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#SnowMan
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目黒が来てからというもの、柊とは別に、何度も目黒が部屋に来るようになった。一人きりになる時間が少ないのはありがたい。
💚「……また来たの?」
🖤「それが俺の役目だからな。亮平がどこまで壊れてくか、それを見るのが楽しいよ」
💚「悪趣味だねぇ」
🖤「物理的に攻撃するファントムと、中に侵入しようとする柊、精神的に壊そうとする俺。どれが好み?」
💚「どれも嫌だね。まあ、あっちには聞こえてないからハッキリ言うと、ファントムが一番、相手にしたくない」
🖤「ハハッ。正直すぎねえ?」
💚「何か、問題ある? 監視されててよく寝れてないんだよ。もう、寝かせて……」
🖤「このまま順調に弱ってけば、次の段階に進めそうだな。せいぜい、束の間の休息を大事にするんだな」
そう言って部屋を出て行く目黒。
俯きながら、阿部は目を閉じた。
今の会話の中でわかったのは、自分が弱っていく姿を見せればいいということ。その為の目黒ということなのだろう。
そして、次の段階。これは、恐らく柊やファントム側の問題ではない。それは柊の反応から分かる。現状、何も進んでいないのに次に進める筈がない。
目黒に、何か考えがあるのだろうと思う。
その為の準備ができたと見るのが妥当か。
束の間の休息を大事にしろ。つまり、この先はまともに休息が取れない可能性が高い。だったら無理せずに、眠っていた方がいいかもしれない。その時に動けなかったら、意味がないのだから。
阿部の部屋から出て、エレベーターに向かって行く目黒。
あの部屋、監視はされているけれど、声までは届いていない。ファントムの方が、阿部にとっては厄介で、柊に関しては何か対策ができているということ。つまり、柊の目的は達成されない可能性がある。
けれど、監視されているのは目黒とて同じ。ここに来たばかりの時に、腕に黒いバンドをつけられた。阿部の拘束にも使われていたから、恐らくはファントムのゴム。だからこそ、阿部も警戒して不用意に話さないのだろう。
攻略すべきは、ファントム。あのゴムをどうにかしなければ、阿部を助け出すこともできないのだから。
ファントムのゴムについて、知らなければならない。
そして今、考えていることを実行に移す。あと何回か阿部に会えれば進められる。早ければ、明日には実行できる。
焦るな。その時は確実に近づいてきている。
阿部にも伝わった筈だ。もうすぐ、今の状況から変わるということが。だから今の内に寝ておいてほしい。十分な休息は取れないとしても、それでも今は休んでいてくれればいい。
阿部の救出に、阿部の協力は必要不可欠だから。
その後も何度か阿部と会話し、柊が阿部に接触した後、三階のガラスの部屋に戻った柊が、ため息をついた。
「衰弱はしていますし、効き目は少しありますが、決定的なものはありませんね。まだこれでは足りないのでしょうか」
「目黒さん。あなたがいれば、攻略できるのではなかったのですか?」
🖤「思ったより頑固なんだよ、あいつ。俺が裏切ったことで心が折れると思ったんだけど、もっと壊した方が良さそうだ」
「……何か策でもおありで?」
🖤「あんたら、あいつが仲間の為なら身を削るって言ったろ? でもホントは、仲間が傷つくなら自分を犠牲にする、の方が正しいんだよ。だから、あいつの目の前であいつが一番信頼してる人間を、元々仲間だった俺が壊す。最高だろ?」
「ほう! それは、なかなかよい趣向ではありませんか。それなら、あなたの催眠への抵抗もなくなるのでは?」
「……まあ、そうですね。彼のデータを取るには良いかもしれません」
🖤「じゃあ、やっていいか?」
「ええ。是非とも拝見したいですね。その瞬間の、阿部さんの表情を」
🖤「ハハッ。あんたも十分、悪趣味だな」
目黒はファントムを見ながら、目を細めた。
その電話が来たのは、夜の九時を回ろうとしていた頃。着信相手は、敵の本拠地に乗り込んでいる筈の目黒。自宅にあったはずのスマホを持っているということは、一度、自宅に戻ったのだろうか。
何か分かったのかと、深澤は電話に出た。
💜「めめ? 何かあった?」
🖤『局長! 俺、今、あいつらのとこから逃げてきて、でも追われてて、救援、お願いします! 頼りにできるの、局長だけで!』
💜「……わかった。場所、教えて。すぐ行く」
呼び出された先は、河川敷。前に阿部と目黒が落ちた、あの川だ。そこに行くと、橋の下の物陰から目黒が出てくる。
🖤「すみません、急に」
💜「いいよ、緊急事態だ。どうやって逃げてきたの?」
🖤「俺、あいつらに捕まって……亮平への人質にされてたんですけど、隙を見て異能使って、ここまで」
💜「そう……無事で良かったよ。目黒にまで何かあったらって、心配してた」
🖤「すみません。亮平のことは、助けられませんでした」
💜「大丈夫、気にしないで。ちゃんと捜しに行くから。今日はもう遅いから、帰ろう」
そう言って目黒に背中を向ける深澤。
ニヤリと、目黒の口元に笑みが浮かぶ。
🖤「捜しに行く必要、ありませんよ」
瞬間、深澤の足元から出現した数本の蔓が深澤の体を拘束した。
💜「なっ。お前、なんでっ」
🖤「すみません。俺、今はあっち側なんで。一緒に来てもらいますよ、局長」
目黒を中心に、目黒と深澤の足元に黒い水が広がっていき、黒い水に目黒と深澤の体が吸い込まれるように消えていった。
ちょこん、と草むらから顔を出した、青みがかったスチールブルーの毛を持つハリネズミ。その紫色の目は、目黒と深澤が消えた場所を映していた。
コメント
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皆んな策士で信頼しあってて素敵✨ 展開が楽しみすぎます♡
月曜日の更新が待ち遠しいです!! ご旅行楽しんでくださいね✈️ 月曜日の更新楽しみに待ってます!!