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近くの病院を訪れ、血液検査を行うことになった。
診察室の椅子に腰掛ける楓の体は、大人の椅子に対してあまりにも小さく、軽そうに見えた。
しばらくして、医師が静かに書類を見つめながら切り出した。
「結果から見て、そうですね……。小学生の平均から見ても、数値が少し少ないみたいです。一度、このまま様子を見てみましょう」
まだ決定的な病名は告げられず、経過観察となった。楓は(ほら、病気じゃないじゃん)と心のどこかで安心していた。
しかし、本当の恐怖はその後にやってきた。
運悪く、流行りの夏風邪を引いてしまったのだ。高熱にうなされ、体力を激しく消耗した楓の体は、ついに限界を迎えた。
「うっ……、げほっ……!」
風邪がきっかけで、胃が食べ物を受け付けなくなってしまった。
(痩せよう)なんて気持ちは、もうサラサラない。お父さんもお母さんも泣きそうな顔で心配している。自分だって、みんなを安心させるために「食べなきゃ」と思っている。
なのに、お粥を一口すするだけで、激しい吐き気が襲ってきて、どうしても吐き出してしまうのだ。
「なんで……? 食べたいのに、出ちゃう……。助けて……」
トイレの床にへたり込み、涙を流す楓の体は、さらに一段と痩せ細り、まるで枯れ木のようになってしまった。
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