テラーノベル
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⚠️M!LK、3080のBLとなっております。
おとぎ話の「赤ずきん」パロ的なものです。
🔞要素はまったく無いです。
地雷の方は今すぐブラウザバックすることを推奨します。
※今回、🩷の名前は出てきません。
※後半にいくにつれてパッと見、🤍が優位っぽく見えますが受けで書いているつもりです💧
強気な誘い受けなんだなーと思って見ていただければなと思います🙇🏻♀️
🩷→攻、『』
🤍→受、「」
深い、深い森の入り口に、その家はあった。
朝靄が木々の間を白く塗りつぶす時間。
窓辺に置かれた一輪の花が、まだ来ぬ太陽を求めてその首を僅かに揺らしていた。
「……よし。これで、準備はおしまい」
鏡の前で柔太朗は眉を下げて笑った。
今日は、森の奥で一人暮らしをしている祖母の元へ、お見舞いの品を届けに行く日だ。
柔太朗は、丁寧にアイロンがけされた、生成り色のリネンシャツに袖を通した。
その上には、どこか上品なニットベストを重ねる。
体に馴染んだ柔らかな編み地が、彼の細身のシルエットを優しく包み込み、清潔感を際立たせていた。
ボトムスのベルトを締め、裾のシワを丁寧に伸ばす所作には、彼の育ちの良さが表れていた。
そして仕上げに、鮮やかな「赤ずきん」を羽織る。
それはまだ幼かった頃、祖母が「森の中でも迷子にならないように」と作ってくれた、大切なベルベット生地の赤ずきん。
フードを被ると、柔太朗の陶器のような白い肌がその鮮烈な赤に引き立てられて、どこか幻想的な美しさを放った。
「ちょっと目立ちすぎるかな。でも、おばあちゃんが見つけやすいもんね。」
柔太朗は、満足げに鏡の中の自分に頷いた。
キッチンへ向かい、大きなバスケットを手に取る。
中には、焼きたての蜂蜜をたっぷり練り込んだマドレーヌと、おばあちゃんの大好物である年代物の赤ワイン。
ふわりと漂う蜂蜜の甘い香りに鼻をくすぐられ、柔太朗は上機嫌で家を出た。
村の外れ、深い緑が濃くなる境界線。
そこには、銃を肩に担いだ狩人のおじさんが立っていた。
「おや、柔太朗じゃないか。……またおばあさんの所へ行くのかい?」
「あ、おじさん。おはようございます。これ、届けに行こうと思って」
柔太朗がニコニコとバスケットを見せると、おじさんは苦り切った顔で、彼の赤いずきんに目をやった。
「……柔太朗。最近、森の奥に恐ろしい狼が出るって噂がある。
艶のある毛並みに獲物を射抜くような鋭い瞳を持った人喰いの怪物だ。
そんな真っ赤な格好で歩いてたら、奴の餌食になっちまうぞ」
村人達誰もが震え上がるような忠告。
だが、柔太朗は「ふーん」と、どこか他人事のように首を傾げた。
「大丈夫ですよおじさん。俺、足は速い方ですし……それに、おばあちゃんが待ってますから」
「おい、冗談じゃないぞ! 狼が出たらどうするつもりなんだ!」
「うーん……。もし会ったら、おばあちゃんのマドレーヌ、一つくらいなら分けてあげてもいいですし、仲良くできたらいいですよね。」
「……はぁ、お前ってやつは……」
おじさんは呆れ果てて、言葉を失った。
あまりに無防備で、悪意というものを知らない。その危うさに、おじさんは溜息を吐いて道を譲るしかなかった。
「……絶対に、絶対に、だ。道から外れるなよ。いいな?」
「はい! 行ってきます!」
柔太朗は元気よく手を振ると、迷いなく森の奥へと踏み出した。
境界線を越えた瞬間、空気が一変する。
(……狼さん、本当に出るのかな。)
柔太朗は鼻歌まじりに、赤色の外套を揺らして歩いていく。
バスケットの蓋から漏れ出る甘い匂いを森の奥へと振り撒きながら。
カサリ、と後ろで落ち葉が鳴る。 柔太朗はふっと立ち止まり、不思議そうに振り返った。
「……? 鳥さんかな」
柔太朗は、少しだけフードを後ろにずらした。
その時、ずきんの隙間から、白く柔らかな首筋が露わになる。
彼はただ周りを見渡そうとしただけなのだが、その動作はなぜか見る者を惹きつけて離さない妖艶さを孕んでいた。
「…もし、狼さんがそこにいるのなら、出てきてもいいですよ?」
誰に言うでもなく、にこと微笑む。
その瞳は澄み渡っているが、その唇からこぼれる言葉は、無意識のうちに相手を誘い、絡め取るような響きを持っていた。
一つ一つの振る舞いの端々に、彼自身も気づいていない妖艶さが混ざる。
(……なんだか、誰かに見られてる気がするんだけどなぁ。)
柔太朗は、自分の唇を指先でそっとなぞりながら、森の奥を見つめた。
その仕草は、獲物としてではなく、まだ見ぬ捕食者を静かに待つ「罠」のよう。
緋色の赤ずきんは、深い緑の檻の中で、静かに、そして危うく燃えていた。
森の深淵は、陽光さえも拒絶するような重苦しい静寂に支配されていた。
柔太朗は、足元に広がるシダの葉をブーツで踏み締めながら、一歩、また一歩と森の中心へと進んでいく。
赤色の外套が、湿った緑の背景の中で、まるで見せつけるように鮮烈に揺れていた。
「あ、あそこに綺麗な花が咲いてる」
柔太朗は道から外れた茂みの奥に目を奪われ、吸い寄せられるように足を踏み入れた。
祖母への届け物も忘れ、ただ目の前の美しさに手を伸ばそうとした、その瞬間だった。
――ガサリッ!
