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第十八章「六人目の記憶」
王都フェルグラン・旧市街。
第二の試練を終えた十人は、古びた建物の前に集まっていた。
先ほどまで十本に分かれていた道は、試練が終わると同時に元の一本の道へと戻っている。
pe「…結局、あの『六人目』って何なんでしょうね」
peが呟く。
kyo「それな」
kyoが腕を組む。
kyo「黒羽の奴ら、わざわざ俺らに聞かせるように言うたんやろ?」
kr「たぶんそうだね」
krが答える。
kr「俺たちが反応することも分かってたんだと思う」
その言葉に、全員が黙った。
そして―
視線が一人に集まる。
「…」
リナ。
彼女は少し離れた場所で、旧市街の建物を眺めていた。
pe「リナさん」
peが声をかける。
リナ「ん?」
リナが振り返る。
pe「さっきの…」
リナ「…うん」
リナは少しだけ目を伏せた。
pe「『六人目は、まだ生きている』って言葉…」
pe「何か知ってるんですか?」
peが聞く。
リナ「…」
リナは答えなかった。
代わりに、旧市街の奥を見つめる。
リナ「この場所に来るの、久しぶりなんだ」
ru「久しぶり?」
ruが聞く。
リナ「うん」
リナが小さく頷く。
リナ「昔、ここでちょっとした事件があったの」
sn「事件?」
snが首を傾げる。
sn「何があったんですか?」
リナ「…封印に関係する事件」
その言葉に、krが反応した。
kr「封印…?」
リナはkrを見る。
リナ「krさんも、何か覚えてるんじゃない?」
kr「…」
krは答えられなかった。
頭の奥に、またあの記憶が浮かぶ。
幼い自分。
隣に立っていた、顔の見えない少年。
そして―
青白く輝く、封印の欠片。
『僕が守るから』
kr「…っ」
krが額を押さえる。
pe「krさん!?」
peが駆け寄る。
kr「大丈夫」
pe「でも…」
kr「大丈夫だから」
krは深呼吸する。
kr「俺…少しだけ思い出した」
rd「何を?」
rdが静かに聞く。
kr「昔、俺と一緒にいた奴がいた」
sn「…あの本に描かれていた?」
snが聞く。
kr「たぶん」
krが頷く。
kr「でも、顔も名前も思い出せない」
kyo「それが『六人目』なんかな?」
kyoが言う。
kr「分からない」
krは拳を握った。
kr「ただ…あいつは封印の欠片を持ってた」
kr「そして―」
リナが続ける。
リナ「その事件のあと、その子は王都からいなくなった」
全員がリナを見る。
ru「…リナ先輩」
ruが尋ねる。
ru「その子のこと、知ってるんですか?」
リナ「…」
リナは少し迷ったあと、静かに答えた。
リナ「知ってる」
ru「!」
リナ「でも、私が知ってるのは…ほんの一部だけ」
rd「じゃあ、名前は?」
rdが聞く。
リナは答えようとした。
その瞬間。
―バサッ。
黒い羽根が一枚、空から落ちてきた。
「…!」
十人が一斉に構える。
羽根は地面に触れることなく、空中で静止した。
そして―
黒い魔法陣が広がる。
『第三の試練を始める』
低い声が響いた。
kyo「またかよ…」
kyoがため息をつく。
『汝らが探す六人目』
魔法陣の中心に、映像が浮かび上がる。
幼いkr。
そして、その隣に立つ少年。
kr「…!」
krの目が見開かれる。
kr「こいつ…」
映像の少年が、こちらを振り返る。
顔は黒い影に覆われている。
しかし―
その手には。
青白い光を放つ、封印の欠片。
『六人目を探せ』
『その者こそ――』
映像が一瞬、乱れる。
そして。
『封印を完成させる者か』
『封印を壊す者か』
そこで映像が消えた。
「…」
静寂。
誰も口を開かない。
やがてpeが小さく呟く。
pe「どっちなんだよ…」
krは映像が消えた場所を見つめていた。
kr「…俺は」
拳を握る。
kr「俺は、あいつを探す」
rdが隣に立つ。
rd「俺も行く」
kr「rd…」
rd「ここまで来たんだ。今さら一人で抱えるな」
peも笑う。
pe「もちろん俺も!」
sn「僕も」
snが頷く。
リナ「私も行くよ」
リナも続いた。
trが拳を鳴らす。
tr「ならば全員で探せばいい!」
ru「話が早いな」
ruが笑う。
mdも頷いた。
md「オレモ…サガス」
cnは黒い羽根を拾い上げる。
cn「…こいつら、俺たちに何か探させたいみたいだな」
kyo「どういうこと?」
kyoが聞く。
cnは羽根を眺める。
cn「第三の試練って言っただけで、場所を指定してない」
rd「…確かに」
rdが考える。
rd「つまり、俺たち自身で見つけろってことか」
cn「そういうことだろ」
cnが笑う。
cn「面白くなってきたな」
pe「全然面白くないんだけど…」
peが苦笑する。
そのとき。
リナ「…待って」
リナが突然、道の奥を指差した。
kr「どうした?」
krが聞く。
リナ「今…あそこに何か見えた」
十人が一斉に振り返る。
旧市街の奥。
誰もいないはずの路地に―
黒い影が立っていた。
rd「…!」
rdが剣を抜く。
rd「全員、構えて」
影は動かない。
ただ、こちらを見つめている。
そして。
??「…六人目を探しているのか」
低い声が響いた。
krが一歩前に出る。
kr「お前は誰だ」
影は答えない。
代わりに、黒い羽根を一枚落とす。
??「その答えが欲しければ―」
影がゆっくりと後ろへ下がる。
??「古い時計塔へ来い」
pe「時計塔…?」
peが呟く。
次の瞬間。
黒い影は霧のように消えた。
残された黒い羽根が、地面に落ちる。
rdがそれを拾う。
rd「…第三の試練は、時計塔ってことか」
pe「行くしかないですね」
peが頷く。
krは時計塔の方角を見つめていた。
そして、隣にいるリナを見る。
kr「リナ先輩」
リナ「…何?」
kr「さっき言おうとしてたこと」
リナ「…」
kr「六人目の名前」
リナはしばらく黙っていた。
やがて―
リナ「…時計塔に着いたら話す」
kr「分かった」
krはそれ以上聞かなかった。
十人は時計塔へ向かって歩き出す。
─第十九章「」へ続く。
#日常組
Sora🫧🐋
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