この作品はいかがでしたか?
543
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この話は、ポケモン×カンヒュのクロスオーバーです。
※読む前に、前回のお話を見る事を推奨。
「サザァアアアァアッッッ!!!!」
気の赴くままに森を荒らし、大地を蹂躙する一匹のポケモン….サザンドラは、日本達に向けて攻撃を放ってきた。
波動は地面で炸裂、周囲の物ごと巻き込んで爆発し….その余波はそのまま彼らを飲み込んだ。
しかし。
「…………….あ、れ……?」
アメリカが目を開けた瞬間に視界に飛び込んできたのは、土煙に覆われた地上と青空。
….何だか宙に浮いている気がする。そんな感覚がしたと思うと、頭の中に今までの記憶が一斉になだれ込んできた。
確か、俺は……!!
「っ……!!俺、生きてる…?」
「アメリカさん!!起きましたか!?」
カイリューに乗った日本が心配の声を投げかけてくる。
そう、今の体制はカイリューが俺をバックハグして浮いているという構図であった。
どうやら爆発の前に、カイリューが助けてくれたらしい。
「リュゥウ……」
「カイリュー。地面へ降りましょう」
日本を背中に乗せつつ俺を抱えるのは流石に難しいらしい。
ゆっくりと降下していく。
地面へ着地した所で、背中から素早く降りた日本は硝煙の立つエリアを注意深く見つめた。
「…………………」
「リュゥ、リュウウゥ」
「そうですね。リザードンは大丈夫でしょうか」
「……アイツ怪我してたよな」
アメリカのつぶやきに、日本が少しだけ驚く。
気付いていたのか……
「さっき攻撃してきた奴にやられたっぽいな。
………..俺が助けてやらねぇと」
「まさか、生身でサザンドラと戦うつもりですか!?」
信じられない、といった感じで仰天する日本。だがこれは、アメリカにとって絶対譲れない案件だった。
大事なパートナー(候補)を、此処で無駄に傷付けさせる訳にはいかない。
絶対に、助ける。そして……
「アイツと友達になる。」
自然と口角が上がる。直後拳を握って、俺は硝煙へとダッシュした。
「はっ、ちょっっ!?!?アメリカさんっ!?!?!?」
「援護は任せたぜ、日本!カイリュー!!」
「ストーーーーーーーップ!!!!!」
俺は傷だらけのリザードンに襲いかかっていたサザンドラの前に立ち、渾身の思いでドロップキックを繰り出した。
二匹は、倒したとばかり思っていた相手が目の前に出てきてメチャクチャ動揺している。
不意を突かれたが、サザンドラは慌てて後方へ飛んだのでギリギリ回避した。
「サザァッ!?」
「俺のパートナーに手を出す奴は許さないぞ!」
ふんす、と仁王立ちするアメリカに、リザードンは呆気に取られていた。
心情はこうだ。
「ギャウギャウ!?(何だあのニンゲン!?)」
※正解: 超大国の化身。
「Hey, ドラゴン君。…リザードンって言ったか。
…..お前、俺と一緒に来いよ。素晴らしい世界を見せてやる」
「ギャウ……?」
「HAHA!つっても分かんねぇか。あの黒いやつ倒したら教えてやるよ」
アメリカの言葉の意味を察したリザードンは一瞬目を見開いたが、すぐに闘志を煮えたぎらせたオーラを放ち、戦闘態勢へと移行した。
ご主人様(候補)の、前に立って。
「行くぜ!リザードン!!」
「ギャウウゥウウウウウゥウウ!!!!!」
一方、上空から様子を伺っている日本sideでは……
「全く….アメリカさんてばゴリ押し戦法すぎません?」
下界の惨状を高みの見物気分で眺める、といった感じだが、日本とカイリューの表情は2文字で表すと “呆れ” であった。
カイリューですらこの顔である。本当にアメリカという男は、古今問わずつくづくイレギュラーの塊だ。
………..だが日本は、そんな彼に振り回されていながらも “憧れ” という感情を抱いていた。
「まぁ….トレーナーでも無いのに、
ポケモンという “未知” に物怖じしないといったところは流石としか言えませんね。」
ふ、と苦笑いに似た笑みを浮かべる。
…全くヤレヤレです。仕方が無いので助けてあげるとしますか。
私の、たった一人の同盟国さん。
「──────骨は拾ってあげますかねぇ。」
まぁまぁ冷たい言葉とは裏腹の、どこか晴れ晴れとした笑顔を浮かべながら
日本はカイリューと共に降下していったのだった。
「よし、リザードン飛ぶんだ!」
「ギャウ!!」
アメリカの指示でリザードンが飛んだ。サザンドラも空へと舞って、お互い睨み合う。
その様子を確認して、アメリカは頭をフル回転させて今までの出来事を思い出した。
日本は確か、こういう時……!!
