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時は現代、死神と呼ばれる者共が集い自分の罪を償う場。死神総局中国支部、ここはこの世に生きる魂を回収.計算し悪霊を地獄に送る神が創設した魂循環機関なのだ。死神として働く者は皆自分の罪を背負い死神として魂を苅る、時に残酷な仕事だ。死神と課す者は全員が生前自ら命を絶ったことで天国にも地獄にも行くことが出来ず何十年と死神として勤めるのだ、さて前置きが長くなったがこの話は一人の少年の死神局悪霊転送課で働く物語。
少年の名は幽理、齢14歳で命を絶ち死神局悪霊転送課に配属された。今日は初出勤、クセのある髪をなんとか直し制服に着替えて家を出た。待ち合わせ場所に着くと誰もいない、おかしいと思いもう一度指定された場所と現在地を照らし合わせると現在地と反対の方向とわかった、集合時間まであと4分程。全力疾走して間に合うか怪しい、集合時間ギリギリに着き皆が集合して話しているところだった。一人背の高めの目を包帯で隠し謎の一つ目の様なマークが描かれてる少女がいた。どうやらこの人が幽理の上司に当たるらしい、仙華と名乗った少女は凛とした態度で告げた。「おいそこのアホ毛名前は」
幽理がいきなりで驚きつつ名前を答えると一瞬驚いた様な表情をしたのがわかった、その後各部署を目配り配属先が掲示板に貼られた。
その日のうちに幽理は仙華に連れられて死神局とは少し離れた別の建物に向かった。なにやら金属を叩く様な音が聞こえた、どうやら死神の専用武器職人が集う場らしい。仙華が一人に声を掛けた、「すみません、こいつの武器仕立てをお願いしたいんですが。」
聞いたことのない丁寧な口調で幽理は内心不思議だった。そこの職人は困った顔をして、「今年は武器の仕立てと修理の依頼が多くてすぐとなると鎌野郎になるよ。」
と暇そうに煙草を吸う男性に目線を向けた。幽理は仙華に向かって小声で話掛けた、「あの、なんであの人鎌野郎って呼ばれてるんですか?」
仙華の答えは意外とすぐだった「あの煙草吸ってる人、鎌しか作らないって有名だから鎌野郎なの。」
幽理は死神=鎌のイメージで他の武器も使うのかと密かに驚いた。結局幽理は鎌野郎に頼むことになった、暇だからと明日中に出来るとのことだった。魂循環講習が終わり用意された部屋に行った一人部屋のワンルームで普通に生活出来る様な作りだった。ベッドがあり倒れる様に横になった、一応明日は何も無い。明後日に仕事が始まる、幽理はそのまま眠りに落ちた。起きたのは意外と早かった、朝日が昇り辺りが明るく星が消え掛けた時だ。眠い目を擦りながら身支度をしたがまだ時間帯は早かった、仕方なく日用品が買える小売店に行った。特にめぼしい物はなかったので袋に入った飴を買い店を後にした、ちょうどいい時間になるまで暇を潰して鎌野郎の元へ行った。「鎌野郎さーん」
幽理が声を掛けると奥から出てきた、「訂正するが、俺の名前は鎌野郎じゃなく明反(メイホン)だ今度からはそう呼べ。あと鎌、出来てるぞ。」
受け取った鎌は刃の部分が大きく、まさにアニメで見る様な鎌でうまく扱えるか不安だった、考えながら帰路に着くと部屋の前に仙華がいた。どうやら一緒に鎌を受け取りに行くと思い待っていたらしい、幽理を一目見ると軽く舌打ちをし、「付き合え」
と言ったかと思えばどこかに歩いて行った。呆気にとられたが急いで跡を追う、そこは模擬戦闘が出来る広い部屋だ。仙華は二丁の銃を取り出し動く的に向かって発砲した、見事に的に当たり幽理の方に向き「お前もやって見ろ」
と言い的を新しく設置した、幽理は言われるがまま、的を切り着けた。
瞬く間に的が半分に割れていく、幽理はこれで良いのか分からず仙華の方を向く。相変わらず無口だ、だが一言ぽつりと「上出来だ」
とギリギリ聞こえる声量で言った。
その後各自部屋に戻り明日に備えた、ついに現世に行き魂回収が始まるのだ。
幽理は夢を見た、夏の入道雲を眺めながら誰かと木陰で笑い合う夢。