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第0話 サイドストーリー二編、設定集
注意 今回のサイドストーリーは、最終話の後の物語(番外編)です。まだ最終話までご覧になられていない方は、ブラウザバックを推奨します。
第0話第1章 君からの、僕への言葉。
「先生へ」
星の絵が描かれた封筒には、小さな文字で、丁寧にそう綴られていた。
震える手で、封筒の裏に貼られた四葉のクローバーのシールを剥がし、中身を確認する。
四つ折りの便箋。
「ドズル先生へ
先生、7年間、ありがとうございました。
先生は、僕達兄弟の為に、沢山尽くしてくださりましたよね。
おかげさまで、病気が治り、これから、僕は社会に出ていくことになります。
実は、僕は第一志望の大学の医学部に入学するんです。
先生みたいな立派な医者になって、昔の僕みたいな子を、助けたいと思ったから。
だから、治療の間も、毎日毎日、勉強ができる日は必死になって勉強しました。
だから先生、また会いましょう、何処かの病院で。今度は、僕も患者じゃなくて、医者としてですよ。
おんりーより」
「…おんりーくんっ…」
堰を切ったように、涙が止まらない。
「…泣いてる場合じゃないってか…」
ノートに貼られた、4年前の彼の写真を見つめる。
彼は、僕の事を、励ましてくれるような笑みを浮かべていたんだ。
第0話第2章 海と青年
「先生、海ですよ、海‼︎」
僕は今、おんりーと一緒に海を見に来ている。
彼は先日、遂に研修医期間を終え、勤務医として、僕達の病院に来た。
今日はお祝いをするよ、と言ったところ、この海で会おうと言われたのだ。
「15の時に、先生と一緒にここに来ましたよね。」
錆びたベンチに、2人で座る。
「…あの頃は僕も君も、未熟だったよねぇ…」
お互い、波の音を聴きながら、これまでを振り返る。
曇り空、この季節、ほのかな潮の匂い。
まるで、あの頃に戻ったみたいだ。
僕達が変わり続けていた間も、海は、僕達を待ち続けていた…そんな気がする。
君のあの時の笑顔。脳裏に焼きついて、今でもはっきりと思い出せる。
「先生、海、入ってみたいんです…」
「いいね、それ‼︎」
サンダルを脱ぎ捨てて、走って駆け寄り、海水に足を入れる彼。
「先生、海って…冷たくて気持ちいいんですね‼︎」
今の君は、あの頃の君とは違う。
昔の君は、海の水に触れられなかったけれど。
でも、今の君は、足を海水に入れている。
少しずつ、人生を進んでいっているんだね。
海に足を入れ、無邪気に遊んでいる、青年を僕は、我が子の成長を喜ぶように、見守っているんだ。
設定集
おんりー(基本情報)
一歳から病院に入院している。
十歳の時に、同室に入院していた虐めっ子に虐められ、以降人間不信に。
以降、両親との関係は悪化。
精神は躁鬱気味。
おんりー(15歳の始め)
人間不信。
外に出て、普通の生活を送る事を望んでいる。
身体の状況が悪く、体調はすぐれない。
ドズルとの関わりで、心に僅かな希望を持った。
おんりー(15歳の終わり)
母親に見捨てられ、精神的に追い詰められ、体調を崩す。
ドズルの前では明るく振る舞っていたが、無理はしなくていいと言われ、落ち着いた。
少しずつ、進んでいこうとしている。
おんりー(16歳)
見知らぬ弟、おらふくんが居たことが判明する。弟との関係は良好。
母親の暴走により、頭に大怪我を負う。
精神は鬱へと突き進み、終わりのない治療と、自身の身体に嫌気がさしていた。
おんりー(17歳〜19歳後半)
17歳の時に、研究機関による機能不全に陥った臓器を再生するための治療薬の治験に参加、19歳までの治験により病気が完治し、20歳になった直後に退院した。
治療期間中、通信制高校を卒業した。
おんりー(20歳〜)
猛勉強の末、第一志望の大学の医学部に合格。
ドズルのような医者になりたいという思いで勉強を続け、研修医としてドズルと再会した後、小児科医になる。
ドズル(基本情報)
小児科医。患者想いで、丁寧な診察が評判。
とても明るく、優しい性格。
患者の情報をまとめたノートを持ち歩いている。
ドズル(28歳)
おんりーと出会い、小児の病気について更に関心を持つ。
おんりーに少しでも笑ってほしいと願っている。
ドズル(29歳)
おんりーを救いたい、その一心でおんりーと向き合う。
おんりーを取り巻く様々な課題を一つ一つ解決するため、手助けをすることも。
ドズル(30〜33歳後半)
研究機関の研究に参加し、臓器を再生するための治療法を研究する。
生まれつきの病気を持った子供達が、社会で当たり前の生活を過ごせるように願っている。
ドズル(34歳〜)
小児科医として、子供達に真剣に向き合い、患者一人一人の想いを更に知ろうと努力する。
医療の課題を解決する為、全力で研究している。
おらふくん(基本情報)
四歳から病院に入院し、 七歳で退院する。
優しく、思いやりがある。
両親やおんりーなど、家族との仲は良好、愛されている。
おらふくん(4歳)
病院に入院し、兄が居た事を知る。
治療で痛い思いをするが、おんりーの励ましや、ドズルの支えのお陰で安定する。
口調は柔らかく、言葉も拙い。
おらふくん(7歳)
退院してからもおんりーのお見舞いによく通い、勉強や治療を頑張る兄を応援し続ける。
おらふくん(8歳)
兄の退院に喜び、心から祝う。
両親と兄と、家で4人仲良く暮らし、とても幸せに。
おんりーの両親
おんりーが幼い頃は、よく見舞いに行き、おんりーを可愛がっていた。
しかし、おんりーが10歳になったあたりから疎遠になる。
おらふくんを隠し続けていたが、入院により、おんりーにも第二子の存在を知られる。
以降、兄弟と仲良く過ごす様になる。
終わらせられて涙です、
本当にありがとうございました。
次作もよろしくお願いします。
コメント
3件
お知らせ 何故か設定集全キャラ作ったのに、データが吹っ飛んでおんりーしか反映されていません。 ご了承ください、
努力ってこういうことか...!!!
どうやったらこんな神ストーリー作れるんだよ?