刑事…それは時に命懸けだ
奪われた命…奪ってしまった命
常に死と隣合わせのこの仕事を…果たして楽しいだとかやりがいがあると望みそう考えるやつが居るのか。
いや、居なかったとしても…_未来のある子供からご年配の方までもが平和に暮らせる日々を…刑事は…俺は常に望んでいるものだ
ダレイ・パイレント
刑事である彼は久しぶりに病院から家へと帰り,そして_玄関の扉を閉める所
それは夜空に三日月が出ている夜の事だった
__退院おめでとう。_🍸🫧
(帰ってくるの久々だな…)
扉の鍵を閉めたのを確認し,ダレイは荷物を持ちながら家の中へと入っていく
リビングは以前と変わっておらずあの時のまま綺麗な状態でダレイを迎え入れた
(服…ボロボロだしな…)
以前,マイクを連れ戻しに行った際に着ていた服は毒ガスを含んでいる可能性があった為1部捨てた物もあればそのまま袋に入れて持ってきた物もある
しかしまた着ようという気力は無く、ダレイは服を袋に入れたままゴミ箱に捨てた
「気に入ってたんだけどな…」
髪の毛をかきあげると、不意にその腕に青色のブレスレットが着いているのに気が付いた
マイクの所有物だ。すっかり返すのを忘れていた
マイクはダレイと共に病院に入院していたが,ダレイが退院する前にマイクが先に退院してしまった
渡すチャンスは…あの時夜話した時だったか…
「…いや」
マイクの居所なんてひとつしか有り得ない
あいつが大事にしてるBAR…今度行くか。
流石に退院したばかりにカクテルなんて飲めない
「…風呂でも入るか」
外から帰った汚れを落とすために,ダレイは風呂場へと歩き出した
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風呂から上がり、タオルで髪を拭きながらリビングに戻ってきたダレイ
冷蔵庫から水入りペットボトルを取り出すと湯上りに飲み込む
「ふぅ…」
まだ眠くは無いがやることも特にない、退院したばかりの体を休ませるためにこのまま眠るか
ペットボトルを冷蔵庫に戻した時、インターホンがリビングに鳴り響いた
「…?誰だ?この時間に…」
リビングから出て廊下を進み…特に警戒した様子もなくドアを開ける
「!課長!?」
「ダレイ…退院おめでとう、調子はどうかしら?」
玄関に立っていたのはいつものスーツ姿とは違った完全にオフの格好をしたダレイの職場の課長だった
「体調は大丈夫です…課長はなぜここへ?」
「なぁに…お前が元気か見に来たのよ。それと、これも」
課長の手に持った大きな袋の中には野菜や米など食品が詰まっていた
「お腹すいてるでしょう??…何なら食べれる?」
お腹は空いてないが…グイグイと質問攻めの課長相手に断るのもなんだか申し訳ない…
「お気遣いありがとうございます。なんでも基本食べれます… 」
「…だそうよ…2人とも」
すると課長だけが見えていた扉が更に開かれ、ノアとレオンが出てきた
突然の登場に思わず驚くダレイを他所に、ノアはニヤニヤとしている
「おいダレイ!全部聞いてたぞ!幸せになろうなんざお前だけ抜け駆けは無しだ!」
「ノア…変な冗談は辞めなさい、お前だけよ、ここでそんなこと思ってるのは」
「そんな事ないっすよ!レオンくんも思ってるって!」
「ダレイ先輩、退院おめでとうございます。これはささやかな僕の気持ちです」
ノアの会話などに聞く耳すら持たずレオンは手元に持った大きな花束をダレイに差し出す
「あ、ありがとう」
「…とまぁこんな感じだ。2人ともお前を心配してるようでね…退院したら食事をと」
「そういう事だったんですね…普通に出てきてくれればいいものを…とりあえず中へどうぞ、何も綺麗になってないですけど」