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昨日、俺の好きな子が
“死んだ”
この世界には”神の子”という神からの御加護が付く者と、”神なし子”と呼ばれる神から何も授からなかった、神がいなくてもどうにかなる者の2種類に分かれる。稀に”神なし子”の中で死後神になる”神業(カミナリ)”そう呼ばれる元人間の神が誕生する。
神の御加護は早くて小学生高学年、遅くて高校中半あたりだと言われている。多くの者は中学生で神の御加護をいただく。
俺は中学2年の神なし子、武儀羅 篤志(ムギラ アツシ)だ。兄が高い位置に居る神の御加護を授かったため俺も期待されている。
「篤志!早くしないと置いてくぞ!」
「今行くよ!待ってろって!」
友達が俺を呼ぶ。俺は急いで移動教室の準備をした。
「そういやぁさぁー。聞いた?」
「何を?」
「あの人気女優が神と人間の子だったらしいぞ!まさかあの美しさは神の遺伝なんだなぁ。」
そういえば、人間と神との間に生まれた子供は一体何になるのだろうか。人か神か…。
「どうでも良くね?今多様性の時代だぞ?そんなこと言ってると時代に乗り遅れるぞ。」
「そんなこと知ってるし! あ、!お前の好きなのあそこで話してるぞ。」
「ほんとだ。」
「告れば?片思いキツイだろ。来年は受験なんだしさ。」
「告っても振られるだろ。他にもっとすげぇやつが仔白(コハク)を選んでくれるだろ。にしても可愛いなぁ。」
彼女は澌尽 仔白(シジン コハク)俺の初恋相手。だがわかっている。俺には不釣り合い。どうせ仔白はカッコイイ神を授かるだろう。そうなれば、神と婚約し、子供も。なんて妄想しながら、だけど、もし俺と仲良くなったら。そう思ってる。