「リザードン!!10まんボルト!!!」
「ギャウッ!?」
ムリムリ!!と首を横に振るリザードン。あれ?何か違ったのか!?ピカチュウはやってたよな!?
慌てる俺だがサザンドラは待ってくれない。
再びあくのはどうを放ってきた。
「っっ!!」
「ギャウゥッ!」
リザードンに再度攻撃がぶち当たる。まずいっ、落ちる!!!
痛恨のミスに立ち尽くしてしまった俺の目の前に、リザードンが落下した。
俺は素早く駆け寄って、リザードンへと声を掛ける。
「おい、大丈夫か!?」
「ギャウ….ギャウッ!!」
ヨロヨロと立ち上がるリザードンに肩を貸す。
…意外と小さいんだな。ドイツと同じくらいの背丈だろうか?
「さっきは済まねぇ。10まんボルトは打てねぇのか」
「ギャウゥウ………..」
ポケモンみんなが同じ技を打てるという訳では無いようだ。……なら、ここは!
とあるポケモンマスターに向けて、アメリカは空へと叫んだ。
「日本ーーーーーーーーー!!!!!!」
「アメリカさん!!!!」
硝煙を突っ切って、カイリューと共に日本の姿がハッキリと見えた。
最強の同盟国に、俺は質問を投げかけた。
「リザードンの覚える技は!!!!」
「ドラゴンクロー!!」
俺とリザードンの視線がかち合う。
直後地面を踏みしめ、超轟速でリザードンが空へと舞い上がる。
そりゃ、流石に分かってるよな!
最後の指示を、声の限りに出した。
「リザードンッ!!!ドラゴンクローーーーー!!!!!!」
「ギャウァアァアアアア!!!!!!!!」
炎竜の爪がサザンドラの体を貫く。
こうかはばつぐん、運良く急所に当たってくれた。
「サザァァアアアア!?!?!?!?」
断末魔を残し、上空にて爪跡の余波による青色の爆発が起こった。
リザードンは王者の風格で煙を裂き、アメリカ達の元へと戻ってきた。
超大国と原点の竜は、勝者の笑みを浮かべて並び立ち……..
「やっぱ強ぇじゃん、オマエ。」
「ギャウギャウ!」
コツン、と拳を交わして互いに笑いあったのだった。
「全く……一時はどうなる事かと思いましたよ」
「本当にな。
俺、日本がピカチュウに指示出してるの見てつい10まんボルトって言っちゃったんだよ」
「覚える技についての説明はまだでしたからね….ちゃんと教えておくべきでした」
カイリューとリザードンを連れ歩きながら話す日本とアメリカ。
カイリューとリザードンはお互い思うところがあったようで、今は一緒に飛び回っている。
そんな光景をしばらく見ていると、日本が口を開いた。
「随分と仲良くなってましたね。リザードンと」
「HAHAHA!まぁお互い背中を預け合った仲だしな」
「預け合い…….ましたっけ……?」
どっちかって言うとドロップキックで乱入した後指示出しただけのような気が…
いや、これは口には出さないでおこう。
そんな日本の様子にも気付かず、アメリカはカイリューと戯れるリザードンを優しい目で見つめる。
「なぁ、日本」
「はい?」
「ポケモンってさ、仲間にする時はあのボールで捕まえるよな。
でもそれは俺らのエゴで、本当は野生で生きる方がいいって奴も居るんじゃねぇか?」
「………そうですね。ボールに入るのを嫌がる子も居ますし」
「アイツは….どうなんだろうか」
キュッと拳を握りしめる。
俺がボールでゲットしたら、アイツは嫌がるだろうか。
アイツにとっては、俺の元で縛られるより大空で自由に飛び回りたいだろうか。
分からない、分からない!!
