文スト びーえる カップリングの朝 。
太中
「 … ん 」
目を覚まし、体を起こすと、一緒に寝ていたはずの中原中也は姿を消していた。その代わりと言わんばかりに、リビングからは家庭的な調理する時の音が聞こえてくる。私は目を擦りながらベッドを降りて、音のする方へと進んだ。眩しい光と料理のいい匂いに包まれるリビングはとても暖かくて心地が良い。寝ぼけながらキッチンに立っている恋人の後ろから抱きついた。
「 中也 、 」
「 あ ? 」
「 いい匂いだね ぇ 」
「 手前が 昨日 作れっつったンだろォが 」
中也の左手に握られたフライパンの中には丁度よく焦げ目がついたフレンチトーストがじゅ〜っと音を立てて焼かれていた。甘い匂いの正体はこれ。昨日、仕事を頑張ったご褒美にフレンチトーストを所望したら、ちゃんと作ってくれたらしい。昨日は「断る」なんて言っていたのに。私の恋人はこういうところが可愛いのだ。首筋に優しく口付けると、中也は小さく肩を揺らした。
乱ポオ
「 … んん 、 ぁ … 」
目を覚ますと目の前には嬉しそうに笑う乱歩君の顔がドアップで眼に映された。思わず離れようとするが、乱歩君は駄目、と言わんばかりに吾輩の腰に手を回す。昨日もしていたせいか、身体は吾輩の意思に反して大きく肩を揺らした。
「 まだ 身体 敏感なの ? 」
「 っっ 、 乱歩君が あんなに 激しくするから … っ ! 」
「でも、気持ちよかったでしょ?」と悪戯好きの子供のような笑みを浮かべる乱歩君に吾輩は何も言えなくなってしまうのである。乱歩君は嬉々とした表情で吾輩に抱きつくと、頭を擦り付ける。そして眠いのかうとゞと頭を揺らし始めた。その様子はとても可愛らしくて、改めて乱歩君は狡いなぁと吾輩は思うのである。乱歩君の背中を優しく同じスピードで叩くと、乱歩君は静かに寝息を立てる。吾輩はその様子に微笑むと、聞こえてないであろう君に呟いた。
「 大好きであるよ 、 乱歩君 」
ニコドス
「 ん … 、 」
目を覚ますと、窓から眩いほどの日光に照らされ、再び目を瞑った。目元を軽く擦りながらカーテンを閉めて、体を起こす。すると、後ろから服を軽く引っ張られた。振り返るとそこには愛しい恋人のニコライ・ゴーゴリが矢張り眠そうに目を擦りながらぼくの服を掴んでいた。
「 ドスくん … 、 やだ 、 」
「 別に 何処にも 行きませんよ 。 只 起きるだけ です 」
そう伝えても、彼はぼくの腰に腕を回し、再びベッドに引っ張り込んだ。抵抗しようとしても貧血気味のぼくじゃ、敵わない事は知っているので、特に抵抗なんてすることなく、ベッドに横になった。ぼくの恋人は普段から飄々としているくせに、ぼくと二人でいる時はかなりの寂しがり屋と変化する。さすが道化師と言ったところだろう。彼は猫のようにすりゞとぼくに頭を擦り付ける。その綺麗な白い髪を撫でてやると、彼は満足気に口元を綻ばせた。
いつもはnrkrしてるんすけど、何となく書きたくなったんで書きました。
もし好評なら第2弾やる、かもです。
じゃあ、ばい、
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