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目黒が支社へ配属されて、一週間。
仕事には少しずつ慣れてきた。
それも、辰哉が隣で教えてくれるおかげだった。
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午前中。
🖤「深澤さん」
💜「ん?」
🖤「この資料なんですけど……」
💜「見せて」
辰哉は椅子を引き寄せ、目黒の資料を見る。
💜「ここ、数字が一つ前のままになってる」
🖤「あ……ほんとだ」
💜「惜しかったな」
責めることなく、直し方を教える。
🖤「ありがとうございます」
💜「同じミスしなきゃ大丈夫」
目黒は何度も頷いた。
────────
昼休み。
社員食堂。
🧡「めめ、こっち座り」
🖤「ありがとうございます」
康二の向かいに座る。
少しして辰哉もやって来た。
💜「空いてる?」
🧡「もちろん」
三人で昼食を食べ始める。
仕事の話で盛り上がり、笑い声が響く。
辰哉が席を立ち、飲み物を取りに行った時。
康二が目黒へ小さく笑いかけた。
🧡「どうや?」
🖤「何がですか?」
🧡「深澤さん」
🖤「すごい人ですね」
🧡「せやろ?」
🖤「仕事もできるし」
🖤「周りもちゃんと見てるし」
🧡「うんうん」
🖤「ああいう先輩になりたいです」
康二は少しだけ安心したように笑った。
🧡「それならええ」
まだこの時は、本当に”尊敬”だった。
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その日の夕方。
仕事を終えた辰哉がデスクを片付けていると、目黒が近付いてくる。
🖤「深澤さん」
💜「お疲れ」
🖤「今日もありがとうございました」
💜「こちらこそ」
🖤「少しずつですけど」
🖤「仕事、楽しくなってきました」
辰哉は嬉しそうに笑う。
💜「それが一番だよ」
🖤「深澤さんがいたからです」
💜「俺だけじゃないよ」
💜「みんな助けてくれるから」
目黒はその笑顔を見て、小さく頷いた。
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夜。
本社。
照はビデオ通話で辰哉と話していた。
💛「新しい後輩どう?」
💜「素直で頑張り屋さん」
💛「そうなんだ」
💜「覚えも早いし」
💜「教えがいある」
照は安心したように笑う。
💛「辰哉らしいな」
💜「何が?」
💛「楽しそうに話す」
💜「そう?」
💛「うん」
その表情を見て、照も自然と笑顔になる。
まだ何も心配することはなかった。
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翌日。
営業先から戻る途中。
急な雨が降り出した。
🖤「うわ……」
💜「結構降ってきたな」
近くの軒下へ駆け込む二人。
💜「傘持ってる?」
🖤「会社に置いてきました」
💜「俺も」
二人で雨が弱まるのを待つ。
目黒はふと隣を見る。
辰哉は雨を眺めながら、小さく笑っていた。
💜「最近、雨多いな」
その横顔を見た瞬間。
目黒の胸が、ほんの少しだけ高鳴る。
(……あれ)
自分でも理由が分からない。
ただ、さっきまでの雨音が少し遠く聞こえた。
目黒はその気持ちに気付かないふりをして、静かに空を見上げた。
その小さな変化を、まだ誰も知らなかった。
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junp
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コメント
1件
うわ…第34話、読み終わりました……。 雨の中で目黒くんが「あれ?」って気付く瞬間、すごく繊細でドキドキしました。「気付かないふりして空を見上げる」って、そういう小さな感情の変化、好きです。まだ誰も知らない…って一文が、これからを予感させて切なくなる。 辰哉先輩が本当に優しくて、尊敬から始まる関係がどう変わっていくのか、すごく気になります……🌙