テラーノベル
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同居生活、一か月半。
休日の午後。
洗濯物を干し終えた照がリビングへ戻ると、辰哉がソファで何かを探していた。
💛「どうした?」
💜「鍵」
💛「家の?」
💜「うん」
ポケットもバッグも探した。
テーブルの下ものぞく。
でも見つからない。
💜「やばい……」
💛「最後に使ったのいつ?」
💜「昨日会社から帰ってきた時」
💛「じゃあ家の中だろ」
💜「そうだといいけど……」
二人で探し始める。
ソファの隙間。
テレビ台の下。
玄関。
どこにもない。
💜「終わった……」
💛「落ち着け」
💜「スペアある?」
💛「ある」
照は引き出しを開け、小さなキーケースを取り出した。
中にはスペアキーが一本。
💛「はい」
💜「いいの?」
💛「そのためのスペアだろ」
辰哉は受け取りながら、申し訳なさそうに笑った。
💜「ごめん」
💛「なくしたって決まったわけじゃない」
────────
それから一時間。
探し続けても見つからない。
💜「ほんとにどこいったんだろ……」
照は辰哉のバッグを持ち上げた。
その瞬間。
カチャ。
💛「……」
💜「ん?」
バッグの持ち手に、小さく鍵が引っ掛かっていた。
💛「ここ」
💜「え」
辰哉は目を丸くする。
💜「ほんとだ!」
💛「最初からそこにあったな」
💜「うわぁ……」
その場にしゃがみ込んで頭を抱えた。
💜「恥ずかしい」
💛「見つかってよかった」
💜「照、一時間付き合わせたのに……」
💛「別にいい」
💜「怒らないの?」
💛「見つかったから」
💜「優しすぎる」
💛「そうか?」
────────
夕方。
スーパーで買ってきたアイスを二人で食べる。
💜「今日は俺のおごり」
💛「なんで」
💜「お詫び」
💛「アイス一本で?」
💜「気持ちだから」
照は小さく笑った。
💛「じゃあ遠慮なく」
袋を開ける。
リビングには静かな時間が流れる。
ふと辰哉が口を開いた。
💜「照」
💛「ん?」
💜「ありがと」
💛「何が」
💜「鍵、一緒に探してくれて」
💛「同居人だから」
前にも聞いたその言葉。
でも今日は、少し違って聞こえた。
💜「……うん」
辰哉はアイスを食べながら、小さく笑う。
“同居人だから”
照はそう言う。
でも、その言葉の裏には、それ以上の優しさがある気がしていた。
一方の照も。
辰哉が笑っていると、不思議と家の中が明るく感じることに気付き始めていた。
まだ誰も恋とは呼ばない。
だけど。
二人の距離は、確実に少しずつ縮まっていた。
コメント
2件
きたぁぁぁぁ! 深澤くん、恋は言った方がいいぞ!!!!!
いやもう、めちゃくちゃいい距離感……「同居人だから」ってクールに言いながら、一時間一緒に探してくれる照さん、優しすぎますよ。それに辰哉くんの「気持ちだから」ってアイスおごる照れ方、愛おしすぎる。まだ恋って呼ばないけど、確かに縮まってる空気感が丁寧で、じわじわ来ました。次も楽しみにしてますね🤍
junp
2,250
絶対辰哉
268
#岩本照
絶対辰哉
3,054
3,449