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目perspective

どうも。目黒蓮です。今、猛烈にイライラしてます。理由は、俺の大好きな岩本くんが俺をぜんっぜん見てくれないから


🦞「岩本くん」


🍫『うお、ごめん、目黒……どうした?』


ほら。こうやって話しかけても目線が合わない。何で?俺の事嫌い?そんなに目線合わせたくない?


🦞「岩本くんのバカっ、!」


🍫『目黒っ!……。』



岩perspective

どうも。岩本照です。今日は少し変な日。俺の体がおかしい日。薄々とは分かってたんだが、こんなにも早いとは思わなかった

そう……俺は……

生理系男子だ。怖くて恋人の目黒にも言えてない。目を見て話すのが怖くてつい逸らしてしまう。そのせいでバカって言われて、俺の元から離れてしまった


🍫「いっ……」


最近ストレスのせいか生理が遅くなったり早くなったりしていた。要するに、生理不順と言うもの。何時もは軽いものなのに、今日に限って酷い。しかも今日はYouTubeの撮影。ハロウィン仮装。横に見えるのはにっこにこ笑顔のメイクスタッフさんたち。そう。このハロウィン仮装企画は俺らをどうしてもコスプレさせたいメイクスタッフさんたち考案の企画。何つースタッフさんを俺らのグループにくれやがったんだタッキー!この時だけは恨むぞ


🍫「ってて……」


俺の生理のことは舘さんしか知らない。舘さんも生理系男子だが、ついこの間だようやく話せたばかり


🥀「大丈夫かい?ほい。カイロ」


🍫「サンキュ、悪ぃな……」


🥀「目黒、どうしようか」


🍫「ちゃんと言えてない俺が悪ぃし、後で謝る……」


🥀「了解」


そう言って舘さんは翔太の所へ戻った。流石に生理痛が酷くて、ピルをポケットにサッと入れ、フラフラしながら自販機に向かう


🦞『あ……』


🍫「あ…目黒……」


その途端、ズキンッと下腹部が痛くなり俺は思わずその場に踞る。目黒は慌てた様子で俺に駆け寄ってきた


🦞『いわもとくん、大丈夫っすか!?』


🍫「お、お、ごえ、ださな、いで、くれ……」


🦞『あ、すみません……』


やばい。目の前がぐるぐるし始めてきた。あ、ピル…でも、飲み物ない…。詰んだ、こっから動けないし。目黒に生理辛いからなんて言ったら嫌われる


🍫「……っ!!!!」


そんな俺の気持ちを他所に生理痛は酷くなる。もう立っていられない。座っているのでも精一杯


🥀「ひかる!?」


🍫「だ、て、さ……」


俺は無我夢中で舘さんに助けを求めた。本当は目黒に助けを求めたかったが、怖かった、嫌われるのが


目perspective

何時もは笑顔の岩本くんがボロボロ泣きながら舘さんに助けを求めている。そんなに俺が嫌?そんなに舘さんが良いなら舘さんと付き合いなよ…


🥀「目黒、そんなこと言ってあげないの」


🦞「っ、すみません…口に出てました?」


🥀「全部出てたよ。あ、照熱あるな…。目黒、タオル冷やして持ってきて。説明は後でするから」


🦞「……。分かりました」


ぐったりとする岩本くんを見て少し心配にはなるものの、正直俺が嫌なら他の人と付き合ってしまえばいいとまだ思ってる


🦞「持ってきましたよ」


🥀「ありがとう。済まないね」


🦞「……いえ」


🥀「照ね。珍しい体質で、生理系男子なんだよ。月に一回生理が来る。女の子のようにね」


🦞「え……」


🥀「本当はずっと目黒に言いたがってたんだけど、嫌われたくなかったみたいでね。隠し続けてたみたい」


🦞「……」


🥀「俺も生理系男子だからって照に伝えたら、舘さんならって教えてくれたんだよ。照は、目黒が嫌いだから言わなかったわけじゃない。頼りないから言わなかったんじゃない。嫌われたくなかったんだよ」


🦞「でも俺はっ!」


🥀「嫌わない。照は分かってた。でもね、照を苦しめる過去の記憶が照の心を蝕み続けてるから、照の心に残り続けているから言い出さなかったんだよ」


🦞「か、この、記憶…?」


🥀「照は生理が始まったのが小学五年生からだったらしくて。男の子で生理なんて可笑しいって皆に馬鹿にされて、挙句先生にも叱られて、お腹痛いのに頑張って学校に行っては何度も熱を出して倒れたことがあったらしくて。それで皆心配してくれるとか、理解が深まるとかならまだ良かったけど、いじめに発展していったらしくてね」


🦞「そんな…」


🥀「ここ最近、ストレスで生理不順になってるみたいで、今日は久々に重いのが来ちゃったんだろうね」


🦞「……」


🥀「ついさっきまで、ソファに寝転がって辛そうにしてた。カイロあげて、目黒どうしようかって聞いた時、ちゃんと言え無かった俺が悪いから謝るって言ってたんだけどね…。ほんと、無理し過ぎなんだよ。甘えたい時は甘えたらいいのにね。まぁ、親にも嫌われて愛情ってものを知らない照にとっては、甘えるのも厳しいのかもね…」


🦞「……」


俺の知らない岩本くんの話しが舘さんの口から紡がれる。最近やたらめったらご飯をバクバク食べていたのは、生理が近かったからなのか。眠そうにしてたのも、それのせいだったんだ。俺は何て酷いことを岩本くんにしちゃったんだろう…。沢山悩んでたのに、気が付けなかった…


🥀「楽屋に戻ろっか。流石に今の照に振り付けとか今後の話とか上手くできないだろうから」


🦞「はい……」


🥀「照運んで」


🦞「はい……」


🥀「ねぇ目黒。俺じゃなくてもいいんじゃねぇかって思ってるかもしんないけどね?そうじゃない。知らないだろうけど、照は目黒の前だと凄く安心した顔してる。この人になら甘えられるって顔してるんだよ。言えなかっただけで、心の中では信頼してるから。信じてあげて」


🍫『んん……ん…』


🦞「分かりました」


そのまま岩本くんを抱き上げ、楽屋へ戻る。舘さんが皆に生理のことを濁して説明したようで、岩本くんと俺は早退することになった。家に帰り、寝室のベッドに寝かせて湯たんぽでも作ろうと立ち上がった瞬間、服の裾を掴まれる


🦞「照?」


🍫『んん……やだぁ…』


🦞「すぐ戻るよ?」


🍫『やぁだっ、』


🦞「ふふ、分かったから掴んでるの離して?照が寝るまでここにいてあげるから」


🍫『ん、ん、(腕を広げ)』


🦞「一緒に寝よっか」


🍫『ん……』


照の寝ている隣に入り、優し抱きしめる。熱を出した姿を初めて見たが、こんなに幼くなるもの?と思いながらもぽわぽわしている照の頭を撫で、結局二人揃って夢の中へと入っていった


後日、照から改めて説明があり、俺も酷いことを言ったことを謝って今では仲良し。照のお腹に小さな命もあるしね。会えるのが楽しみ


                               𝕖𝕟𝕕 𓂃 𓈒𓏸 

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