「………..私視点で話をしてもいいのなら、」
「……?」
「あの子は、強者を求めてるみたいですね。」
ふわっと笑う日本。
何故だろう、まるで懐かしい想い出を想像するかのように穏やかな表情なのは….
自然と俺の心が静まった。
「自分より強いポケモン、自分より賢いトレーナー….
そして、強い自分を分かってくれる心の広さ。」
「ここ、ろ。」
「リザードンがここまで着いてきてくれたのは、
貴方が “それに相応しいご主人様” だと判断したからでは無いでしょうか?」
日本の言葉を聞いて、俺は勢いよく後ろを振り返った。
そこにあったのは、こちらを見てくる可愛い炎竜。
目が合うと嬉しそうな声を出す。俺はもう覚悟を決めるしかなかった。
そんなに、眩しい笑顔を見せられては。
「なぁ、リザードン」
「俺と共に……来てくれ!!」
頬を紅潮させ、緊張した面持ちでボールを差し出してきた俺に、リザードンはゆっくりと歩み寄って…..
「………..ぎゃう!」
前足でモンスターボールのボタンを押して、中へと吸い込まれていく。
ヴン、ヴン………..ポカン!
「………..え」
「…..!ゲット成功です!!」
日本の嬉しそうな声に、俺はほっとした様な思いと嬉しい気持ちが昂って….
「ッッ……!!Yearrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!!!!!!!!!」
ボールを空に向けて掲げる。
やったんだ、俺はこれで正式なポケモン使いになれたんだ!!
俺とコイツで、ポケモンの分野でも世界一を目指すんだ!!
「日本っ!!俺もトレーナーになったからには、ポケモントレーナーのNo.1も狙っていく!
お前を抜かしてな!!」
「ふふっ、アメリカさんらしいですね。まぁ簡単に “最強” の称号は渡しませんが」
「望む所だ!帰ったら早速勝負しろよな〜!」
世界最強と謳われる超大国・アメリカ合衆国のポケモンゲット。
この出来事は後に、何をもたらすのだろう?
晴天の下、前へと進んでいくアメリカを見つめながら日本はふっと考えた。
しかし思考は直ぐに四散し、彼もまた前を向く。
「ライバル、か。」
同盟国がライバル。それもまた一興だと納得した日本は、
楽しそうに走っていくアメリカの後を追いかけて行ったのだった。
???side:
某所。
薄暗い路地にて、その場の雰囲気に似つかわしくない幼女は受話器を耳に当てていた。
「えぇ、えぇ……そうでしたカ。”例の古文書” は国際連合が保持してイタト。」
彼女の小さな右手の中には、年季の入った巻き物が一本。
それは国連が日本に見せた “あの古文書” と同じような容姿をしていた。
電話の相手は苛立っているのか、幼女に対してかなりキツい言葉を投げかけている。
しかし彼女は気にする素振りもなく、適当にあしらっている。まるで慣れているかのように。
「分かってイマス。ワタクシの任務はいずれこの世界に現る “勇者” の捜索。
───────────そして、”奪還” 。」
最後の部分だけ語気をほんのり強めると、電話の相手は暫し黙った。
そして満足したのか、通話は一方的に切られた。
通話が終了したことを悟った幼女は公衆電話のボックスから出て行き、ボールからクレッフィを出した。
「レッフィ!」
「行きまショウ、クレッフィ。
…..新時代ハすぐソコデス。」
” 待っていてクダサイネ、我らが勇者。 “
to be continued……?
コメント
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わたあめさん、、もし良ければなのですが、これらのお話をsvの主人公やfrrgの主人公ズに変えて、気分屋なわたあめ(低浮上)さんを参考にしましたって書くのでやってもいいですか?あと、チャットです ダメだったらダメでいいですもし出来たらよろしくお願いいたします(>人<;)
日帝のポケモンも見たい!