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21 ◇田舎に引っ越し
実家に帰ってか一月半、就職が決まり田舎に引っ越し。
田舎って言ったって、20年も30年も昔ならいざ知らず今はどこに
住もうとよほどの人里離れたド田舎でもない限り環境はそれほど
変わることはなく、便利なものだ。
駅前なんて、実家の最寄り駅よりも数倍高僧で美しいビルが
佇み、田舎へ引っ越しと言うのも憚られるぐらいで……
家こそ、田舎じゃんっ、みたいな感覚。
そのように暮らしやすい街での新生活がスタートした。
仕事は最初から多くを任されるというのではなく
まず、簡単なデーター入力から始まった。
周囲の人たちもいい人たちで、私は25才の新堂冬也という
若い先輩から教えてもらっている。
おっとりしていて穏やかな男性だ。
顔はなかなかな、イケメンさんで俳優になれそうなぐらいの
顔面グレードだから、さぞかしモテるだろうなぁ~なんて、仕事を
教えてもらっている時に考えたりした。
本人はちっともそんなこと気付かず、一生懸命仕事を指導してくれる。
―――少し遡り、ひまりが実家に帰った頃のこと ――――
私が家を出たあとからすぐに夫から電話連絡があった。