サイド アミ
ダブルMから聞く事件の真実は、受け入れがたいものだった。今まで信じていたことがいきなり逆さまになった感覚に、私はただただ困惑していた。
「まだ私たちのこと信じられない?」
確か……キリ、が私の気持ちを察したように声をかける。
「悪いけど(考えをまとめたいから、)話しかけないで」
そう言った途端、お子様二人が嫌そうな顔をした。心なしかキリの笑顔も引き攣っている。
?どうかしたのかしら?
『別に今すぐ信じなくてもいい。今日はもう遅いからな』
スマホ越しにダブルMの声が聞こえる。確かに、もう空が暗くなってきている。
「……そうするわ」
どうせ、帰っても誰もいないのだけど。
『キリ、レン、ユメも拠点に急いで戻ってくれ。事故の手がかりを見つけた』
……え?今、なんて?
「どうやって見つけたの?」
『防犯カメラの映像調査だ。キノがタエのことを監視しながら調べてくれた』
「「あー……」」
「それが正解ですわね」
三人は、ダブルMの言葉に心当たりがあるようだったけど、私には何がなんだかわからない。
そんなことより、事故の手がかりのことで頭がいっぱいだった。
「どういうことよ、手がかりって……」
『まだ不確定な情報だ。詳しく調べてから俺らがお前に連絡する』
っ……知りたいことを、のらりくらりと後回しにしやがって……!
バッと私はキリの手からスマホを奪い取った。
「どんな些細なことでも私は知りたい!つべこべ言わずに教えなさいよ!!」
しばらくの沈黙、それから『分かった』と静かな声。
『とにかく、拠点に集合だ。なるべく急いでくれ』
「分かったわ」
通話を切った後、キリは私を案内するようにアスファルトの上を迷うことなく歩いていく。私とお子様二人もそれに続いた。
……やっと、復讐できる。
待ってて。お父さん、お母さん。
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