※注意※
※ウィンブレのひいさこです
※下手くそだと思います
※上手く纏まってない可能性大
※地雷・解釈違いはUターン推奨
上記オーケーならどうぞ!
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俺は今、公園である人と待ち合わせをしていた
いつもは誘われる側だが今日は珍しく俺から呼び出したのだ
こういうことには相変わらず不馴れなため同じ場所をいったり来たりしている
じっとしててもいいはずなのにそうするとどうしても落ち着かなく立ってるしか選択肢がなくその場で右往左往を繰り返す
柊「悪い佐狐…待ったか?」
佐狐「いえ!俺も今来たところなので気にしないでください!」
柊「そうか?頬赤くなってるけどな…あ、これ使えよ」
そう言って柊さんはつい先ほどまで自分が使っていたマフラーを差し出してきた
俺は慌てて断る
佐狐「だ、大丈夫ですって…それに柊さんの物を借りるなんて恐れ多いというか…申し訳ないというか…今日は寒いんですから…」
柊「だからだよ…後輩に風邪引かれるのは俺が嫌だからな、たまには先輩らしいことやらせてくれ」
苦笑しながら優しく俺の首にマフラーを巻く柊さん
マフラーは先ほどまで柊さんがしていたということもあり相手の温もりも感じた
柊「それで?わざわざここまで呼んで聞きたいことって?」
佐狐「いきなり呼んでしまいすみません…あの…予定とか平気でした?」
柊「それは大丈夫だ…そんで?俺に答えられることなら何でも答えるが…」
佐狐「答えがあるかどうかはあれなんですけど……」
これは俺の最近のある悩みであって多分だが答えはないだろうけど…聞いてみたかった
答えがもらえなくても話だけでも聞いてもらおうと思った
話してるうちに答えが見えてくるかもしれないからだ
それにーー
佐狐「先輩と後輩の正しい距離について知りたくて…」
柊「先輩と後輩の正しい距離?」
佐狐「すみません…変なこと聞いてしまって…」
柊「いや…別に変なことじゃねぇからいいけど…なんで急にそんなことを聞きたいんだ?」
佐狐「実は…つい最近俺に後輩ができまして」
柊「そうなのか、お前もついに後輩を持つようになったのか…大変か?」
佐狐「大変というか…」
ここ最近のことを思い返してみる
犬上「佐狐さん!どこ行くんすか?俺もついていきます!」
犬上「佐狐さん!見廻りすか?俺も連れていってください!」
犬上「佐狐さんは今度の休日暇ですか?よかったらどこか一緒に行きませんか?」
大変どころか……
行くところ行くところ着いてくるもんだからなんというか…
距離が思いの外近すぎるような気もする
もっと適切な距離というものがあるような感じがして悩んでいた
佐狐「後輩ってなんで行くところ行くところ着いてくるんでしょうかね?」
柊「お前の後輩はそういうタイプか?」
佐狐「はい…俺のことを見かける度に近寄ってきてどこでも着いてくるんですよ…休日まで着いてくるとか…」
柊「結構信頼されてるし…お前のこと知りたいのかもな、純粋に」
柊さんは俺を褒めるように優しく頭を撫でてくれた
これが先輩と後輩の正しい距離なのではないだろうか…
佐狐「今の話聞いてどう思います?距離が近いと思いません?」
柊「あぁ…珍しいぐらい近いな…」
佐狐「けど何と言ったらいいのか…相手を傷つけたり無下にすることもできなくて…」
柊「なるほど…それに悩んでるってことか…俺もだけど…お前も口下手だからな」
柊さんは小さく苦笑していた
俺の頭を撫でる手が止まり彼は口を開く
柊「それじゃ昔みたいなことやってみるか?」
佐狐「はい?」
柊「中学の時みたいに一緒に色んなとこ行ってみるか?そしたらなんかヒントが見つかるかもしれないだろ?」
佐狐「なるほど…!物は試しっていいますもんね!」
柊「行くか」
そう言って歩き出す柊さんの背中を追いかけていく
そうだ…俺はこの背中を見て憧れていた
皆から慕われていて自然と着いていきたくなる人
いつか自分もこんな人になりたいってーー
夕方になり俺たちは前みたいに並んで土手に腰を下ろしていた
二人で夕焼けを見ながら俺は口を開いた
佐狐「難しいですね…頭では適切な距離を保つって決めてるのに…何故か一緒に行けるのが嬉しくてつい近くなるというか」
柊「後輩は大抵そういうもんだよ…まぁ、そこが可愛いんだけどな」
佐狐「可愛い…ですか?」
柊「あぁ…こんなに俺に懐いてくれるんだとか…慕われて嬉しいってことだ」
佐狐「柊さん…俺は……」
どう見えていましたか?
