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岩ちゃんすげぇ何となくでこうなるってわかるの凄い 及川さんも逃げる選択じゃなくて助けを求める選択ができるようになったの✨天才(▭-▭)✧✨
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及川視点
「徹、どうしたの?おかしいわよ」
母さんの声は不気味なくらい静かで、
怒鳴られるよりもずっと怖かった。
「俺は…普通に生きたいだけだよ」
言った瞬間、胸がスッと軽くなった気がした。
でもその後に来る静寂が、身体の芯を冷やした。
「徹、あなたは普通じゃないの。だから私が指導してあげているのよ」
“普通じゃない”
何度も耳にした言葉。
ずっと刺さって、ずっと痛かった。
「そう、かもね」
「でも、、」
母さんはため息をつくように首を振り、
俺の肩に手を置こうとした。
その手が触れる前に、俺は一歩後ろへ下がった。
「触らないで」
母さんの表情が一瞬で固まる。
怒りでもなく、悲しみでもなく、
“想定していない状況”に戸惑った顔。
「徹…あなた、最近変よ」
「変になった理由、母さんは知らないんでしょ」
「なにを――」
「母さんが知らないだけだよ」
胸の奥の言葉が、堰を切ったみたいにあふれた。
「岩ちゃん、まっつん、まっきー、部活のみんなだって俺のこと心配してくれてるのに、母さんは何にも見てくれないじゃん」
母さんの眉がピクリと動く。
「徹。あなたは、周りの子より優れていないといけないの。“普通”なんて求めるな」
その言葉に、背中がじんと痺れた。
「もう…無理だよ」
その一言を、初めて母さんに言った。
母さんは固まったまま、俺をじっと見る。
怒りを隠すでもなく、涙を見せるでもなく、
ただ無表情に。
「徹。あなたがどうしたいかは関係ないのよ」
その言葉で、何かがプツンと切れた。
ここにいたら、俺は壊れる。
今日じゃなくても、近いうちに。
頭の中に浮かんだのは――岩ちゃんの顔。
あの玄関で、俺のためについた小さな嘘。
学校で言ってくれた「関係あるだろ」の言葉。
部活で、いつも隣にいてくれたこと。
守られたいんじゃない。
ちゃんと、自分の足で立ちたい。
立つために、誰かの名前を呼んでいいんだ。
「…出てくる」
母さんが目を見開く。
「徹?」
「今日は…帰ってこない」
「どこに行くつもりなの?」
「…言わない」
言ったら止められる。
だから靴も上着も鞄も何も持たず、
そのまま玄関へ歩いた。
母さんは背中に向かって言う。
「徹!戻りなさい!」
振り返らなかった。
扉を開けた瞬間、
外の空気が冷たくて、
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桜空

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でもやけに自由だった。
家の前の道に、誰かが座っていた。
驚いた。
信じられなかった。
「……岩ちゃん?」
岩ちゃんは膝を抱えたまま、ため息をつきながら言った。
「遅ぇんだよ」
まるで、俺が出てくるのを知っていたみたいだった。
「なんで…」
「なんとなく、こうなる気がした」
なんとなくで夜の家の前にいるかよ、と思ったけど、
それが岩ちゃんらしくて、少し笑えてしまった。
「行くとこ、ねぇだろ」
「…うん」
「じゃあ来いよ」
手を差し出されたわけじゃない。
抱きしめられたわけでもない。
ただ一言。
“来いよ”
その一言が、俺を救った。
「…ありがとう」
小さく呟いて、岩ちゃんの隣に立った。
「松川ん家、今日誰もいねぇって言ってたから」
「え?」
「安心して寝れる場所のがいいだろ」
岩ちゃんの横顔が、街灯に照らされて少し赤く見えた。
俺は初めて、
“逃げる”じゃなくて
“助けを求める”っていう選択をした。
母さんの声は、もう聞こえなかった。
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