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陽雅さんの家に帰ると、陽雅さんが言う。
「誰からお風呂入る?」
「俺は後でいい。快と入るから」
「そうです。俺達、時間かかるんで。ね?」
そう言って快はニヤニヤしながら零斗さんを見る。
「あぁ…まぁ…」
零斗さんは頬を赤らめてそう言う。
「じゃあ俺達も一緒に入っちゃう?」
「そうですね。一緒に入りましょう」
「よし、じゃあ行こ」
陽雅さんが風呂場に向かうのを見て俺も風呂場に向かう。
今日はシャワーを浴びた後、一緒に湯船に浸かった。
お風呂から出て、お互いの髪を乾かす。
リビングに戻ると、二人の姿は無かった。
「あれ? どこ行ったんだろう」
「部屋ですかね。見てきましょうか?」
「まぁ、いいよ。その内降りてくるでしょ」
「ですね」
そしてそれから少ししてリビングの扉が開く。
「零斗。お風呂冷めちゃうよ?」
「悪ぃ悪ぃ」
そう言う零斗さんは浴衣を羽織っている。
「零斗さんのお食事タイムしてました」
後ろからひょこっと出てきた快も浴衣を羽織っている。
「お食事タイムにしては長くない?」
陽雅さんの問いに零斗さんが答える。
「長くねぇよ。美味い熱を貰うために一回シたから長く感じんだろ」
「ちょっと零斗さん。恭也の前でやめてくださいよ〜」
快はそう言ってわざとらしく両手で顔を覆う。
(また惚気けられた…)
快は結構こういう所がある。
今までもよく惚気け話を聞かされていた。
だからこういうのには慣れている。
「…良かったね。快」
「うん。じゃあ第二ラウンド行ってくるね。行きましょう零斗さん」
快は嬉しそうに零斗さんとお風呂場へ向かった。
寝る時間になり、陽雅さんの部屋に入る。
俺がベッドの端に座ると、陽雅さんは棚の方へ歩いていき、引き出しから紙を取り出した。
「見て。これ。懐かしいでしょ」
陽雅さんが見せてきたのは俺が書いた契約書だ。
「わぁ。懐かしいです」
「これもう要らないからね。捨てないと」
「別に捨てなくてもいいですけどね」
「一応個人情報だからね。俺も仕事辞めるつもりだし。俺には恭也がいるから」
陽雅さんが嬉しそうに笑う。
そんな陽雅さんにつられて笑顔になる。
「そうですね」
「あっ。でもお客さん。前回のお支払いがまだでしたね」
陽雅さんはそう言いながら俺の横に座り、俺の顔を覗き込んだ。
そんな陽雅さんの唇に俺の唇を重ねる。
「今から払いますよ」
ニコッと笑うと、陽雅さんもニコッと笑う。
「それはどうも。閉店サービスで最高に気持ち良くしてあげますからね」
陽雅さんがそう言った後、俺達の唇は再び重なった。
裸のまま、二人向かい合ってベッドに寝転ぶ。
「これで支払い終わったから契約終了だね」
「そうですね」
「これからは恋人としてよろしくね」
陽雅さんはそう言ってニコッと笑う。
そんな陽雅さんを見て、俺は微笑み返した。
「はい」
「あっ、そうだ。恭也にドルの力分けないとね」
「えっ。分けれるんですか?」
「うん。一回分だけね。好きな人と性行為をした時に分けれるの」
「なるほど」
「俺が暴走したらドルの力使って止めて。使ったらまた分けれるからさ。まぁ、結構負担かかるからなるべく使わせたくないんだけど」
陽雅さんはそう言って苦笑いする。
「じゃあ、分けるね」
「はい」
俺がそう返事すると、陽雅さんは俺のデコに自分のデコを合わせる。
少しして、陽雅さんのデコが離れた。
「はい。これで終わり」
「えっ。もう使えるんですか?」
「うん。使いたい時は相手の耳元で命令したいことを囁くの。俺の言う事を聞けって思いながらね」
「なるほど」
「俺がちょっとでも嫌な事したらすぐ使ってよね。遠慮なんていらないから」
「はい。分かりました。遠慮なく使います」
「よろしい」
陽雅さんはそう言って微笑む。
そんな陽雅さんに俺も微笑み返した。
_________
鳥のさえずりで目を覚ます。
横ではまだ恭也が寝息を立てて眠っていた。
そんな恭也の寝顔をじっと見つめる。
(ぐっすり眠ってる…)
こんな無防備な姿を見られるなんて、幸せだな。
恭也の頭をそっと撫でると、瞼がゆっくり開いた。
「あっ、ごめんね。起こしちゃった」
「ん…大丈夫です…おはようございます…」
恭也は眠そうな目をしてそう言う。
