テラーノベル
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距離はもうほとんどない。
ソファ。
エリオットは背中から沈んでいる。
その上にチャンス。
二人とも動かない。
でも。
空気だけが張り詰めている。
呼吸が重なる距離。
エリオットが小さく笑う。
「……チャンス」
低く呼ぶ。
チャンスは答えない。
ただ見ている。
その目。
さっきよりもさらに鋭い。
エリオットはそれを見て。
少し息を吐く。
胸がざわつく。
でも。
逃げない。
むしろ。
わざと少し顔を寄せる。
「そんな目で見られたら」
小さく言う。
「期待する」
そう言った瞬間。
チャンスの目が変わった。
さっきまでギリギリ抑えてた感じが——
完全に切れた。
「……エリオット」
低い声。
次の瞬間。
ぐい。
肩を押さえられる。
ソファに沈む。
距離が一気に詰まる。
「あ、ちょ——」
言い終わる前に。
唇が触れる。
さっきまでの軽いキスじゃない。
逃げる隙もない。
息を奪われるみたいなキス。
頭が一瞬真っ白になる。
「……ん、」
チャンスの手が背中に回る。
体が引き寄せられる。
またキス。
短く。
でもすぐまた。
息を整える間もなく。
何度も。
「……チャン、ス…」
声がうまく出ない。
さっきまで余裕で煽ってたのに。
頭がぼーっとしてくる。
キスの合間。
チャンスが低く言う。
「言っただろ」
また唇が重なる。
「後悔するって」
「……して、ない」
やっと言う。
でも。
声が変だ。
力が入らない。
またキス。
今度は少し長い。
背中がじんわり熱くなる。
頭の奥が痺れる。
さっきまでのドキドキとは違う。
もっと深い。
くらくらする感じ。
体の力が抜けていく。
ソファに沈む。
「……エリオット」
チャンスの声。
近すぎる。
俺はやっと目を開ける。
「……なに」
息が少し乱れてる。
チャンスは少し呆れた顔で言う。
「溶けそうな顔してる」
俺はぼんやり笑う。
「……チャンスのせい」
チャンスが小さく息を吐く。
それから。
もう一度顔が近づく。
俺は思う。
あー。
これ。
ゆゆゆゆ
#Paycheck
ゆゆゆゆ
#Paycheck
完全に。
俺が煽った結果だ。
でも。
ぼんやりした頭で思う。
……悪くない。
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