うーん……頭がついていかない……ちんちくりんデブが言っていることもそうだけど、ルイの件についても頭がついていかないんだよねぇ…私は頭を抱えた。同時に、少し胸が痛いような気もした。だって、信頼していたルイがそんな感じだったなんて……私があれこれ考えていると、お腹に激痛が走った。ちんちくりんデブが私に蹴りをいれたのだ。そして甲高い声で叫んだ。
「エナ!あなたのことは許さないわ!この汚らしい人間め!この!このっ!」
っ…!慣れているけど、ハイヒールでやられたら流石に無理……誰か、助けて……
「エナ!大丈夫?!」
人影が見える。誰かが来てくれたんだ……!え、まって。この声はもしかして……
「る、ルイ様っ!ヴァネッサでございますわ!あなたの婚約s……」
「誰がお前の婚約者だと言った。」
「ふぇ?」
「お前の事を愛したことは一度もない。人のことをバカにするし、おまけに暴力もふるった。どういうことだ?!しかもエナは俺の婚約者だ!どういうつもりだ!」
これが……ルイ?なんかいつもと雰囲気が違う。いつもは普通の声なのに、今は低い声で怒鳴っている。どうしたの?
「るるるるるるるるるるるるるるルイ様っ!わわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ私は、単に……!」
ヴァネッサさんが焦りながら言おうとするが、ルイがその言葉を遮るように、
「言い訳は無用だ。とっとと視界から消えろ。」
と、鋭い目つきで言った。ヴァネッサさんは歯を食いしばり、今にも泣きそうな顔で、
「は……い……」
と答えた。なんだか、悪いことをしちゃったのかな?私はルイをジッと見つめる。その視線に気付いたのか、ルイは哀しそうな目でニコリと笑う。この2人の間で何か過去があるんじゃないのかな?私は疑問に思う。そしたら、ルイは私の髪をそっと触って、
「ごめん、エナ。嫌なところ、見せちゃったよね。今日はもう話さないようにしよう。僕がエナに何かをしちゃうかもしれないから……」
ルイ……本当に、どうしたのかな?私は心配する。ルイはやっぱり哀しそうな目で笑っている。胸がズキズキ痛む。私は口を開いた。
「ねぇ、ルイ。話くらいならきk」
「嫌、大丈夫。大丈夫だから。」
まるで自分に言い聞かせるように何度も大丈夫とルイは繰り返す。これは……絶対大丈夫じゃないね。私が探りをいれなくっちゃ!
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