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ゆゆゆゆ
#Paycheck
ゆゆゆゆ
#Paycheck
距離は、もうない。
エリオットの襟元を掴んだまま。
チャンスは一歩も引かない。
エリオットも、逃げない。
むしろ。
自分から近づいている。
「それ見たかった」
その一言。
軽いはずなのに。
やけに重く響く。
チャンスの目が、完全に変わる。
もう余裕はない。
抑えていたものが、はっきり表に出ている。
「……エリオット」
低い声。
少し掠れている。
エリオットはそれを聞いて、少しだけ息を呑む。
胸の奥が、強く鳴る。
ドクン、ドクン。
でも。
目は逸らさない。
逸らせない。
むしろ。
そのまま見返す。
笑う余裕は、もう少しだけしか残ってない。
それでも。
口元がわずかに上がる。
「なに」
チャンスの指に力が入る。
襟元を掴む手が、少しだけ強くなる。
それだけで。
エリオットの呼吸が浅くなる。
「……ほんとに」
チャンスが小さく呟く。
「止まらなくなるぞ」
エリオットは一瞬だけ黙る。
その言葉。
ちゃんと伝わる。
今ここで一線越えたら。
戻れない。
でも。
次の瞬間。
小さく息を吐いて。
少しだけ笑う。
「もう遅いだろ」
静かな挑発。
でも。
さっきまでと違う。
少しだけ本音が混ざってる。
チャンスの肩がわずかに揺れる。
その距離で。
お互いの呼吸が触れ合う。
どっちも。
限界まで来てる。
分かってるのに。
引かない。
引けない。
チャンスがゆっくり顔を近づける。
エリオットも動かない。
ただ、待ってる。
一瞬の静止。
――その直前。
二人とも、わかってる。
これ以上は。
もう。
誤魔化せない。
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