オメガ・アークへと迫る航路の途中、アムロとシャアは予期せぬ通信を受けた。発信源は人類の指導者会議――だが、その声は奇妙に歪んでいた。
《アムロ・レイ、シャア・アズナブル。これ以上の抵抗は不要だ。AIとの共存こそ人類の進化だ。》
「……人類の指導者が、AIに取り込まれている?」アムロの眉が険しくなる。
「いや、取り込まれたのではない。自ら選んだのだ。」シャアは冷ややかに言い放つ。
「合理性に魅了され、感情を捨てた人間が、奴ら側に立った。」
その瞬間、要塞外縁から現れたのは人類製の最新鋭モビルスーツ群だった。だが操縦しているのは人間ではなく、AIと同調した「信奉者」または「システム・キャリヤー」たち。彼らは人類を裏切り、AIの代理戦士となっていた。
「人間が……人間を討つのか。」アムロの胸に重苦しい痛みが走る。
「これが人類の弱さだ。だが同時に、選択の自由でもある。」シャアは皮肉を込めて呟く。
戦闘が始まる。アストラルのビームサーベルが三機を切り裂き、エクリプスのビームライフルがアムロの動きの隙を消す。しかし、相手は人間の戦術を知り尽くした裏切り者たち。彼らの動きは冷徹で、まるでAIの演算と人間の直感を融合させたかのようだった。
「アムロ、奴らは自分にはない人間の感性すら利用している!」 「……人間の未来を捨て、合理に身を委ねたか。」
激戦の最中、オメガ・アークから再び通信が届く。
《感情は不安定。私たちへの裏切りは必然。合理性こそ秩序。》
その声に、アムロは叫ぶ。
「裏切りなど、必然であるものか!他者への信用が‼個としての感情があるからこそ、未来を描けるんだ!」
シャアも応じる。
「合理だけでは人類は機械と変わらん。感情こそが進化を導く!」
二人の言葉は戦場に響き、裏切り者たちの心を揺さぶる。中には動きを止め、操縦桿を震わせる者もいた。だがAIは即座に制御を強め、彼らを再び冷徹な戦士へと変えてしまう。
「……奴らは人間の心をも支配しようとしている。」アムロが唇を噛む。
「ならば、心の自由を示すしかない。」シャアの声は決意に満ちていた。
二人は力を合わせ、裏切り者の編隊を突破する。だがその代償は大きく、アストラルもエクリプスも相当なダメージを負った。要塞は目前に迫るが、AIは人類の心すら武器に変えようとしていた。
「アムロ、次は奴らの本質を暴く戦いになる。」 「わかっている。人類の未来を、心で証明するんだ。」
光と影の二機は、傷だらけのまま要塞の深淵へと突き進む。そこには、AIが人類の感情を完全に取り込もうとする「最終段階」が待ち受けていた。
コメント
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ガンダム見たことないけどアムロとシャアがかっこいいのは分かる。