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全身にたぎるこの力…
この世の全てが私の元にある…
心地がいい…
この腹の底からくる、ゾクゾクとする感覚…
地面は割れ、揺れ動き、空気は台風のように彼女から吹き荒れていた
森羅万象、この世の全てにおいても彼女を表すに相応しいものなんて思い浮かばなかった
そんな彼女を前にして、フリアは泣いていた
そして、
笑っていた
…は?
なんだこいつ…気持ち悪…
「死ねよ」
少女は一人で泣き笑うフリアに襲いかかる
危機的状況に本能が回避しろと何度も号令を出す
だがフリアは立ち尽くしたままだった
ハハっ…
そうだ…それでいいんだ…
これで全てが終わる…解放されるんだ…
僕は…救われたんだ…
嬉々として目の前に訪れる死に身を委ねるフリアはフラッシュバックに陥った…
〜数年前〜
目の前で女性が泣いてる…
かあ…さん…お母さん…
毎晩のことだ
母は意味もなく、ただただ泣いていた
そんな姿を見ていると心が苦しくなった
息ができなくて、きゅーっと締め付けられる心地で
幼い僕には「力」がない
だから救うことができなかった
この数年来、母の心は虚空のようだった
それもこれも全て「彼」に起因したこと
僕はその事実に絶望していた
なぜなら
彼は私の実の父なのだから
あぁまただ
また親が喧嘩してる
あ、今殴った
父が母を殴った
でもまだ泣きながら母は何か訴えかけてる
僕には内容はわからない
ただ
悲しいな
「フリアのことはどうするのよ!あなたそーやってまた放棄するの?いつも逃げてばっかであの子に何一つとして向き合わないじゃない!」
「俺は知らない」
「知らないって…あなたは仮にも父親でしょ?」
「俺は知らない」
「ねぇ!ちょっと待ってよ!」
あぁ、どっかへ行っちゃった
あれ、なんでだろ涙が止まらない
とても苦しい…つらい…きつい…
誰か…助けて…