俺は貴方の誇れるような後輩でしたか?
俺はその可愛い後輩に入ってますか?
聞きたいことはたくさんあった
俺は犬上さんを見ながら過去の自分を比べていた
自分は好きとかそういうのを素直に言えないのに対して犬上さんはすごく素直だ
それを見てたら急に不安になったのだ
自分は柊さんにとってどう見えていたのか
相談は建前で本当は柊さんの目に俺がどう写っていたかを知りたかった
柊「佐狐?」
佐狐「その…これからも柊さんに相談とかしていいですか?頼ってもいいですか?」
柊「相談ぐらいいつでも聞くよ、それ以外でも連絡しろよ?お前も俺の『可愛い後輩』なんだからな?」
さらりと俺が欲しかった本当の答えを聞いて俺はそっと微笑んだ
あぁ…そうかーー
なんで着いていきたいのか少しわかった気がする
その人と少しでも長く一緒にいたい
たった一言でも褒められると嬉しい
もしかしたら犬上さんも何か言ってほしいことがあるのかもしれない
そうなんともないたった一言がーー
柊「結局、答えはわからなかったな」
佐狐「いえ…俺はわかった気がします」
柊「そうか?ならいいんだけど」
佐狐「今日はありがとうございました」
柊さんは優しい笑顔のまま俺の頭を軽くポンポンとした
そうだ…人は十人十色だから……
俺は先輩になるってことに囚われすぎていつの間にかこの人の真似をしていたのかもしれない
真似をしたって俺がこの人と同じになれるわけがないのだ
俺は俺の思う先輩をやればいい
ただそれだけのことだったのだ
先輩と後輩の正しい距離はその人によって違うのかもしれない
寧ろ先輩と後輩の距離というものに正しいも間違いもないのかもしれない
まだ先輩として未熟だから…もう少ししたらわかるだろうか…
犬上さんという後輩を可愛いと思う日がくるのだろうか…
後日ーー
犬上「佐狐さーん!」
佐狐「待て!」
犬上「はい!」
佐狐「……………っ」
犬上「??」
佐狐「…はぁ…見廻り着いてきますか?」
犬上「はいっす!」
そう言って俺に抱きつく
この前のことを訂正するのであれば
この人には多分正しい距離というのが理解できないかもしれない
名前の通り犬みたいな人だから
正しい距離というのはやはりわからず難しいものだと思ったーー
先輩と後輩の正しい距離 END
コメント
5件
先輩と後輩の正しい距離感、か〜… 考えた事も無かったな…() そうだよなぁ…人によって、何が正しいのかは変わるし… ぬいが着眼するところは毎回毎回、ちょっとやそっと考えたぐらいじゃ、思いつかないところだよね…うん、マジ尊敬!!
めっちゃいいお話ですね😭‼️
今回はひいさこで先輩と後輩の話を書かせてもらいました! 先輩と後輩の正しい距離というのは改めて聞かれると難しくわからないものですね ただ適切な距離を保っていて自分がいざ先輩になると後輩との距離が近くなっていたり… そうなると自分は先輩からどう見えていたのかとか少し気になってくる…今回はその気持ちに着眼して書かせてもらいました 少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです