俺がおんりーチャンの左手を掴んでから少し間があった。その間も車は動かないまま
「ぼん先生っ、…」
2度目の俺の名前を呼ばれた、俺が聞いたことの無い震えた声で
「前に言いましたよね?自分は父さんの最後の面会に行けなかったって…」
「うん、」
勿論、覚えているよ
「きっと…母さんと話せるのはこれが最後だと思うんです…だからっ!」
おんりーチャンの言葉が次第に力強くなっていった
「もう2度とあんな後悔はしたくないんです!!母さんに会えるのなら自分の1年の寿命なんてどうだっていいんです!」
それじゃぁ…おんりーチャンにとって自分の寿命1年よりも価値がある人が多すぎるよ
そう言いたかった、でも…今この場で言うのは間違っている
色んなクラクションが鳴り合いながらも沈黙をまた打ち消したのはおんりーチャンだった
「ごめんなさい…」
おんりーチャンの片目から涙の水滴が1粒頬をつたっていた
「えっ、待っ!、…」
俺が言った頃にはおんりーチャンの姿はもうそこにはなく
俺がおんりーチャンの手首を握っていた手は空気を掴んでいる状態になっていた
これでまた君の1年は減った…
❤️2000
コメント
1件
おんりーぃぃぃ(;;) 続き楽しみです(((o(*゚▽゚*)o)))