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冬馬先生のマンションは、彼の性格を映し出したように無機質で
けれど恐ろしいほどに贅沢な空間だった。
オートロックの重厚なドアが閉まった瞬間
カチリ、と鍵が回る音が静まり返った玄関に響く。
「……今日から、ここがお前の世界だ。許可なく一歩も出ることは許さない」
背後からかけられた声は、病院でのそれよりも低く、甘い熱を帯びていた。
振り返る間もなく、私は壁と彼の大きな体の間に閉じ込められる。
「先生、まだ…荷物も整理してないのに……っ」
「そんなものは後でいい。……まずは、丸一日俺の視界から外れていた分の『検診』をさせろ」
冬馬先生は私の眼鏡を指先で外し、サイドボードの上に置いた。
視界がふわりと滲む。
そのせいで、至近距離にある彼の瞳の輝きだけが、異常なほど鮮明に焼き付いた。
「……結芽。お前、今日、廊下でまたあの男と目を合わせていたな」
「……佐々木先生のことですか?少し挨拶しただけですよ」
「言い訳は聞きたくない。……俺がこれほどまでに執着しているのに、お前はまだ外の空気を吸おうとするのか」
先生の指が、私の喉元をゆっくりとなぞり、そのままブラウスのボタンへと伸びる。
一つ、また一つと弾ける音が、夜の静寂に酷く大きく響いた。
「ひゃ…っ、先生、…冷たいです……」
「……冷たいのは、お前が俺に従順ではないからだ…もっと、俺という劇薬で、お前の芯まで熱くしてやらないとな」
彼は私を横抱きにすると、広大なベッドルームへと運んだ。
沈み込むような柔らかいシーツの上で、彼は私の両手首を片手で軽々と押さえつけ、逃げ場を奪う。
「……今夜こそ寝かせないからな」
耳元で囁かれる独占の宣言。
ドSな彼が見せる、狂気にも似た情熱。
私は、自由を奪われた恐怖よりも
彼の一部として完成されていく悦びに、ただ甘く身を委ねるしかなかった。
「……あ、……せん、せい……、とうま、せんせ……っ」
名前を呼ぶと、彼は満足げに目を細め、獲物を喰らう獣のような美しさで私の唇を塞いだ。
豪華なマンションという名の「檻」。
その中で、私は彼なしでは息もできないほど深く支配されていくようだった。