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拝啓


行く年を惜しみながら新しい年に希望を馳せるこの頃。


お母様におかれましては、お健やかにお過ごしのことと存じます。



さて、日頃は何かといたらぬ私に、いろいろとお心遣いをいただき、言葉では言い表せないほど感謝しています。


ですが、それはもう終わりを迎えることでしょう。


私は死にます。


彼、放浪者と言えば良いでしょうか。


今思えば懐かしく、輝かしい日々でした。


それはそれは私が最も幸福と感じた瞬間でもありました。


なぜなら、私は恋をしたからです。


放浪者を愛してしまいました。


お母様は反対しながらも、婚約を認めてくださいましたよね。


あの時、とても嬉しかったのです。


大好きな人から受け入れられるというものは、何とも感動を感じました。


ですが、それは微風のように過ぎ去りましたね。


放浪者の彼と旅する時間全てが、裏切りによってつくられていました。


彼は人殺しだったのです。


だからと言って、愛すのをやめたわけではありません。


むしろ受け入れました。


お母様のように。


お母様は言ってくれましたね。


──どんな出来事が起こっても人を信じ、愛せる自分でいなさい。


それを生き甲斐に、私は彼を愛し続けました。


ですが私が彼に対して裏切りと思った出来事は、これだけではなかったのです。


彼は最初から私を人として見ていなかった。


ターゲットとして見ていただけなのです。


これが私の中で裏切りの三文字ヘと黒く染まりました。


そして、婚約破棄をしようと言いました。


その時、腹部に何かが染みるのを感じました。


血です。


アメリカ人としては珍しい刃物での殺害は、計画したものではなく、怒りのあまり咄嗟にやってしまったことなのだと思います。


何だか、私は彼にとってそれ程度だと思い知らされたようでした。


何よりそれがとても痛く、苦しかったです。


私は彼を許すことができません。


恩を仇にしたという言葉の通り、私が全身全霊で愛して、尽くしても彼にとっては殺す相手に過ぎなかった。


上流家庭で育つも、親から冷遇され、虐待されたと俯きながら話したものは嘘だったのでしょう。


私達の間に、愛の一文字は存在しません。


ですから、法で彼を正当に裁いてください。


この手紙が証拠となることを願っています。


そして、お母様が永遠に健やかで暮らすことを願っています。


これは私が死ぬ寸前に書いたものなので、字が汚く、見えにくいでしょう。


ですが長いこと過ごしたお母様なら、分かってくれると信じています。


お母様、死んでも愛しています。


お父様、お身体にお気をつけて、幸せになってください。


お兄様、マリア様との子供が出来たらこの手紙を通じて教えてくださいね。


それでは、来世にお目にかかれますことを楽しみにしています。


私は一足先にお祖母様や、お祖父様の元へといきます。


略儀ながら来世のごあいさつまで。


敬具


昭和五十年十二月二十五日 直木恵理子


直木真理子様





































































































後にこの遺書によって史上最悪の殺人事件を犯した連続殺人鬼、リース・ロックスは死刑判決が下された。


身勝手な犯行と、数々の残忍性により、妥当な判断だと裁判官は語る。


だが被害者遺族による哀しみは、死刑では足りなかった。


たくさんの嫌がらせによるものでロックスは徐々に疲弊していった。


最後には彼の愛する車や、バイクを燃やされ、跡形もなく存在しないものとなった。


だが、これではまだ足りないと当時の被害者の母、直木真理子は手紙で綴る。


死刑が下された後も、永遠と呪縛に囚われることだろう。


それが直木真理子と直木恵理子による復讐だ。










そう思いませんか?


放浪者であり、殺人鬼でもあるリース・ロックスよ。

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コメント

11

ユーザー

えーんコメント遅くなっちゃった 毎度待たせて申し訳ないけど え、この短さでこのクオリティやばくない? 普通にゾワッてして怖かったし凄く短かったのにこの満足感はやばすぎ やっぱ復讐って怖いね、何されるか分からないもん!!笑 えーー久しぶり作品見れて生き返る!! 見るとしたらりのの作品1番に見るって決めてた笑笑

ユーザー

最後ゾワってした(¯―¯٥)

ユーザー
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