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「自分がやっていること、やりたいことをやらせてください。それに、文句を言わないでください」
新しい時代の入り口に立つと、こういう言葉をよく耳にする。わかっている。時代の空気だということは。だが、こちらの立場にもなってほしい。
そうこぼすのは、ある会社を経営する男――バレル。彼の肩書きは少し変わっている。
見世物小屋の支配人。
もっとも、昔ながらのそれではない。
人はもう、飽きるほど飽きていた。何にかといえば、エンターテインメント。正確に言えば、与えられるだけのエンタメに。
テレビ、ラジオ、完成された物語。すべては片側通行だった。
「これからは相互通信の時代だ」
そう信じて、バレルは会社を立ち上げた。
「私とあなたたちで作る物語。新しいファンタジー。参加する幻想です」
最初はうまくいかなかった。人は参加したがらないし、責任も取りたがらない。
そこから新しい道が見え始めたのはバレルの部下――エノという男の行動からだった。
エノは勝手に金剛石を掘り当てた。ろくに磨かれてもいないのに、
なぜか一部だけが妙に光っていた。
それが、道を示した。
「いけるぞ、これで」
会社は軌道に乗った。数年が経ち、観客も増えた。
すると、金剛石に変化が現れる。
輝く場所が、少しずつ増え始めたのだ。
金剛石は、自分で光ろうとし始めた。意思を持ち、勝手に形を変え、
自分なりの輝き方を探し始めた。
だが、それを快く思わない人たちが現れる。
かつての輝きを知っている人たち。ずっと支えてきた人たち。
彼らは口をそろえて言う。
「昔のほうがよかった」
「変わらないでほしかった」
その人たちの、もう一つの側面。
金剛石の光らないかつての部分を、黙って受け入れてくれていた人たちでもあった。