西暦 20XX年
日本国 排他的経済水域(EEZ)
北緯25度20分 東経136度04分 沖ノ鳥島
日本国 海上自衛隊 P3C哨戒機
P3C哨戒機 機長 松永 圭吾 一等海佐
副機長「松永機長。まもなく通信が途切れた沖ノ鳥島です。」
松永機長「分かった。しかし…沖ノ鳥島からの通信が途切れたとは…一体どうなってるんだ……」
副機長「分かりません…突如として通信が途切れたそうで……」
松永機長は操縦桿を少しずつ倒し、高度を下げていく。しかし、どれだけ高度を下げても霧が晴れず海面が見えてこない。
松永機長「どうなってる……すでに100フィートを切ったぞ……」
その時、突然目の前に海面が現れる。
松永機長「まずいッ!!」
ゴオオオオ!!!
松永機長は操縦桿を自分の方に起こし腕に力を入れる。哨戒機は海面スレスレで上昇する。
副機長「機長!墜落するところでしたよ!」
松永機長「分かっている……俺のミスだ……」
哨戒機は海面近くを飛んでいた。
副機長「おかしいですよ…ここに沖ノ鳥島があるはずなのに……」
機長「……沖ノ鳥島は……」
キシャアアアァアアアァァ!!!
機長「!?ッ」
副機長「!?ッ!」
機外から、図太い生き物の鳴き声のような音が聞こえてくる。
機長「聞いたか…?今の音……」
副機長「はい…しかし……聞いた事のないような音でした……」
ガンッ!!
その時、哨戒機の頭上から何かが乗りかかってくるような音がする。機体の上部から、鉄の軋むような音がする。
副機長「機長…今の音って……」
機長「……嫌な予感が……」
コックピットのガラスの上から、くちばしのような物が見えてくる。しかし、鳥のくちばしとは異なった形をしている。
副機長「き、機長……」
機長「……」
くちばしは徐々に姿を現す。それは、ドラゴンのような顔をした生き物の顔だった。
副機長「き、機長!!!」
機長「なんだ……こいつは……!」
その時、ドラゴンのような生き物は口を大きく開け口腔内にエネルギーを貯め始める。
副機長「こいつ…!何をする気だ……!」
コックピットの前は明るい光に包まれる。ドラゴンのような生き物の口からは火炎が哨戒機に向かって吐かれる。高熱により哨戒機の燃料が発火し哨戒機は空中で木っ端微塵に爆発する。