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バレンタインって神行事だよね…
チョコ食べたい🙃
注意
nmmn
青桃
王道過ぎてごめん。
ーーーー
2月14日。
放課後。
教室の時計の秒針だけが、やけに大きく聞こえる。
みんなが帰ったあとの静けさのなかで、俺はまだ席に座っていた。
机の中には、小さな箱。
赤いリボンのついたチョコレート
――――渡すって決めたのに。
朝から何度もタイミングはあった。
でもそのたびに、まろの周りには誰かいて。
「はい、これ!」
「義理だけどね~」
なんて軽いノリで渡していく女子たちを、
少し離れたところで見ていた。
彼はその全部に、同じように笑って
「ありがとな」
そう言っていた。
俺のも、その中の一つになれるかな。
そう思った瞬間、怖くなる。
特別になりたいのに、
どうせ特別になれないなら渡さない方がいいんじゃないかって。
ーーーー
「まだ帰ってなかったん?」
その声に、びくっと肩が揺れる。
振り向くと、そこにはまろが居た
桃「え、なんで…居んの?」
青「ん?忘れもんしてさ、」
そう言って、当たり前みたいに自分の席に座る。
なんでよりによって…、今…
心臓の音が、さっきよりもずっと大きい。
青「ないこは? 」
桃「…ちょっと忘れ物。」
また嘘をつく。
まろは「ふーん」と軽く返しながら、鞄を持ち上げた。
そのとき、机の中にちらっと見えた赤いリボンに、まろの視線が止まった気がした。
青「今日さ、」
まろがぽつりと話し出す。
青「めっちゃチョコもらってん 」
桃「……知ってる」
見てたから。
なんて言えなくて、小さく目を逸らす。
桃「人気でいいじゃん。
モテてよかったね。 」
少し刺のある言い方になったのが自分でもわかった。
まろは一瞬黙って、それから苦笑した。
青「…別に、そうゆうわけちゃうよ」
桃「でも、いっぱいもらってんじゃん。」
青「まぁ…数だけは、な」
数だけ。
その言い方が、少し引っ掛かった。
桃「……嬉しくないの?」
思わず聞いてしまう。
まろは少し考えてから、静かに言った。
青「嬉しいけどな、でも―」
そこで言葉を切る。
桃「でも?」
青「一番欲しいのは、まだもらってないねん。」
その言葉に、心臓が止まりそうになる。
教室の空気が、一瞬で変わった気がした。
桃「………誰から?」
聞いた瞬間、しまったと思う。
聞きたくなかった答えだったらどうすんの。
自分の首を絞めるだけだ。
まろは俺を見て、少しだけ困ったように笑った。
青「ゆわんくても、わかると思うけど…」
桃「わからん」
即答してしまう。
怖いくせに、逃げられない。
まろは小さくため息をついて、
立ち上がった。
青「ずっと一緒におる人から」
近い。
距離が近すぎて、息が詰まる。
桃「それって…」
言葉の続きがて出てこない。
まろは、机の中にちらっと視線を落とした。
―――見られてる。
もう隠せない。
逃げ道がなくなる。
でも同時に、どこかで「今しかない」と思った。
震える手で、箱を取り出す。
桃「……これ」
声が小さすぎて、自分でも聞こえないくらいだった。
でもまろにはちゃんと届いたみたいで。
一瞬、目を見開いて。
それから、ふっと優しく笑った。
青「やっとくれた」
桃「やっと、って…」
思わず顔を上げる。
青「待っとったもん」
桃「え?」
青「朝からずっと、」
その言葉に、頭が追い付かない。
桃「なんで…? 」
青「ないこ、こうゆうの絶対最後まで悩むタイプやん?」
図星すぎてなにも言えない。
まろは少しだけ意地悪そうに笑う
青「やから、最後まで残っとるかなって思って」
桃「……見てたの?」
青「ちょっとだけ」
ちょっとじゃない気がする。
でも、その視線を想像した瞬間
顔が一気に熱くなる。
まろはチョコを受け取って、すごく大事そうに持った。
その仕草が、嬉しくてたまらない。
青「ありがとな」
その一言が、他の誰に向けられたものよりもずっと特別に聞こえた。
沈黙が落ちる。
でもさっきまでの気まずさとは違う、柔らかい空気。
窓の外はもう夕焼けで、教室がオレンジ色に染まっている。
まろがその光の中で、少しだけ真面目そうな顔をした。
青「じゃ」
桃「?」
青「これで、終わりにする?」
桃「え?」
青「このまま、”友達”のままで
ええの?って話」
その言葉に、胸が大きく跳ねる。
ずっと、一緒に居た関係。
変わるのが怖くて、踏み出せなかった距離。
桃「……ずるいって」
青「なにが?」
桃「そういうの、今言うの」
青「今ちゃうかったら、ゆわれへんやろ」
確かにそうかもしれない。
今日じゃなかったら、きっとまた何も変わらなかった。
俺は少しだけ息を吸って。
桃「……変わりたい」
そういった。
声は震えていたけど、ちゃんと届いた。
まろは一瞬、驚いた顔をして、それからゆっくり笑った。
青「じゃあ決まりやな」
桃「なにが」
青「ホワイトデー」
少し間をおいて
青「ちゃんとデートな」
一瞬、言葉の意味が理解できなくて、
理解した瞬間、顔が一気に熱くなる。
桃「…それって、」
青「そうゆーこと」
二人とも照れたように視線を逸らした。
青「愛してんで、世界で一番」
桃「甘すぎる。
情報過多で死んじゃう…」
そう言いながら手で顔を隠した。
夕焼けの中で交わしたその約束は、チョコよりもずっと甘くて、忘れられないものになった。
ーーーー
帰り道。
チョコは渡し鞄の中は空っぽなのに、心の中は、もう十分満たされていた。
そんな溶けるほど甘い恋をした。
『チョコを溶かす熱』
ーーーー
バレンタイン過ぎたのにね…笑
やっぱりチョコ食べたい。
じゃあね
コメント
2件
はわあ✨やっぱり最高です!もう本当書く小説だいすしです🫶🩷
初コメ 失礼 します !! ウェブログ なのが 惜しい … もっと いっぱい ♡ 押したかった !!! ( 泣 青桃 可愛い ( バレンタイン って いいですね … 、 非リア には 辛い ですけど (