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#転生?
さっぴー
111
百はな🍑
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ゼンティとの結婚式を控えたリィラは、王妃になるために様々な教育を受ける日々であった。
口調や礼儀など淑女の嗜み、食事や社交のマナー。それに貴族の交流会、お茶会、晩餐会などにもゼンティと共に必ず出席する。
王子の記憶を持つゼンティは慣れた様子で余裕だが、一般人のリィラは疲れ果ててしまう。
「リィラちゃん、毒を吸いたいんだけど……」
「どうぞ、お好きなだけ、お召し上がりくださいませ」
「……リィラちゃん、口調がレンみたいになってるよ……」
ゼンティは本気で引いている。宿敵のレンティを連想してしまい、それだけで食欲が失せてしまう。
リィラは記憶喪失の設定なので、ある程度の世間知らずは許されるものの、貴族の生活には慣れない。
これなら家畜扱いされていたが自由に生活できたベスティア王国の方が楽だったかもしれない。
ゼンティは人目に付かない場所に外出さえしなければ、城で命を狙われる事はない。一見、平穏な暮らしに思えた。
昼下がりの休憩時間にリィラが一人で中庭を歩いていると、花壇の前に腰掛けて休憩している男性を見かけた。
それは以前にも会った、黒衣に黒い髪のドクターだった。
「あっ! リィラ様、お疲れ様です」
ドックは明るい笑顔でリィラに手を振る。リィラはもうすぐ王妃になるのに、友達に接するようなドックの態度は変わらない。
リィラはドックに近付いて立ち止まると、ドレスの裾をつまんで丁寧にお辞儀をする。すっかり貴族の挨拶のマナーが身に付いている。
「ドックさん、こんにちは。今日は珍しく地上にいるのね」
「あはは、そんなモグラみたいに言わないで下さいよ。僕だってお日様の下で休憩します」
暗い地下の研究室で孤独に働いている割には、ドックは明るい性格をしている。逆に笑顔ばかりで心が読めない怖さもある。
ドックは立ち上がると、ズボンの尻についた砂を払ってから再びリィラに笑顔を向ける。こうして見るとゼンティよりも身長が高い。
「お時間があるなら地下の研究室を見に来ませんか?」
「……私が見に行ってもいいの?」
「当然です。未来の王妃様に隠し事なんてしませんよ」
そうは言うが、未来の王であるゼンティには秘密にしていると思われる。どちらかと言えばドックはレンティ側の人間だ。
リィラを誘ったのは何か目的があるに違いない。そう思ったリィラは、誘われるままに城の裏口へと向かって歩き出す。
地下へと続く石の階段を下ると、施錠された扉をいくつも開けては閉めての繰り返しで通り抜けていく。
ここは元は地下牢であり、今は秘密の研究をする場所なので厳重に戸締まりをするのに適している。
「ここが研究室です。毒の研究、開発、製造を行っています」
薄暗い室内に実験台のような横長のテーブルが1つ。その上には試験管やらビーカーやら置かれていて理科の実験室のようだ。
周囲の棚には薬品の入った瓶が無数に並んでいる。そして、何かの白い粉が大量に入った大きなビニール袋が床に置かれていて、やけに目立つ。
何よりも、この部屋で毒を製造しているせいか、リィラは馴染み深く懐かしい匂いを感じた。毒物を扱う割には地下室は換気が悪い。
「ここって秘密の場所なのよね。どこまで質問して大丈夫?」
「何なりとどうぞ」
「何のために毒を開発しているの?」
リィラは最初から核心に迫った。これはゼンティから聞いた話の答え合わせでもある。
ドックが真実を語るかは分からないが、ゼンティの話の通りであれば、魔物を大量毒殺する目的だろう。
「その答えは私がお話しますわ」
どこからか聞こえてきた女性の声に驚いて、リィラは壁の方に向いて目を凝らす。
暗がりで見えなかったが、実験台の横の壁際に女性が立っていた。ずっと気配を消していたらしく、壁に背をつけて腕を組んでいる。
コメント
1件
お疲れ様〜!第19話読んだよ! リィラの口調がレンみたいになっててゼンティが引いてるシーン、思わず笑っちゃったw 王妃教育で疲れ切ってるところに、ドックが気軽に声かけてくるギャップがいいよね。 「毒を吸いたい」ってゼンティの本気の引いた感じと、リィラの「お好きなだけどうぞ」が面白すぎる😂 地下研究室の描写もしっかりしてて、薄暗い実験室の雰囲気が伝わってきた。最後の謎の女性の登場で「えっ!?」ってなったよ!続き早く読みたい!