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1 - 『 お前が無理してどうすんだよ 』

♥

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2025年05月31日

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「おまえが無理してどうすんだよ」



『』: 通話越しの声

「」: リアルの声
















— 📢side.




深夜2時。


シクフォニのDiscordサーバーは静まり返っていた。活動の合間に編集作業をしていたらんの「オンライン」表示だけが、ぽつんと浮かんでいる。



──嫌な予感がして、俺はらんに声をかけた。



「らん? まだやってんの?」



『あーいるまか。大丈夫、あとちょっとだけ……明日の投稿には間に合わせたいし』

「ちょっとじゃねーだろ。今日、リハのあとそのまま帰ってずっとやってんじゃん。仮編集俺も手伝うって言ったのに」




らんは少し笑って、「いるまも忙しいでしょ」と小さな声で答えた。けれどその声はどこかかすれていた。




──数分後、通知がひとつ。




『LANがビデオ通話を開始しました』



「らん?」




画面が映ると、らんはデスクに肘をついたまま、うつむいていた。顔色が悪く、額には汗がにじんでいる。




「……らん、おい。聞こえてんのか?」




返事がない。




「──らん!!」




らんの体が、デスクから崩れるように倒れた。PCの前でぐったりしたまま、全く動かない。




「やべぇ……らん!? らん!! っ……マジでやめろって……!」




俺はすぐさまスマホを取り、共通のスタッフへ連絡を取った。らんの住所は知っている。らんの家にすぐ向かってもらう様に頼んだ。














数時間後、らんは病院に運ばれた。

診断は「極度の過労と脱水」。

無理な作業が続いたせいで、限界を迎えていたのだそう。


見舞いに来た俺に、らんは申し訳なさそうな顔を浮かべた。




「……ごめん、ちょっとだけやるつもりだったんだけど、気づいたら……」



「バカかおまえは」


俺の言葉に驚いたのか、らんは目を見開き顔を上げる。




「みんなでやるグループだろ。おまえひとりで背負って、倒れて、それで何がカッコいいんだよ。そんなん、リーダーじゃねーぞ」



怒ったような、震えた声で話を続ける。




「……ほんと、無理しすぎ。俺ら、おまえがいなきゃダメなんだからさ」




そんな言葉が俺から出てきたことが面白かったのか、安心したのかは分からないが、らんは安堵したような笑みを浮かべる。




「そっか……ちゃんと、頼っていいんだよな……」



「当たり前だろ。俺はおまえの相方だぞ。ってか、次編集終わってないのあったら俺に投げろ。また無理したら容赦なく手ぇ出すから」




らんの目がじわりと潤んで、枕に顔をうずめる。



──その日、らんは久しぶりに、ぐっすりと眠っ   た。 誰かに守られている安心の中で。
















たまに日本語おかしいかもしれないです…💦





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