背後の茂みが大きな音を立て、巨大な「影」が躍り出た。
凄まじい風圧と共に、柔太朗の細い体が地面に押し倒される。
「っ!」
背中に伝わる土の冷たさと、胸元にのし掛かる圧倒的な質量。
目の前には、村人が恐れていた「怪物」がいた。
逆立った毛並みに、獲物を射抜くような鋭い瞳。
むき出しになった牙からは熱い呼気が漏れ、柔太朗の顔を直撃する。
狼だ。
狼は数時間前から、この「赤い獲物」を狙っていた。
甘い蜜の香りと、無防備すぎる首筋。
空腹と本能が、今すぐその細い喉笛を食い破れと咆哮している。
『ようやく捕まえたぞ、ガキ。一思いに喰ってやるからな』
狼の低く、地響きのような唸り声が柔太朗を威嚇する。
鋭い爪が柔太朗の肩に食い込み、リネンシャツを僅かに破った。
だが、柔太朗の反応は、狼の想像を絶するものだった。
「わあ」
柔太朗は、恐怖に震えるどころか、パチパチと瞬きをして、目の前の「怪物」をじっと見つめた。
そして、ふわりと花が綻ぶような笑顔を浮かべたのだ。
「すごい。狼さん、格好良い毛並みだね。
…ねぇ、少しだけ、撫でてもいい?」
『…は? ふざけんな! 俺は狼だぞ! 人喰いの…!』
「うん。でも、とっても暖かそう。おじさんが言ってた通り、艶々だね。」
柔太朗は、うっとりと目を細めながら、狼の耳元に指先を滑らせた。
その柔らかな指先が触れるたび、狼の身体に、今まで感じたことのない奇妙な熱が走る。
『離せっ、、!』
狼は牙を剥き出しにして唸るが、なぜか噛み付くことができない。
柔太朗は怯えるどころか、自分の首筋を隠していた赤色のフードを、自らの手でゆっくりと、さらに深く押し下げた。
日光にさらされた白く柔らかな喉元が、狼の牙の目の前で、無防備に、そして挑発的に晒される。
「ほら、どうぞ? 食べたいんでしょ」
『っ!』
「早く食べなよ。それとも、俺の事が怖いの?」
柔太朗はにやりと、最高に意地悪な笑みを浮かべた。
その瞳は、喰われる側の恐怖など微塵も感じさせない。
むしろ、牙を立てられない狼の動揺を心底楽しんでいるようだった。
「お腹、空いてるんでしょ。ほら、噛んでみてよ。」
柔太朗は指先で自分の首筋をなぞり、そこに狼の鼻先を強引に引き寄せた。
『っ……くそっ』
狼は、牙を立てる代わりに、柔太朗の首筋に顔を埋めた。
その瞬間、巨大な狼の姿が霧のように揺らぎ、縮んでいく。
柔太朗の首筋に触れたのは、鋭い牙ではなく、熱い体温を持った「人間の唇」だった。
「………えっ?」
柔太朗がパチパチと瞬きをして視線を下げると、そこには狼ではなく、一人の青年がうずくまっていた。
逆立った黒髪、鋭い瞳、
そして……狼の爪で引き裂かれたのか、ボロボロになったパーカー。
「えぇ、人間になっちゃった。……しかも、服、ボロボロだね」
『っ…、ありえねぇ。なんで、…お前なんか、一口で……』
その人狼は柔太朗の首筋に顔を埋めたまま、悔しそうに、けれど甘えるように喉を鳴らした。
喰うべき獲物を前にして、牙を収めてしまう。
誇り高き人狼が、一人の赤ずきんに完敗し、ただの忠犬のように甘えてしまった瞬間だった。
「んふふ。いい子だね」
柔太朗は、自分を押し倒したままの人狼の髪の毛を、勝者の余裕で優しく撫でた
以上となります、、、!
書き溜めてたものなのですぐに続き出ると思います!
コメント
2件
最高じゃないですか👍🤍ちゃんの前で弱気になるの好きです🫶