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「んんぅ……」
目が覚めた。もう随分と遅い時間だ。
「あ〜……ケータイケータイ………??」
手を動かそうとした時、身体が驚くほど動かない。
最初は縛られてる…いや、ひなたが乗っかってきてるのかと思ったが違う感じがした。
「……そうなら、悪趣味だなぁ……」
そうだと思うように考えていた。
だが、そんな考えも一瞬でかき消されたのだ。
「キシッ。」
ちゃんと聞こえた、その音は。
だがこの時間、丑三つ時は母はまだ起きている時間帯だ。
どうせトイレにでも向かったんだろう。
「グゴッ」
「うわッ…!?!?」
母か、ひなたか誰か分からないいびき?のような音がした。
思わず声が出てしまった。別に、声が出るのは良い。
今、やばいくらいの目線が来ている。
視界の端でとてつもない目で何者かが見ているのが分かる。
(やばい、怖すぎる、怖すぎる怖すぎる)
怖すぎて動かないのか身体は金縛りなのかひなたが乗ってるのか知らないが動かない。
もがいてみるがビクともしない。その間も何かはずっとこっちを見ている。
(ダメだ…心身ともにやられるわ……)
身体も硬直して、見つめられ続けて、ただでさえ精神的に疲れてるのにさらに追い込んでくるのはなんなんだッ!?
何も考えるな。
なにも、かんがえるな。
なにも─────────────
カー、カー
「んんー……は!!!!!!????」
目が覚めた。見たところ、もう夕方だった。
「は???マジかよぉお……」
ケータイを探す。
「お、あったあった……て、充電無い……」
最悪だ。本当に最悪だ。
悪い夢も見るし、おかしな時間まで寝るし。
「なんで充電無いんだよ〜…」
充電器を取り出したとき、部屋が目に入った。
「………………えぇ?????????」
酷く散乱した自分の部屋を見た。
有り得ない。誰が汚したんだ、と思った。
母さんか!?疑いたくないが、ひなたか!?
「そんなわけない!!!!!!」
何故か人を疑ってしまっている。
いや実際人だ。窃盗か!?不法侵入でもされたのか!?
「と、とりあえずケータイ充電…!!!?」
焦りでケータイに挿せない。
「な、んで、だ!!!あっ!!!入った〜……」
たったそれだけで安心した。
とりあえず部屋をもう一度見渡して、自室からでた。
「他は……びっくりするほど綺麗だ。」
自分の部屋があまりに汚すぎて、他の部屋や廊下がより一層の綺麗に見えた。
「何があったの……」
不安で潰されそうになるが大丈夫、私じゃない、と言い聞かせ何とか歩く。
「普通過ぎる」
本当にいつも通りのリビングが怖くなった。
ソファーも、机も、本当にいつも通りだ。
最近新しくしたカーテンも、全て。
「ダメだ、テスト前なのに、こんな……」
「流石に気持ち悪過ぎるよ」