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彼が出てったあと、鍵を直ぐに閉めて 、足から崩れるように座った。
あんなに言わなくても良かったじゃん、何してんの俺、自分に嫌気が差して、大嫌いで、
どんどん嫌いになって、もう大嫌いだとどうして俺は、そう考える日々も増えていって、
そのたんびに失敗して、その繰り返しで、
「 最低じゃん 、寄り添ってもらったのに 、泣」
「なんで俺はいつも 、こうなっちゃうんだよ、泣」
独り言を呟き、涙を拭った後に 、立ち上がり、風呂に入ることにした 。
服を脱ぎ 、風呂場に入った 。小さなスピーカーに電源を入れ、音楽を流した 。
風呂に入る時は 、音楽を流す。その時が1番 、落ち着く 。
体も、髪も、顔も、洗って 、湯船に浸かった 。
湯船に浸かると 、何故か 、泣けてしまう 。
これはきっと 、音楽のせいと自分を騙してきたけど 、本当の意味を俺は、分からない 。
なんで泣けてしまうんだろう。泣きたくないのに 。
俺は普通じゃないんだよね、そうなんですよね？
母ちゃん、俺は、本当に人間なの？本当は人間じゃないのかもしれない 。
人間に 、なりたかった 、
本当は、人間に化けて、でも戻し方が分からず、記憶を消して、人間として生きることを決めたのかもしれない 。
本当は、これも、誰かの記憶でしかなくて 、俺の今までの記憶は、誰かの記憶なのかもしれない。
本当は、俺の記憶じゃないかもしれない。
本当は、本当は、みんな、オレの夢の中なのかもしれない、
妄想なのかもしれない 。でもそれを否定する根拠なんてないんだから、
そうなのかもしれない 。否定が出来ないんだから。
俺だって、みんなだって、生きてるって言う保証はないんだから。
生きるってどうやって分かる？心臓が動いてたら生きてるの？物理的にはそうかもしれない。でも、
本当は生きていないのかもしれない。
全て 、妄想だとしたら、嬉しいような、悲しいような 、、寂しいような 、
笑って、喜んで、泣いて 、怒って 、憎んで 、その気持ちも、無かったことになる。
思い出も、本当は存在しないものとされたら、
寂しいな。そう考えてるから涙が出るの？
風呂から上がって、体の水分を拭き取り、服を着た。
髪の毛を乾かすなんて面倒くさくて、いつもやっていない。その度に母親に「乾かさないと風邪ひくよ」と注意されるも、「いい。」と、聞き流していた。
親不孝者だ。ドアを開け、廊下に出ると、さっきとは違う空気が流れた。床は少し冷たく感じた。空気も、少し、冷たく感じた。それはきっと、
風呂上がりだからなのだろう。
俺が変わったんだ。
部屋に着くと、冷房がつけっぱなしだったせいか、ひんやりとした、先程の廊下とは全く違う、冷たい空気が俺を包み込んだ。
「寒、」と呟き、ベッドに飛び込んだ。
完全に寝たきり状態だった。
ろくに動かず、布団に潜り込んで、だらだらとすごした。
人生無駄にしているようなものだ。
どうしてこうなってしまったのだろう、きっと、
あの時からかな、と心当たりがあった。
きっとこうはならなかったのに、
俺が変わってしまったせいで、
俺は、彼岸花の写真を眺めぼんやりと記憶の中に入り込んだ。
異変があったのは、日差しが暖かく、桜の匂いが町中を包み込む頃からおかしくなった。
いつなのかは忘れた。
ある日、場地さんと集会に向かってる最中に見つけたマリーゴールドが、悲しそうに下を俯いて涙のように雫が着いていた。雨なんて、最近降っただろうか、
「泣いてる、」そう呟くと彼はその声に反応して、
「誰が？」と尋ねた。俺は
「独り言ですよ。マリーゴールドが泣いていたんです」
そう答えると彼はふっと鼻で笑い「なんだそれ。」と笑った。
集会について、総長のマイキーくんが話し出す。
「みんな、よく来てくれた。」
マイキーくんは凄い 。カリスマ性が強く、誰もが従い、彼を尊敬した。彼に楯突くものは、彼の蹴りで全てが終わる。
彼はまるで 、ガーベラのような存在だった 。
どうしよう
「俺らは今まで不良の時代を作るためにここまで来た。」
「だが 、たった先日 、参番隊と肆番隊が 、芽綺羅（ﾒｷﾗ）にやられた 。」
「負傷ふたつの隊をあわせて50名 、重傷者2名 、」
「死亡4名 、参番隊隊長行方不明 、肆番隊隊長 、副隊長 重傷で病院送りにされた」
「トラックで突っ込まれた。」
「ダチが傷つき 、二度と帰らねぇ人になっちまった。」
「こんな卑怯なことされて、失って 、」
その言葉にみんなは眉間に皺を寄せ 、拳を握りしめた 。彼の言葉で 、怒りが込み上げてきたんだ 。
落ち込んでいた参番隊も、肆番隊も、
今 、やる気を出させた 。たった言葉だけで、
彼の発した言葉で彼らを立ち上がらせた 。彼らの心を燃やした。
その言葉で全員が腹の底からの怒りを声に表し 、大声でその問いに答えを返した 。
コメント
5件
1コメ！千冬ちゃんは生きてるよ！！！
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