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月曜日。
支社の朝はいつもより少しだけ慌ただしかった。
「今日から新しいメンバーが来ます」
部長の声に、社員たちの視線が入口へ向く。
扉が開く。
一人の青年が緊張した様子で頭を下げた。
「今日から配属になりました、目黒蓮です。よろしくお願いします」
「よろしくー!」
「分からないことあったら聞いてね」
拍手が起こる中、部長が辰哉の方を見る。
「深澤」
💜「はい」
「今日から目黒の教育係を頼む」
💜「分かりました」
辰哉は立ち上がり、目黒の前へ向かう。
💜「よろしく、目黒」
目黒は少し緊張しながら笑った。
🖤「よろしくお願いします、深澤さん」
────────
午前中。
辰哉は社内を案内していた。
💜「ここが会議室」
💜「あっちは休憩スペース」
🖤「覚えること多いですね」
💜「最初はみんなそうだから大丈夫」
辰哉はゆっくり歩幅を合わせながら説明する。
目黒はその姿を見ていた。
質問をしても嫌な顔一つせず答えてくれる。
少し失敗しても、
💜「大丈夫大丈夫」
と笑ってくれる。
(優しい人だな)
そんな第一印象だった。
────────
午後。
パソコンの設定をしていると、目黒の手が止まる。
🖤「あれ……」
画面にはエラーメッセージ。
💜「貸して」
辰哉は椅子を少し寄せる。
自然と二人の距離が近くなる。
💜「ここ押してみて」
🖤「あ……できました」
💜「よかった」
目黒は思わず笑う。
🖤「ありがとうございます」
💜「困ったら何でも聞いて」
その笑顔に、目黒もつられて笑った。
────────
その様子を少し離れた場所から見ていた康二が、小さく笑う。
🧡「めめ」
目黒が振り向く。
🖤「はい?」
🧡「深澤さん、ええ先輩やろ?」
🖤「はい」
🧡「めっちゃ面倒見ええねん」
🖤「そうですね」
🧡「でも甘えすぎたらあかんで」
🖤「え?」
🧡「……なんでもない」
康二は意味ありげに笑って、自分の席へ戻っていった。
目黒は首を傾げるしかなかった。
────────
終業後。
辰哉は目黒へ声を掛ける。
💜「今日は疲れた?」
🖤「正直、めちゃくちゃ緊張しました」
💜「初日はそんなもん」
🖤「でも」
🖤「深澤さんが教育係でよかったです」
辰哉は照れくさそうに笑う。
💜「そう言ってもらえると嬉しい」
🖤「明日もよろしくお願いします」
💜「こちらこそ」
目黒は頭を下げて会社を出ていく。
その背中を見送りながら、辰哉は小さく笑った。
「頑張ってくれそうだな」
そんなことを思っていた。
まだ、この出会いが自分たちの日常を少しずつ変えていくなんて、辰哉は想像もしていなかった。
そして帰宅した目黒は、ふと今日一日を思い返す。
頭に浮かんだのは、仕事のことではなく。
優しく笑う辰哉の顔だった。
目黒は苦笑しながら首を振る。
🖤「……何考えてるんだ、俺」
その気持ちは、まだ”憧れ”だった。
コメント
2件
めめきたぁぁぁ!
優しい空気がじわっと広がる回でしたね。目黒くんの初々しさと、辰哉さんの「大丈夫大丈夫」って笑顔がすごく合っていて、自然と距離が縮まる感じが心地よかったです。康二さんの「甘えすぎたらあかんで」に思わずドキッとしました。まだ“憧れ”の段階だからこそ、この先どう日常が変わっていくのか……構造としても続きが気になる布石の効かせ方だな、と。