ってみる。
けれど仁人は、笑わなかった。
勇斗も、それ以上は何も言えなかった。
さらに数日後。
その日、
勇斗はマネージャーに呼ばれていた。
仁人は別の部屋にいて、
その話を直接聞いてはいなかった。
🩷「……え?」
👤「今回の件もあって、先方から一度企画を見直したいという話が来ていてね」
🩷「……ドラマの話、ですよね?」
👤「うん。主演で進めていた作品なんだけど、今回は一旦見送りになった」
勇斗は、すぐには返事ができなかった。
ずっと楽しみにしていた仕事だった。
準備もしていたし、
関わる人たちのことも考えていた。
それでも、マネージャーの説明を
聞きながら、ゆっくり頷く。
🩷「……分かりました」
👤「本当に申し訳ない。別の仕事についても、こちらでしっかり調整していくから」
🩷「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
勇斗は、
いつものように笑って部屋を出た。
そして廊下で、仁人と鉢合わせた。
💛「……勇斗?」
🩷「あ、仁人。お疲れ」
💛「今、マネージャーと話してた?」
🩷「うん。ちょっとね」
💛「……何かあった?」
勇斗は一瞬迷った。
でも、隠しても後から分かることだと
思い、簡単に話した。
🩷「実は、ドラマの話が一旦なくなっちゃってさ」
💛「……え?」
🩷「まあ、仕方ないよ。こういうこともあるし!」
できるだけ明るく言った。
けれど、
仁人の顔から血の気が引いていく。
💛「……勇斗、ごめん」
🩷「え?」
💛「俺のせいでしょ」
🩷「違うよ」
💛「だって、俺たちのことでこんなことになってるんじゃん」
🩷「仁人のせいじゃないって」
💛「でも……」
🩷「本当に違う。これは仁人が謝ることじゃないよ」
勇斗は、仁人の目を見て言った。
🩷「俺は大丈夫だから」
💛「……ごめん」
🩷「だから、謝らなくていいって」
そう言って、勇斗は少しだけ笑った。
仁人は頷いた。
でも、その表情は晴れなかった。
自分が何かをしてしまったせいで、勇斗の
大切な仕事までなくなってしまった。
そう思う気持ちを、
どうしても消せなかった。
その後。
事務所での仁人は、
ますます口数が少なくなっていった。
ダンスの振りを間違えれば、すぐに謝る。
撮影で言葉に詰まれば、
何度も頭を下げる。
誰かが心配して声をかけても、
返ってくるのは同じ言葉だった。
💛「ごめん」
💛「……ごめん、もう一回いい?」
💛「ごめん、俺が間違えた」
💛「……ごめんね」
🤍「仁ちゃん、ほんとに大丈夫?」
💛「うん。大丈夫」
🤍「無理してない?」
💛「……してないよ」
そう答える仁人の顔には、
笑顔がほとんどなかった。
勇斗も、何度も声をかけた。
🩷「仁人、休憩しよ?」
💛「大丈夫」
🩷「ちょっと座ってた方がいいよ」
💛「……うん。ごめん」
🩷「仁人」
💛「……なに?」
🩷「もう謝らなくていいって」
💛「……ごめん」
勇斗は、それ以上何も言えなかった。
仁人が謝るたびに、どうしてそんなに自分
を責めるんだろうと思う。
でも、
無理に聞き出すこともできなかった。
そして、ある日。
仁人は事務所に来なかった。
最初は、
体調を整えるための休みだと聞いていた。
翌日も来なかった。
その次の日も。
グループの連絡には短い返事が届く。
💛『今日は休みます。ごめん』
💛『大丈夫です』
💛『ありがとう』
それだけだった。
勇斗は、何度もスマホを手に取った。
電話をかけようか。
直接会いに行こうか。
でも、今の仁人にとって、
それが負担になってしまわないか。
考えれば考えるほど、どうするのが
正解なのか分からなくなっていった。
それでも、
何もしないままにはしておけなかった。
勇斗は、仁人とのトーク画面を開く。
少し考えてから、メッセージを送った。
🩷『仁人、体調どう? 無理しないでね。何かあったらいつでも連絡してね』
しばらくして、既読がついた。
そして、返事が届く。
💛『大丈夫。心配かけてごめん』
勇斗は、その文章をじっと見つめた。
また、謝っている。
事務所で何度も聞いた言葉。
何度も頭を下げていた仁人の姿。
ドラマの話をしたときの、あの表情。
全部が頭に浮かんだ。
勇斗は、スマホを握ったまま、
小さく呟く。
🩷「……ごめん……かぁ」
仁人は、いつも大丈夫だと言う。
心配かけてごめん、と謝る。
でも、本当に大丈夫なんだろうか。
勇斗には、そうは思えなかった。
本当は、もっと話したい。
顔を見たい。
いつものように、
くだらないことで笑い合いたい。
けれど今は、仁人が何を考えているのか
さえ、分からなくなってしまった。
勇斗はもう一度、画面に目を落とす。
そこには、短い返事だけが残っていた。
「大丈夫。心配かけてごめん」
その言葉が
、いつまでも頭から離れなかった。
コメント
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仁人ぉぉぉ!! ごめんって出てきちゃうんだよね、わかるわかる。口癖みたいな 佐野くんがなにか行動を起こせるように願ってます✨️
やっぱアンチ共を……
更新ありがとうございます✨️ このお話すごく好きで愛読させていただいてます! 次回も楽しみにしてます!!