「朝ごはん作ってくるからもう少し寝ててもいいよ」
「いや…もう起きます…」
「そう。じゃあ一緒に下行こっか」
俺の言葉に恭也はゆっくり頷く。
下に降りると、顔を洗い、寝癖を直す。
そしてキッチンに行き、朝食の準備を始めた。
卵焼きを作ろうと卵を混ぜていると、恭也がこっちにくる。
「陽雅さん、なんか手伝いましょうか?」
「えっとじゃあ…味噌汁の食材切るのお願いしようかな」
「はい」
味噌汁の具材を冷蔵庫から取り出し、キッチンテーブルに置く。
「これお願い」
「分かりました」
それからしばらくして、階段を降りる音が二つ聞こえる。
「あっ。零斗達起きたかな」
「っぽいですね」
恭也がそう言うと、扉の向こうから声がする。
「めっちゃいい匂いしますね」
「あぁ、そうだな」
そう聞こえたのと同時にリビングの扉が開く。
予想通り、零斗と快くんの様だ。
「二人ともおはよう」
「おはよ」
「おはようございます」
快くんはそう言った後、恭也の方を見る。
「あれ。恭也が料理してる。珍し〜」
「別に料理くらい出来るよ」
「え〜。調理実習で調味料の量ミスってめっちゃ薄い肉じゃがになっちゃった人が?」
快くんの言葉を聞いて恭也は慌てて俺を見る。
「違うんですよ陽雅さん。教科書に一人分と四人分の分量書いてあって、四人分なのにミスって一人分の分量で作っちゃっただけなんです」
「そっか。おっちょこちょいな恭也も可愛くていいね」
恭也にニコッと微笑むと、恭也は頬を赤らめる。
「あー、陽雅さん。具材切り終わったんですけど次やる事あります?」
「じゃあ味噌汁は恭也に任せようかな。それなら分量間違えても味直せるし」
わざとらしくそう言うと、恭也は不満そうに言う。
「もしかして俺の事からかってます?」
「いやいや。別に恭也が味噌の分量ミスってめっちゃ薄い味噌汁が出来上がる心配なんてしてないから大丈夫だよ」
「いや絶対してるじゃないですか」
「してないしてない」
「えー、怪しいですね〜。まぁ、見ててくださいよ。完璧な味噌汁を作ってみせますから」
そしてしばらくして朝食が無事に出来上がった。
食卓に四人並んで手を合わせる。
「いただきます」
俺は味噌汁の器を持って一口飲んだ。
「ん。美味しい。味の調整バッチリだよ」
「ありがとうございます」
頬を赤らめてそう言う恭也に俺は微笑む。
「おぉ。うめぇな」
「ありがとうございます」
「別に俺だって美味しい味噌汁くらい作れますけど」
「じゃあ今度は快の味噌汁飲ませろよ。いつでも飲む準備出来てっから」
「じゃあ明日作ってあげますね」
「おぉ。そりゃあ楽しみだな」
零斗と快くんがラブラブしている。
二人の周りにハートが飛んでいるように見える。
「ん! 陽雅さん。この卵焼き、めっちゃ美味いです」
「そう?」
「はい。毎日食べたいくらい美味しいです」
恭也がニコッと笑う。
「そんなに嬉しそうに俺のご飯食べてくれて、嬉しいな」
そう言って微笑み返すと、恭也の頬が赤く染まる。
「なんか照れちゃいます」
恭也がそう言った時、リビングの扉が開く。
そして、泰輝が入ってきた。
泰輝は不思議そうに俺達を見つめる。
「泰輝、おはよう」
「おはようございます」
「おぉ。泰輝。お前も食うか?」
「要らないです」
泰輝は零斗にそう返した後、恭也を見つめる。
「なんで恭也くんがいるの?」
「実は昨日の祭りで付き合ってさ。そのまま快くんも一緒に泊まることになって」
「…そうですか」
泰輝はそう言った後、快くんと零斗を見つめる。
俺が気にせず朝食に手をつけると、視線を感じ、目を向ける。
泰輝は俺と目が合うと、サッと目を逸らした。
「じゃあ、顔洗ってきます」
「うん」
わざわざ報告することでもないのに。
俺は不思議に思いながらも、朝食を食べた。
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第40話、読み終わりました…🌙 「これからは恋人としてよろしくね」って、陽雅さんの言葉がすごくあたたかくて、契約書を捨てるシーンと重なってじんときました。力の話も出てきたけど、それ以上に朝ごはんのやりとりが日常っぽくて、恭也くんが幸せそうで、こっちまでほっこりしました。 快くんと零斗さんのラブラブっぷりも相変わらずで、笑っちゃいますね🤍 泰輝くんの最後の視線、ちょっと気になりました…続きも楽しみです。